第2話

遥斗達3人は同じ1ー2組だ。

教室に入ると仲の良い渡辺和翔わたなべかずと中村翔太郎なかむらしょうたろうと合流し、いつも通り仲良く話し始めた。

話題は決まって前日の夜のバラエティかゲームの話。

今日も最近流行りのFPSゲームの話で盛り上がっていると、予鈴がなってしまう。いつも思うが早く感じるのは俺だけでは無いはずだ。

しかしさすが進学校と言うべきか予鈴がなるとすぐに各自の席へ戻る。


遥斗の席は1番後ろの窓際の席。他の4人も離れた席にいる。しかし、遥斗の隣の席には山田龍やまだりゅうという名前のかっこいいラノベ好きの男子がいる。(まぁ全員男子なのだが…)

遥斗も実をいうとラノベやアニメが好きな男子高校生だ。しかもアニメはリアタイ視聴を信条に掲げる程だ。でも特に仲の良い4人でそういう系の話が出来る人がいないので龍と話す時間はとても楽しい。いつも予鈴から担任の中田先生が来るまでの間や休み時間などずっと盛り上がっている。ついこの前、龍と龍の仲の良い友達と遥斗の3人でアニメイトにラノベやグッズを買いに三宮へ行ったばかりだ。


1〜4時間目の数学や化学などの難しい授業を耐えて、待望の5、6時間目の体育が始まる。この陽明高校では今年は5月26日に体育祭がある。よって1週間の体育の授業がいつもの2倍ほどある。体育の苦手な龍にとっては憂鬱だろうが、遥斗や悠汰などの体育会系の人達からするととても嬉しい期間だ。

今日は初めに出場競技を決め、その後練習という流れだ。

出場競技決めだが、龍などの運動が苦手な人達は玉入れという暗黙のルールが陽明高校にはある。その影響か、他の競技は体育会系が集まり、ガチ勢も多いので見応えたっぷりだ。

遥斗は中学時代からなんでもそつなくこなすので助っ人的な立ち位置にいる。なのでこれといった希望はなかったが、今年はリレーに出場する。しかし、悠汰は中学から背が高いので騎馬戦の支える側ばかりだった。今年もそうだ。(可哀想に…ドンマイ悠汰)


2組では15分ほどでだいたい出場競技が決まったので、練習に入るだが、陽明高校では競技の練習が1週間しかない。そのため、競技はほとんどぶっつけ本番で、練習するのは入退場などのつまらないものばかりになる。

そんなこんなで5月25日の体育祭前日を迎える。

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