mission19

 先輩は翌日の昼前に帰ってきた。

 帰って来るなりイオンに捕まり、事情聴取が始まる。

「どうしてあの男にすんなり応じたの」

「何もされなかった?」

「食事は何を食べたの?」

「あの男と何を話したの、何を聞かれたの」

 等々……

 あたしは見て見ぬふりをした。

「ミリアルは仕事だったし、俺はあの大きな家で一人退屈していました。何なんだ、お前はいきなり!」

 ついに先輩も爆発してしまったようだ。

 無理もない。

「何なんだって、心配してあげてるのよ! あなたを!」

「心配? だったら怪我は大丈夫かくらい言えよ!」

 珍しくイオンと先輩が口げんかをしている……

 とてもくだらない内容だけど。

 いい雰囲気ではないので、このままお出かけしちゃおう!

 あたしは二人に気づかれないように、そっと家を出た。

 目指すは、山!

 ルイのところだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る