第3話

体育祭前日を迎えた陽明高校

この日は授業がなく予行練習だけだが、なんと言っても暑い!

しかし、陽明高生は体育祭好きが多いのでサボる人はほぼ居ない。というか浮かれている生徒が数人いるように見える。


──────何故かって?

体育祭は日曜日つまり、他の学校も休みなのだ。当然近くの女子校だって休みなので例年見に来る人が大勢いる。

だから張り切る生徒がいるのは仕方がない!

共学と違い、女子との関わりが少ない男子校で女子との交流があるのは体育祭と文化祭くらいだ。そのうちの1つである体育祭が明日にあるのだ。

実際、去年の体育祭でリレーに出た当時高2だった谷口先輩はアンカーでゴボウ抜きして優勝したことで彼女まで出来た。他にも成功した人もいる。

まぁ、そりゃ張り切るよな

かく言う遥斗もその張り切りメンバーの1人である。遥斗にとって休日に1人でゲームか龍たちとオタ活しているのも楽しいが、いつも悠汰に彼女との惚気話を聞かされる身としては女子との関わりがないのがだんだん虚しくなってきている。

でも、遥斗はなんと言っても足が速い。学年で1、2位を争うレベルだ。

ちなみに陽明高校の体育祭はそれぞれの学年の1、2組が赤組で3、4組が白組とわかれ、競技もそれぞれ同学年の赤組と白組で戦うようになっている。

3年生以外一人一種目しか出られない決まりとなっているので、遥斗はリレーに全てをかけている。だから遥斗にもついに春がやってくると確信していた。

しかし、現実はそう甘くは無い!

こういう時はライバルがいるのがテンプレだ。


実際に、遥斗たち赤組と敵対する白組には遥斗と学年1位2位を争う高田たかたスバルがいる。スバルは温厚な性格だ。しかし、苗字をたかと呼ばれることにだけはキレるちょっと曲者だ。しかし、そこを除けば運動神経はトップレベルで、成績も上の中という遥斗と同じタイプなので中学時代からお互いにライバル視している。

そこに体育祭という大きなイベントでお互いアンカーで勝負をするのは燃えないわけが無い!

遥斗もスバルも共に心に火を灯し、翌日の体育祭本番を迎えることになる。

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