えっ!? 学校ではマリー・フォン・フランソワって名乗ってるの!? お前の名前、小松茉莉子じゃん!! ~同居し始めた田舎育ち女子は見栄っ張り拗らせてて、テレパシーが使える~
第96話 全然エロティックな話をしないレアピーチさん ~に、騙された秀亀くん。してんじゃん!! 最初から全部エロじゃん!!~
第96話 全然エロティックな話をしないレアピーチさん ~に、騙された秀亀くん。してんじゃん!! 最初から全部エロじゃん!!~
茉莉子。茉莉子さん。
いや、マリーさん?
まりっぺ?
ねぇ、なんで無視するの?
(すみません、おじさん! 今ですね! あたし、ゆりゆりしてみたいと思って!! 小春ちゃんと湯船に無理やり2人で入ってみたところなんですけど!! 小春ちゃんがこの世の終わりみたいな顔でずっと下向いてるんです!! これって合ってますか!!)
世間一般的には合ってるかもしれんが、親友失くしそうだからさ。
小春ちゃん、お肌つやつやだから。
そこを褒めまくっておいで? 30分くらい。
もう帰って来なくていいから。
ここは俺に任せろ! やって見せるさ!!
マリーさんがこはるんを風呂場で虐待していたので、リカバリーを最優先させることにした。
大丈夫。
ここにはもう結構顔が赤くてフォローは期待できそうにない新菜と、最初からフォローを期待してないもえもえと、これから俺を刺しに来るレアぴっぴがいる。
なにも大丈夫じゃない!!
「ウチ、クリスマスは大事にしてぃーんすよ。クリスちゃんで」
「えっ。マジで? 思わぬ切り口から始まったんだけど。なに? 厳かな感じ? じゃあ、ごめん。俺、桃さんのことを完全に穿った目で見てたわ。聞かせて、聞かせて」
桃さんは穏やかな口調で語り出した。
この子、声優さんみたいなボイスを発するからね、話聞いてる分にはマリーの会で1番心が癒されるまである。
「サンタ服ってあるモンティじゃないすか。あれって聖夜に着る意味があるの知りマンティすか?」
「知らナンティだわ。あれってパーティーグッズじゃないの? 日本のパリピが生み出したはっちゃけギミックじゃないの?」
「ノンノン、ノンノっすよ。サンタ服はクリスマスイヴ以外で着るのは重大な戒律違反なんす。そして、クリスマスイヴに着ねーのも戒律違反なんす」
「へー。そうだったのか。……意外とこれまでの誰よりもためになるな! 続き聞かせて! あともえもえはバレーボールを桃さんの頭に乗っけるのヤメなさい」
なんかね、そんな髪型の女芸人さんがいたわ。
おう。今調べたら、ニッチェって人だった。
もうシルエットがそっくり。
「ですけど。ヤマモリレアピーチちゃんが」
「分かるよ。俺も桃さんがガチの下ネタぶっこんで来ると思ってたからさ。拍子抜けしたって言うか、なんかちょっと悔しいんだろ? けどな、桃さんだってちゃんとした女子高生なんだ。そんな四六時中桃色な戯言吐いてんじゃねぇんだぞ!!」
「お嬢はまだしも、秀亀さんまでウチのことなんだと思ってたんすか。マジへこみピーチっすよ。凡パイのピーチもしょんぼりっす」
「はい。ごめんなさい。続きを拝聴します」
桃さんは続ける。
「サンタ服ってのはすね。本来は神への感謝の意を示す聖衣なんすよ。赤は血を捧げますという意味でぇ、白のストライプは純真を表してぃーんす」
「マジかよ。もうドンキホーテで売ってるヤツを蔑んだ目で見れねぇな」
「つーことで、ウチはサンタ服を使った儀式をレクチャーして差し上げましぃー!!」
レアピーチがガチのレアな姿を見せたくれた。
そんな風に思った俺は、バカ野郎だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「まず、お店で注文っす。毎年サイズ変わるんで!」
「そんな変わる!?」
「勘弁してくだしぃー、秀亀さん。ピーナッツクリーム野郎すか。1センチ単位でも全然違うんすよ」
「マジでか。いやまあ、厳かな儀式だもんね」
