第七夜
なんでも大きな船に乗っている。
この船が毎日毎夜すこしの絶え間なく黒い
ある時自分は、船の男を
「この船は西へ行くんですか」
船の男は
「なぜ」と問い返した。
「落ちてゆく日を追っ懸けるようだから」
船の男はからからと笑った。そうして向こうの方へ行ってしまった。
「西へ行く日の、果ては東か。それは
自分はたいへん心細くなった。いつ
乗合はたくさんいた。たいていは異人のようであった。しかしいろいろな顔をしていた。空が曇って船が揺れた時、
ある晩甲板の上に出て、一人で星を
ある時サローンにはいったら
自分はますます詰まらなくなった。とうとう死ぬことに決心した。それである晩、あたりに人のいない時分、思い切って海の中へ飛び込んだ。ところが──自分の足が甲板を離れて、船と縁が切れたその
そのうち船は例のとおり黒い煙を吐いて、通り過ぎてしまった。自分はどこへ行くんだか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます