第4話もしかしてここからが本当の戦いってやつ?

「末の妹が恐ろしい...」


前回ひょんなことから妹のさとこの部屋に入ってしまう。そこで私はさとこの秘密を知るのだが何故か逆に脅されることになってしまうのだった...


「じゃあお姉ちゃん早速肩揉んでよ」

「わかりましたマイシスター」


最悪だ。

脅された私は今毎日朝7時起きを強要され毎朝支度の手伝いをさせられ毎日大から小の色んな命令を聞かされ続けている。ちなみにもうこんな生活なら一週間は経っている


「あのぉこれっていつまで続くので?」

「うーんとりあえず私の高校卒業まで?」

「え?」

「私に隙を見せたのが失敗だったねぇ黒姉さん」

「くっ」


こんのメスガキィ!解らせたい!


「あっそこいい強めにもんで」

「もうこんなことやってられっか!」



私は我慢の限界となり手を上げやらないのボーズをとる。

いややらないのポーズって何?って話ではあるんだが


「へーいいんだー黒姉さん、今の黒姉さんはスパチャの件で大分好感度がアレなことになってるけどそこでこのパンツ盗みの事をバラしたらどうなると思う?最悪通報されるかもね」

「くそぅ...分かりましたマイシスター、いつか覚えてやがれ下さい」

「はいはい覚えておきまーす」

「ん?何やってるの?」


そこにお姉ちゃんまでやってくる...最悪だ...


「あっ白姉さん!聞いてよ聞いて!黒姉さんがなんかいままでのことを反省?するらしくて、その証明に私の言う事なんでも聞いてくれるらしいの!あとバイトもするって」

「んな!?」

「ほんとに!?良かった〜」


お姉ちゃんの顔がめっちゃ安心してる顔に変わる。

えっ私どれだけ心配されてるの?


「いや違くて」

「黒姉さん?否定したら...分かるよね?(ボソッ)」

「うん!私!生まれ変わった!」


クソッただでさえここ1週間何故かお姉ちゃんが配信してないから頭がクラクラすると言うのに...

ネットでも大分心配されてるんだぞ


「そっか黒がそんなに...」


お姉ちゃんがなんかもう泣き出しそうな顔している

やっぱりお姉ちゃんの私への評価って日に日に下がってた?


「それでね!!両姉さんに折り入って頼みがあるんですよ!!」

「え!?」

「何?」


悪魔のような笑顔をしたさとこがなんか言い始めた!一体なんなんだ...


「明日3人で新しいデパート行かない?」

「え」

「まあここ最近みんなで遊びに行くなんてこと全然なかったしね、ちょうど良いじゃん!」


なんだ...そんなことか...もっとえっちなことを頼まれるのかと、元々ネタ集めの手伝いをしろと言われてたわけだし


「それなら私も全然いいよー」

「それじゃあ決まりだね!今週末が楽しみだ!」


その夜、部屋にて...


「いやー今度姉妹3人で買い物行くことになってさー、ぶっちゃけワクワクよもうワックワックよ」


今日の出来事をはくあ(白)はにやにやしながら本当に嬉しそうに語っている。

だろーなー、お姉ちゃんは昔から家族で色々遊ぶのほんとに好きだったから、大学に行ってからはほとんどなかったけど...

それに久々に配信してる姿はやはり私のアイドルだ!。

ここ1週間の精神的苦痛を完全に癒してくれる...


「ぐへへへへへ復活記念だいっぱいスパチャしちゃおっかな〜」


私が欲望のままに赤スパを投げようとすると


「待つんだ黒姉さん!」

「ふへぇ!」


さとこが後ろから止めに入ってくる。

そして私はその声に驚く、びっくりしたぁ


「さとこ...なんで止めるの!?」

「はぁ...やっぱ気づいてないのか...まあいいや」

「?」

「とりあえずこれから暫くはスパチャ禁止!」

「えぇー!」

「文句言ったらバラすよ」

「くっ」


私は手で口を塞ぐ、くそっずっと色んな命令をしまくりやがっていつか解らせてやる!


「はぁこれに関して黒姉さんのためなのに...(ボソッ)」

「あっあと伝えたいことがあるんだった」

「ふへ?」

「明日白姉さんとキスしてね♡」

「ふへぇ〜」


へぇ〜お姉ちゃんとキスか〜お姉ちゃんとキスか〜〜

お姉ちゃんとキス!?


「ふへぇ!?そんなこと出来るわけないって!」

「出来る出来る、黒姉さんは白姉さんの事好きなんでしょ?」

「いやそれは前までであって今はその気持ちは全部はくあたんに向けてるわけで...」

「 好 き な ん で し ょ ! 」

「はい...好きです...」

「なら無問題」

「んなわけなくない!?」


いや好きだけど!パンツ盗むぐらいにはまだ未練があるけど...それでも...こうキスは...


「私は黒姉さんの恋が成就するのを望んでるの!」

「だからといってもやり方がぁ」

「何言ってんの白姉さんは多分押しによわよわだからちょっと強めに押し倒してあげれば多分なんでも言うこと聞いてくれるよ!」

「ちなみに根拠は?」

「長年百合ヲタをしてた私の勘!」


さとこはドヤ顔で宣言する。

それを根拠がないっていうんだよ...


翌日


こんにちは黒です。私達は今新しく出来たデパート、ライオーに来ています。


「ライオー♪入店♪百獣のデパート♪何を買うか?♪買われるか?♪」


お姉ちゃんがこの店のテーマソングを口ずさむ、素晴らしい耳がどんどん癒えて行く...耳の保養にぴったりだ。この天使のような歌声を隣で聞くことはなんならなんらかの罪に問われないと落ち着かない...罰金で赤スパしたい。

それはそれとしてここのテーマソングいかつすぎるだろ。


「それで両姉さん!まずはどこに行く?」


私の隣からさとこが私達が声をかけてくる。


「そうだなぁまずは下着とか見たいなー最近数少なくなってきたし」

「ギク!?」

「ん?どうしたの黒そんな固まって」

「ななななななんでももももももななないよよよよ」

「そうならいいけど」


ヤバっそうだちょくちょく盗んでるんだから少なくなるのもしょうがないか...はぁなんか自分がどれだけのクズか分かってきた気がする。


「私がばらすよりもすぐバレそうだねw(ボソッ)」


やかましいぞ右

とはいえこれは明らかに私のせいだし、それでお姉ちゃんが苦しむのも気が引ける。私がお金を払おう


「お姉ちゃん!私が下着買うよ!」

「えっいいの?でも借金が...」

「いいよいいよあんな大金に比べればこんなのはした金だって」

「そんな大金を誰かさんは何に使っちゃったんでしょうねー」

「はははジョークだってジョーク、黒のジョークでブラックジョーク、なんちゃってははははは...ごめんなさい」

「はぁ、ほんとにちゃんと反省したんだよね?」

「勿論!ちゃんと反省しましたよ!」

「うーーん、怪しい」


めちゃくちゃ怪しまれてる。

そりゃそうか...当たり前だよね急に心変わりしてその挙句反省してないような態度を取ったんだから

疑われてもしょうがない


「まあとりあえずこれは私の買い物だから私が買うよ」


お姉ちゃんがそういうとササッと下着を買いに言ってしまう...うぅ罪悪感


「黒姉さん、今強引にでもキスするタイミングだったのに」

「どこがだよ!?」


さっきサラッといなくなっていたさとこが私をからかいに戻ってきた...


「はぁ黒姉さんはなんだか危なくてみてられないね」

「それはどうも」

「褒めてないよ」


私たちはお姉ちゃんが帰ってくるまでのんびり会話する。


「黒姉さんってさなんであそこまで赤スパの為に抗えるの?別にリアルにお姉ちゃんがいるんだし伝えたいこととかも全部直接お姉ちゃんに伝えればいいじゃんわざわざ金払ってまでバーチャルで伝える意味が分からないよ」

「分かってないなぁさとこは、もし私がお姉ちゃんに気持ちを伝えられるような子だったらここまで拗れて無いよ」


そうだ...本音を心の丈をこの気持ちを直接リアルで伝えられるなら苦労はしないのだ。


「結局私は黒羽っていうアバターを纏って雪風はくあというフィルターを通したお姉ちゃんに1万円以上のお金払ってそこでやっと冗談まじりの好きを伝えられるの、そうじゃないとすぐ自分自身の考えの中ですら否定してしまう。」

「へぇ〜そういう」


なんとなく自分の本心をポロッと話してしまう...

はあ〜らしくないなぁ〜


「2人とも終わったよー!」

「わかった今行くー」

「じゃあ行こっか」


切り替えて私たちは色んなお店を巡る


下着屋にて


「さとこさとこ!いい感じの豊胸パッドが今なら2500円!」

「買わないよ馬鹿らしい」

「でも胸ないこと気にしてたじゃん」

「してないもんそれに胸パッドつけてる方が恥ずかしい」

「確かにAからBくらいには成長してるかも?」

「盗んだことバラすよ」

「ゴメンさない」

「分かったら早く行くよ」

「はーい」

「後で買お(ボソッ)」


電気屋にて


「ほえーこのマイク音質良さそー買っちゃおうかな?」

「待ってお姉ちゃんこっちの方が聞き取る範囲大きいよ!」

「ほんと!?今行くー!」



「黒姉さん!黒姉さん!このペンタブ買って!」

「どれどれ?って5万!?そんなに持ってきてないよー!?」

「持ってきてたら買おうとしてたのか」


服屋にて


「ほぉーなかなかいい生地、雪風はくあゆるふわぬいぐるみでも作ろうかな?これで...あとコスプレも行けるかも?無理か」

「コスプレかー見てみたいな黒姉さん♪」

「やっぱいいやまた今度」

「えぇー!」


こうして私たちは結構ショッピングを満喫した...

そしていい感じにお腹のすいた私たちはフードコートでお昼を食べに来ていた。


「私が長女だからね!お昼はバッチリ奢るよー!」

「「お願いしまーす」」


お姉ちゃん面出来るのが余程嬉しいのかお姉ちゃんはドヤ顔で宣言する、私達もそれに甘える。


「じゃあお姉ちゃん私MICK(ハンバーガー屋)のAZUMAバーガーが良い!」

「じゃあ私はキス屋の欲望のチーズ牛丼をお願いしたい」

「分かったよー、じゃあ私はアー麺のクソデカメンマラーメンにしよ」


お姉ちゃんが3人分の注文にお店の方に向かう。とりあえず戻って来るまでは水でも飲んでのんびりしようそう思い水を口に含んだ瞬間


「黒姉さんキスはいつするつもりなの?」

「ブッ」


水吐きかけた急いで飲み込んで返答する


「すっする訳ないじゃん!」

「えー早くして欲しいな」

「とにかくしない!なんとかあんたの弱点見つけ出してやる」

「ふふふ、そんなものないもん私はクラスでもこのキャラを貫き通してるんですから!胸だってBですし」


さとこもお姉ちゃん顔負けのドヤ顔を披露する、あと胸は関係ないんだが弱点と聞いて反応するくらいには気になっているのか...


「でも諦めないからね」

「はいはい無意味なことですよ、ん?」

「?」

「あっちょっとトイレ!」


そういうとさとこは大急ぎでトイレに行ったどんだけ急に催したんだろうか...

その後普通に注文を終えたお姉ちゃんが帰ってきてさらに注文の品が届いたのにも関わらずさとこは姿を見せなかった。


「ちょっと私もトイレ行ってくる!」


私は急いでトイレに向かう...

なになあったのではないか心配になってくる...


「さとこー?」


私は呼びかけながらトイレに入る、だが意外なことに何処の個室も鍵がかかってなかった。


「えっ黒姉さん!?」


鍵のかかってない個室からさとこの声がした...


「さとこどうしたのー?」

「あははは少しお腹を壊してて」

「鍵ちゃんとかけなよ」

「あはははごめんごめん」

「ほんとぉぉおおおお!?」

「え!?」


ドアノブ握ってうろちょろしてたら水に滑ってしまいそのままドアを破ってしまった。我ながら不甲斐ない


「ごめんさとこ今で、る!?」


私は驚く、そこにはブラの上に上手くBになれるように設定されている豊胸パッドを胸に着けていた。


「あっあっあああああああああああぁぁぁ!?」

「さとこ!?落ち着いて!」


私はさとこを急いで介抱する


「ハアハアハア」

「落ち着いた?」

「うん」

「豊胸パッドしてたんだ」

「してた」

「別に恥ずかしがることじゃないんだよ?そういうお年頃なんだから」

「うるせえぇぇぇぇ!最初から恵まれたものに恵まれぬものの気持ちが分かるかぁ!なんでぇなんでぇ同じ姉妹なのにDなのぉ」

「うわっ急に揉まないでよ!」

「お願い〜!このことだけはこのことだけは言いふらさないで!バレたら私恥ずかしくて死んじゃう!」


涙ながらに訴えるさとこ、まあ言いふらす相手もいないし証拠もないはずなんだが...まあ言うきもな

黒に電流走る


「えぇータダではなー」

「え」


私の頭の中には今天才的アイディアが浮かんでいた


「どうしても言いふらさないで欲しいって言うならあのデータ消してもらおっかな」

「うっ」


狼狽えたさとこは下を向き少し考える素振りを見せる...


「分かったよ、今データ消す」

「家に帰ったら残してる予備とかも全部だよ」

「ちっ」


やった!これで!これであの1週間から開放される!


「はぁまさかこんなことになるとは」

「まあ私の豪運あってこそだね」

「じゃあついでにいいこと教えてあげる」

「おっ何?」

「暫くは赤スパしない方がいいよ」

「え?」

「したら多分白姉さんはまた配信を辞めるから」

「え?え?どういうこと?」

「要は前のどんな手を使ってでもってやつがこれなの」

「はぁ!?」

「今、白姉さんは本気で黒姉さんが更正してると思ってるから久しぶりに配信してただけ、そのまま元に戻ってみな、また配信辞めるだろうね」

「そんな...でももはや配信はお姉ちゃんにとって大切なものになってるのに...」

「それを断ち切ってでも白姉さんは黒姉さんのスパチャを辞めさせたいんだろうね」

「そんな...」


せっかくまた赤スパ投げられると思ってたのに、好きが伝えられると思ったのにそれでお姉ちゃんが配信辞めちゃったら意味ないじゃん...

もしかしてここからが本当の戦いってやつ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る