えっ!? 学校ではマリー・フォン・フランソワって名乗ってるの!? お前の名前、小松茉莉子じゃん!! ~同居し始めた田舎育ち女子は見栄っ張り拗らせてて、テレパシーが使える~
第94話 楽しいクリスマスに秀亀くんと挑戦してみたい新菜さん ~悪友ポジの女子が一番ええんや、せやろ?~
第94話 楽しいクリスマスに秀亀くんと挑戦してみたい新菜さん ~悪友ポジの女子が一番ええんや、せやろ?~
ぼっち警察として小松秀亀のキャンパスライフを2年半支え続けてくれている、俺の親友、安岡新菜。
だが、少し待って欲しい。
新菜は俺を助けてくれる唯一無二の親友で、こいつがいたおかげで俺の大学生活が結構充実しているのは事実。
それに関しては感謝しかないし、何ならもう大好き。
けれども、新菜さん。
ぼっち警察はぼっちが高じてできた組織だという事を俺は忘れちゃいない。
俺と同じぼっち種のお前は、クリスマスの過ごし方なんか知ってるのかい?
ひょっとして、俺がガンガンに攻める日が来たんじゃないのかい?
ふふふ。日頃からいじられる側のヒジキだが、海藻だって本気出したら女子大生ひぃひぃ言わせられるところを見せてやろうじゃないか!!
「新菜さん! おじさんがやらしーこと考えてます!! 新菜さんメインで!!」
「茉莉子! じゃねぇや、マリーさん!! なんてこと言うの、この子は!! そんな根も葉もないこと言うんだったらね、もうプリンあげませんよ!!」
「新菜さん! あたしの勘違いでした!! おじさん、やらしーこと考えたら爆発して死ぬんでした!! ごめんなさい! プレゼンをどうぞ! ところでプレゼンってなんですか!!」
危ないところだった。
テンションが上がって、茉莉子のテレパシーを久しぶりに忘れちゃってた。
あと、マリーさんの設定を俺まで忘れかけてた。
まずいな、これ。
「マリーちゃんの日本の仮の名前も可愛いよね。どうして茉莉子にしたの?」
「へぇぁあぁ!? あー、ええーと。そう! マリッコという名前の伝説の女神が地中海の端っこに存在してまして! そ、その女神様から着想を得ました!!」
「そうなんだ! ちなみに、地中海の西かな? それとも東? 今度行った時に見てみたいなって!」
「うぇぇ!? ……ひ、左です!!」
茉莉子は最近ドラゴンクエストを4から順番にプレイしており、リメイク版ではなく移植版なので今のマリーさんにとって西は左、東は右。
マップが平面だから、仕方ないね。
困窮する茉莉子を見て、新菜が話を始めた。
相変わらずぼっち警察は頼りになるぜ。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「プレゼンってほど大したものはないんだけどさー。秀亀の家にはもう何回もフツーに泊まってるし。だから、今日は朝まで寝かさないゾ!! みたいなシチュエーションってわたしたちじゃ盛り上がんないんだよねー」
「なるほど。今のところ同意しかない」
「つーことで! ここはひとつですよ! 旦那!! ぼっちとぼっちの力を合わせて! クリスマスの夜に遊びに出かけてみようぜ!! どうでぃ! 女子高生たちにはマネできない、大人の過ごし方だぜー!! ふっふっふー! 君たちは補導されますからなー」
よく分からんが、すごい提案だったらしい。
小春ちゃんが小刻みに震えている。
「さ、さすがです、新菜さん……!! お、大人が夜に遊ぶところ……!! 私、子供なので分からないですけど! きっと、すごくピンク色のところなんですよね!?」
小春ちゃん、ちょっとレアぴっぴと距離置いた方が良いな。
女子高生は耳年増でもいいと思うけど、この子村越家のご令嬢だからな。
お父さんが聞いたら、じいやさんが切腹するんじゃないかな。
(おじさん! ピンク色のところってなんですか!! 胸の先端部分ですか!!)
マリーさんはバカ過ぎて逆にいかがわしさが増してんだよ!
もうちょっとピンク色のもので何か思いつかなかったの!?
明日から桜でんぶご飯にかけてあげるね!!
「ふっふっふー! 甘いんだぜ、お二人さん! わたしと秀亀が一緒になれば! あそこに行ける!! ラウンドワン!!」
「ば、バカな!? あの、リア充の巣窟と言われる魔境に行くって言うのか!? お前、正気かよ!? 2秒で食い殺されるぞ!?」
「ボーリングして、プリクラ撮って、あとね! ちょい待ち……。ぽちぽちと。あー! ダーツとかある! 1回やってみたかったんだよ、わたし!! ビリヤードもある!! こっちもやってみたい!! ミニスカで台に座って足組みたい!!」
「お前!! 何があるのか分かんねぇから、今スマホで調べたのに!? ど、どうしてそんな勇気が出せるんだよ!? 俺なんて、話聞いてるだけでお漏らししそうだぜ……」
新菜はグッと親指を立てて、にっこりと笑った。
「秀亀と一緒だからだよ! 秀亀となら! ラウンドワンにだって行ける!!」
「おまっ、新菜……! 俺のこと、そんな風に思っててくれたのか……!!」
「なーに盛り上ギャリーオンしてんすか、秀亀さんと新菜さん。え。マジすか。ラウンドワン行くだけでそんなトゥンクってなるんすか? ウチ、昨日もソロラウンドワンをキメてぃーんすけど? 秀亀さん、絶頂して死ぬんじゃねっすか? 正気っすか? あと、お風呂のコンディショナーがウチのパパピと同じヤツでしてぃー」
出たな、ギャル!! いや、ギャルもどき!!
でもね、ギャルもどきでも俺とか新菜とは戦闘力のスケールが違うの!!
許してよ! 俺らにとってはもう、これ乗り越えたら親友じゃいられなくなっちゃうくらいに高い壁なの!!
お風呂が空いたので、高校一年生コンビが移動。
代わりに桃さんがちゃぶ台に着席。
「牛乳飲む? あとは麦茶とよく分からんメーカーのリンゴジュースあるけど」
「ばあちゃんちの冷蔵庫ラインナップがキタコレっすね! なんでばあちゃんちってオールシーズン麦茶量産してぃーんすかね? じゃ、せっかくなんで麦ティーくだしぃー!!」
桃さんは髪が短めだから、髪乾かす時間が早いんだって。
萌乃さんはロングヘアーだからうちのやっすいドライヤーじゃ2時間かかるっすよ、ぷぷー! とレアピーチ速報が届けられた。
「んで、どーよ? わたしの大冒険クリスマス!!」
「正直ガクブルだけど、挑戦してみたい気持ちも大きい!! さすがだな、新菜!! やっぱり俺の事をよく分かってくれてる!! ぜってぇ独りじゃ店の前も通らねぇもん!!」
「わたしもだぜー! 通る時はクラウチングスタートからの猛ダッシュはマストだね! ミニスカ穿いててもやっちゃう!!」
「ウチの大学デビュー計画がドンドンガラガラなんで、悲しい現実見せつけてくんのヤメてくだしぃー。バッドルッキングコンビじゃねっすか」
なるほどなぁ。
ぼっちとぼっちが手を組んで、リア充に挑む!
これは俺だけじゃ絶対に思い浮かばないプランだわ。
プレゼン聞くのって勉強になるね。
「ところで桃さん」
「なんすか?」
「ブラジャーが半分以上見えてるけど、それいいヤツ?」
「うぇあ……。そりゃ見せブラっすけど、なんか改めてそれを見ても良いですか? とか聞かれると、見せてるウチが恥ずぃーんすけど。秀亀さん、ヒデキはピュアなのにちょいちょいドSになるのなんなんかすか? 正直ガチタイプなんすけど」
だって、ちゃんと聞かないと。
ダメなヤツだったら今のご時世色々と厳しいじゃないか。
「んじゃ、ここはウチがエロスとドロドロしたクリスマスのトラベリングをキメて、申し訳なっしーっすけど、ザコお嬢様たちとの格の違いを見せぶぇぇぇ」
「そうはいきません! ここはもえもえのターンです!! ヤマモリレアピーチちゃんは黙ったので、もえもえが発言権をゲットです!!」
うん。
物理的にレアぴっぴがバレーボールに埋まってる。
なんか苦しそう。
あと、なにそのバズーカみたいなドライヤー。
うちのブレーカー、よく耐えられたな。
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