えっ!? 学校ではマリー・フォン・フランソワって名乗ってるの!? お前の名前、小松茉莉子じゃん!! ~同居し始めた田舎育ち女子は見栄っ張り拗らせてて、テレパシーが使える~
第65話 運動チートまりっぺとなんか可愛いレアぴっぴを手早く仕上げる秀亀教官 ~こいつら最初から泳げたんじゃないか疑惑~
第65話 運動チートまりっぺとなんか可愛いレアぴっぴを手早く仕上げる秀亀教官 ~こいつら最初から泳げたんじゃないか疑惑~
まず、運動能力でグループを分けようと思う。
例えばうちのマリーさん。
運動神経バツグンで、体も丈夫にできている。
水に腹パンされて回復が速かったし。
怖さを克服すればすぐにスイスイ泳ぐようになる未来が結構明確に見える。
運動神経と水泳の素質を直通で繋げるのは愚かかもしれない。
だが、か細い理屈でも今は実行すべき。
放っとくと、こいつらまた飛び込み始めるんだから!!
知ってんだぞ、俺ぁ!! もう全員の特徴覚えた!
全員がやるね!! テンションが違うだけで、ゴールは一緒!!
この子たち、みんなちょっとアホなんだよ!!
「マリーさんと桃さんは一緒に俺が引き取るか。2人とも運動得意だし。ビシバシしごいても泣かないタイプだし」
失言をしたらしい。
どこがダメだったのかは分からない。
「はー。です。はー!! おじさん、そーゆうとこありますよね!! 女子を何だと思ってるんですか!? ひとりひとり違うんですよ! 元々特別な特注品の特製ナンバーワンなんですから!!」
「そっすよ! 秀亀さん、鬼畜っすか! 茉莉子さんもなんか間違ってんすけど!! 小松家の倫理観を疑うっすよ! あー! ほら! もう秀亀さんが、いや君の家の倫理観もーとか言い出しそうなフェイスオープンしてんすもん! 論点ずらすのと茉莉子さんの短パンずらすのホントに上手しぃーすね、このピーナッツクリーム野郎!!」
マジでなんで怒られてんのか分からねぇ!!
とりあえず、画一的な扱いしたのがまずかったんだな!?
「よし! じゃあ、マリーさんは運動好きだし! 桃さんは覚えが早いし! 俺に体を預けてくれるか! 悪いようにはしない!! 安全も約束する!!」
「みんなの前で体を自由にしたいとか、おじさん……! ついに童貞ヒジキを脱却して、肉食サンゴに進化するんですね!! マリーさんは競泳水着で正解だったと確信しました!! よろしくお願いします!!」
なんか知らんが、マリーさんは勝手に落ちて来た。
レアぴっぴはどうかしら。
「や。あの、ウチ結構エグいビキニなんで。その、体まさぐられっと、ナニっすよ? レアピーチのピーチフェスティバル始まるっすよ? あ、別に嫌とかじゃねーんで。うす。フェスティバります。うす」
なんでレアぴっぴは顔を赤らめてんの?
「ははっ。秀亀さん、やっぱり奔放で豊満な女子がお好みなんですね。いいです、いいです。変に気を遣われるより、私はなんだか心が穏やかになりました。ははっ」
「こはるるーさん。そんな事を言われると、バレーボールを装備しているもえもえが1番の敗北者になってしまいます。取り消してもらえますか、今の言葉」
そんで、なんでお嬢様コンビは俺をじっとりと睨んでるの?
ぼっち警察、あとは任せた。
「秀亀ぃー。悪いんだけどさ。適当なとこでこっちにも来てくんないとね。多分、こはるんかもえもえのどっちか溺れると思うわ。で、こはるんだったら人工呼吸。もえもえだったら心臓マッサージを強いられるね」
「マジかよ。新菜が言うならそうなんだな。よし分かった」
俺はマリー・レアピーチのカタカナ組を連れて、浅い方のプールへと移動した。
◆◇◆◇◆◇◆◇
こいつらはまず、水に慣れさせる。
まりっぺは田舎者特有の怖がりを克服させたらどうにかなる。
(なんですかー。あたしの扱いが雑ですぅー。そんなこと言ってたら、事故装って水着の肩紐引きちぎりますから!!)
