第1章 刀鍛治始めるために

第1話

 「ああ、この獅子王はいいなぁ…。」

俺の名は野宮英二(のみや えいじ)。刀が好きな男子高校生だ。

「はぁ。図鑑を見るのもいいけど……やっぱり実物が欲しいなぁ。でも……。」

以前からもそんな思いがあり手に入れる方法を考えたがダメだった。買うのは無理だ。なんだよ一本何十万円て。名刀や名工の作品じゃないんだからもっと安くてもいいだろ。作るのも無理だ。まず作刀するのに資格がいる、設備に素材がいる。その上弟子入りしないとまともな刀は作れない。作れて形だけのものだ。それに学校がある。自分が学費を払っているわけではないからなぁ。

 それに調べてわかった。俺はにわかであることを。ただ好きなだけで鑑定の仕方を知らないし、種類も知らないし知らないことだらけだった。ひれ伏した。

「はぁ。」

そんな時、

ヴァー、ヴァー、ヴァー

スマホが鳴った。

「やあ英二!一緒に遊ぼうぜ!」

「うっさい!叫ぶな!」

「はは!悪い悪い!」

「本当に悪いと思っているのか…?」

このやかましいのは友人の中島拓哉(なかじま たくや)だ。

「で?何で遊ぶんだ?」

「それはな!あの大手企業ドラゴンの今度出る期待の新作『異世界』だ!」

「異世界?」

ドラゴンとはゲーム会社で、MMO系を中心に出している。良心的なゲームが多いが

「ドラゴンって接続料が高めだからやり込まないときついから違うのにしないか?」

「大丈夫だ。きっと気にいる。まあPVをみてから決めて欲しい。」

「うーん…わかった。」

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