えっ!? 学校ではマリー・フォン・フランソワって名乗ってるの!? お前の名前、小松茉莉子じゃん!! ~同居し始めた田舎育ち女子は見栄っ張り拗らせてて、テレパシーが使える~
第97話 可愛いクリスマスを夢見るマリーさんが1番可愛い ~出来レース~
第97話 可愛いクリスマスを夢見るマリーさんが1番可愛い ~出来レース~
「マリー・フォン・フランダース!! ただいま戻りました!! おじさんが助けを呼ぶ声が聞こえたので!!」
マリーさんが来てくれた!!
ありがと、マリーさん!!
「茉莉子さん。クリスマスと混ぜたら秀亀さんが死にそうな家名になってぃーんすけど。これってぼっち警察的にはセーフすか?」
「こはるんともえもえが全然気づいてないからセーフだね。わたし、そもそもまりっぺの設定に乗っかってあげたの初対面の時だけだし」
マリーさん!!
ついにぼっち警察がハッキリと設定とか言い出してるぞ!!
ちょっとだけで良いから、気を付けようぜ!!
「あの、秀亀さん……」
ダース・こはるんも帰って来た。
茉莉子の保護者として俺が謝罪せねば。
「小春ちゃん! お肌がプリプリのつやつや!! ゆで卵みたい!! よく言われない? もうすごい!! ずっと見てたい!!」
「えっ。あ、はい」
何か間違えたかしら。
「いえ、あの。マリーちゃん。下着してないんですけど。ふ、普段から、こうなんですか!? 私、ちょっと色々と覚悟を完了させ直す必要が出て来たんですけど! フランソワ家ってこんなに奔放なんですか!?」
改めてマリーさんを見てみよう。
今日もそこそこ気温は高いので、いつも通りの短パンにタンクトップ。
「いつもと同じじゃない? マリーさん、なんか違うっけ?」
「んー。あたしも普段通りなんですけど、小春ちゃんが怒るんですよねー。いくらなんでもそんな乱れた、すぐにデキちゃう恰好良くないと思うよ!! って」
朝の着替えの時とか楽なのにね。
「もえもえが、私人としての立場を捨て去り喜津音女学院の生徒会長として物申そうかと思います。ご清聴願います。小松さん。マリーさんは下着を付けずに短パンとタンクトップをお召しですね。これは、ちょっとズレると大変な事になるかと思われます。性に奔放過ぎるというこはるるーさんのご意見はもっともだともえもえは信認します」
「ああ! 大丈夫! マリーさんムチってるから! ズレたりしない! むしろ肉がはみ出て安定感あるし! いでぇ!!」
「なんてこと言うんですかぁ!! はみ出てないですぅー! ちょっと乗ってるだけですぅー!! おじさん、もうお風呂上りに太もも貸してあげませんよ!!」
「え゛っ!? ごめん、悪かった! 風呂上がりのマリ枕は1日の疲れを取る上でもう欠かせないんだよ!! アイス食っていいから!!」
「ほほーう! 良い心がけです!! ふふふーん! ややっ! ヨーロピアンシュガーコーンじゃないですかぁ!! 奮発してる、おじさんが!! みんなが来るからって!! んふふー! 皆さんも食べませんか?」
新菜と桃さんが菩薩みたいな顔になってる。
どうした、何があった。
「いやー。なんかお腹いっぱい、ごちそうさまって感じだぜー。何なの、君たち。もう夫婦じゃん。絶対に伯父と姪の設定はもう無理だよ」
「クリスティーナなんていらねーっすわ。もう、短パンとタンクトップが最強の聖衣じゃねっすか。つか、性衣じゃねっすか。このドスケベピーナツ野郎!!」
なんで批判されてんのか分からないけど、みんな、アイス食って落ち着こうぜ。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「すみません。私、まだまだ子供です。よく考えたら、マリーちゃんはそういうマリーちゃんでした。なんだか私、マリーちゃんを見失っていました」
「こはるるーさん、元気を出してください。マリーさんは確かに最近時々マリーさんではないマリーさんになる事がありましたから。錯覚する気持ち、もえもえ分かります」
アイスってすごいね。
食ってたらみんなが落ち着くもん。
世界中でアイス配って歩いたら争いはなくなるんじゃないかしら。
「では!! このマリーさんが!! 大トリを担当しようじゃありませんか!! 大きい鳥がなんで最後って意味なんですか!!」
「よし! やってやれ、マリーさん! 今のところ、小春ちゃんと新菜が暫定1位だぞ!! 頑張れ、負けんな!! うちの子だからって贔屓しないとか思うなよ! クソ贔屓して採点するからな!!」
菩薩フェイスの女子がやっぱりこっち見てる。
アイス食いながら。
「パナップっすね。やっぱ第一夫人のキャッスルは崩せねっすよ。大阪城じゃねぇっすか。秀亀丸がすげー防御力誇ってぃーんすけど」
「だぜー。まー、わたしらはたまに摘まんでもらうくらいでいいじゃん? 秀亀、どうせフルパワーヒデキになっても月1が精いっぱいだろーし。あってもなくても同じだぜー」
よく分からんが、レアぴっぴがちゃんと日本史の勉強してて、ぼっち警察が見守ってくれてるのは分かった。
「あたしはですね! サンタさんがいなかったショックから抜け出せていないので! おじさんにサンタさんになってもらいたいと思います!!」
「はい来た! もう可愛い!! 優勝!!」
「んふふー。まだですよ、おじさん! マリーさんは財政状況に配慮できる、デキたご令嬢なので高額なものは頼みません! と言うか、ものを頼んだりしません!!」
「ほい来たぁ!! 最優秀賞!! 心が綺麗!!」
「あたしがサンタおじさんにお願いしたいのはですね!! えっと、一緒にご飯食べて、お風呂入って、髪乾かしてもらって、寝る前に頭を撫でてくれたりして、同じお布団でくっついて寝たいです!! そうすれば、サンタさんはずっとあたしの隣にいるので! サンタさんの存在証明ができるのです!! どややややー!!」
「ブラーヴァ!! ブラーヴァ!!! この慎ましいお願い!! みんな、聞いた!? ねえ! うちの子! これがうちの子!! 15歳でこの純粋さ!! 輝いてるよね!! まだ原石なのにさ! 既に太陽より眩しくて、月より綺麗!! ねぇ、みんなぁ!!」
どうして誰も反応してくれないのかな。
「アイスうめーぜ。酔った時のアイスってねー。なんかすっごく美味しいの」
「そーなんすか。ウチも体験してみてぃーっす。大人な発言っすね、新菜さん」
「ハーゲンダッツ以外のアイスって初めてですけど、美味しいですね。硬くてすぐに食べられないアイスじゃないとか、すごいです」
「もえもえは既製品のアイスを食すのが初もえもえです。近衛宮家では毒見役が先に食べないと頂けないので。やっぱり小松さんに嫁ぐと毎日が新発見の予感です」
なんであの子たち、俺と茉莉子を無視してアイス食ってんだよ!!
(おっす! おら、マライア・キャリーぱみゅぱみゅ!!)
マジかよ。
ばあちゃん、テレパシーの受信だけじゃなくて送信もできんの?
茉莉子のテレパシーは心地いいんだけど、ばあちゃんのヤツはね、戦時中にポストに赤紙叩き込まれたらこんな気持ちだったのかなって感じ。
(うっせぇ! ぶっ殺すぞ!!)
あ、ごめんなさい。
それで、ばあちゃんは何をするために割り込んできたの?
(秀亀? 茉莉子とイチャコラするのはさ、ばあちゃん的にもオールオッケー。ただね、TPOは選びな? あんた、友達なくすよ?)
マジで!?
(悲しいヒジキよ……。誰よりも茉莉子推し深き故に……。あばよ!!)
ばあちゃんの霊圧が消えた。
そのあと、みんなで大貧民し始めたけど、俺は入れてもらえなかった。
負けてマジギレすらさせてもらえないこんな世の中じゃ。
早起きして誠心誠意を込めた朝ごはん作ったら許してもらえた。
みんな、また泊りに来てね。
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