「採寸はガチった方がいいっす。窮屈だと品がねーし、ブカブカだと気分がサゲになるんで」
「うん? ああ、まあ儀式のモチベーションって大事か。情熱がない状態で神聖なことすんのは失礼だもんね」
「うっす。衣装が届いたら、1回洗うのがマストっすね。ものによっちゃ、劣化防止の処理されてぃーんすよ。匂いが独特なんで、本番で萎え萎えになるっす」
「匂い? 儀式ってそんな人が密集すんの?」
「そっすね。大人数でする場合もアリエッティすし、マンツーマンダイレクトアタックが一般的すけど、やっぱ匂いはジャスティスリーグすよ。石鹸がいっすね。最終的に行き着くのはそこっす」
「石鹸……。体も清めるってことか」
「うぃっす。で、本番の夜なんすけど。その前に全身のムダ毛を処理しょりりーするっす」
「ムダ毛!? なんで!?」
「んー。確かにっすよ。最近はモサってる方が崇高みてーな風潮もあるんすけど。やっぱツルツルにしといた方が良いんす。これ、パパピもママピも、ババピとジジピに習ったらすぃーんで。昔からそーらしいっすよ」
「なんかよく分からんが、そうか。クリスチャンの家系なんだもんな。よし、分かった。俺もムダ毛剃りまくっとくわ」
「協力的なメンズはポイントアップっぷっすよ! でぇ、寝室に入るじゃねっすか」
「寝室に」
「お互いが向き合って、女子の方が聖衣をお見せするんす。これ大事なんすけど、時間かけて凝視してあげてくだしぃー。聖衣、ガチ高なんで! もう、季節感人質にして最近は値段が上がって上がってアゲアゲなんすよ!」
「凝視する」
「あとは仕上げなんすけど、できるだけ脱がさにぃーでプレイして欲すぃーっすね。いや、分かるんすよ? 最終的にはフル・フロンタルになりてーって。邪魔なんてぃすって。ただ、特別な日っすから! 着衣でよろっす!! あとは流れっすね!! うぃっす!!」
「桃さんや。質問がある」
「さすが海王類の秀亀さん! もー準備始めんすか! レアピーチ、ちょっとドキドキっすよ!! なんすか!!」
「その儀式って一般的に何て言う名前?」
「うぃっす? そりゃもちろん、セック」
「騙されたぁぁぁぁぁぁ!! 真剣に聞いて損したぁぁぁぁぁ!! なんだよ! ド下ネタとかそういう次元じゃねぇ! 俺、行為の下準備について真剣に聞いてた!! あ゛あ゛! もえもえがバレーボールで会話の邪魔してたの! 俺のためかよ!! 全部嘘じゃん!! いや、俺が勘違いしただけだけど! 巧妙なんだよ、やり口が!!」
萌乃さんは無言でバレーボールをエロピーチの上で弾ませた。
「じゃあなに!? クリスチャンってのもウソかよ!! 良くないぞ、レアぴっぴ!! 怒られるんだからな!!」
「何言ってんすか?」
「すげぇ澄んだ瞳で首傾げてくるじゃん!? なにこの子! 可愛いんだけど!! ちくしょう、騙されて堪るか!! うそつき! うそつき!!」
ウソピーチは「ふふふっ」と可愛い声で笑ってから言った。
「クリスちゃんって、ウチのうちで代々伝わるサンタ仕様のパンティーとブラジャーの名前っすよ?」
「イントネーションおかしいなと思ってたんだよ!! パンティーとブラジャーに可愛い名前付けてんじゃねぇよ!! ああ、もうやだ! 山森家ホントやだ!!」
ここで既にビールを3缶空けてソファで寝転がっているぼっち警察が口を開いた。
よし! 逮捕してくれ!!
「レアぴっぴさー。確かに紛らわしい名前だぜー? 聞く人が聞いたら誤解されるかもだしさー。今年からクリスティーナに名前変えたら?」
「うぃっす! さすが新菜さん! JDっすね! ちょーセンス溢れてるっす! 秀亀さん! この冬はクリスティーナでキメましょ!! ウチも初ピーチっすから!!」
そう言う事じゃねぇんだよ!
茉莉子ぉ!
まだ帰って来ないの!?
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