マジでヤメろよ。
48000円したんだぞ、その水着。
マリーさんがポロリするより、学校の授業で使う前に水着失う方が辛い。
「桃さんは泳げない理由って心当たりある?」
「ぶゔぁ!?」
「すげぇ声が出たけど!? 桃さん、アニメ声なんだから可愛いリアクションしよう!? ファービーがぶっ壊れたのかと思ったわ!!」
「う、うす。さーせん。あの、引かねぇっすか?」
「今更なことを言ってくれるな。俺は君の家庭教師だぞ。お互い、恥ずかしいところも見せあって来たじゃないか!」
「ぶゔぁぁぁ!?」
(おじさーん。ナチュラルに桃さんを口説かないでくださーい。マリーさんは頬が膨らむ5秒前ですよー)
年頃の娘たちの扱いって本当に難しいわ。
俺、やっぱり教職課程の履修、後期からヤメようかな。
向いてないと思うんだよ、教師って。
桃さんはモジモジしながら、小さな声で呟くように言った。
「あの、なんつーか。恥ずかすぃーんす。クロールってアレじゃねっすか。腕ぐあーってやるから、腋ガチ丸出しになるし。平泳ぎとか、後ろにメンズがいると思ったらもー無理すよ。股ぁかっ開けねぇっす。バタフライとか、口から果汁がフレッシュするし。背泳ぎなんてもうピーチ全開じゃねっすか。はずぃーんすよぉ……」
(おじさん、おじさん!! 桃さんが可愛いときのヤツです、これ!!)
マジでそれな!!
この子、急に可愛くなるからマジで困る!!
念のために確認しておこう。
絶対にツッコミが返って来るだろうけど、童貞として確認せずにはいられない。
「桃さん」
「うぃっす」
「そのビキニさ。こう、股とかクィッてなってるし。胸とかキュッとなってるじゃん? かなりセクスィーじゃん? そこは恥ずかしくないの? いや、普段から桃さんの着てる服ってセクスィーじゃん? それに比べたら、水の中って視界も悪いしさ」
続きは言わせてもらえなかった。
「ロイヤルスイートバカ野郎っすか。秀亀さん。見せてんのと、見られんのは全然ちげぇーんす。頭ん中完全にトロトロネバネバピーナッツクリームっすね」
「もう予想通りのお叱りを受けたわ! けどね、桃さん! マリーさんも不思議そうな顔してんだ!! 俺たち田舎者にはギャル魂を理解するまでまだかかりそう!!」
俺たちの間抜け面を見ていたら、何かが吹っ切れたと桃さんはのちに語った。
水深80センチ。足が余裕でつくプール。
とりあえずビート板持たせてマリーさんは航行中。
予想通り、すげぇ推進力。
この調子で「水は友達! 怖くないよ!!」まで到達してくれ。
桃さんに関してはなんかもう、特にすることない。
「何見てんすか。ガン見すか。ウチみてぇな凡ボディ見て楽しめるとか、秀亀さんマジでレアなメンズっすよ」
「見るよ!? 普通に背泳ぎできてるじゃん!? 喋りながらなんでスイスイ泳げてんのかちょっと思考が追い付かねぇもん! 普通沈むよ!?」
「や。なんつーか、秀亀さんにガン見されてる今のリアルエモーション考えたら、どこの誰に見られてもノーダメって気付いたんすよ。ギャリーオンしてるウチのファッション褒めてくれんの、秀亀さんだけっすもん。ウチのはずぃーの十割は亀ちゃん由来だったんす」
とりあえず、レアぴっぴが1番で水泳教習を終えた。
俺、見てただけなのに。
亀って言うなよ。もう俺の要素マジでないじゃん。
「あばばばばばば! ばばばばはば!!」
「何言ってんのか分かんねぇけど! すげぇな、うちの子!! 喋りながらクロールしてる!!」
(あたし気付いたんですよー! んふふー! この板を放棄してですね! 両手で水をかいた方が速く進むんです!! どうですかー! 茉莉子、賢いでしょー!!)
やっぱ泳げたわ。まりっぺ。
水とマブダチになった途端、効率重視で補助具捨てたもん。
運動大好き女子の2人が割とすぐに仕上がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます