エピローグ
「陛下、見つかってよかったですね」
カルラを客室まで見送り、今後の計画のため執務室へ戻ったところで先に事務仕事を整理していた幼馴染兼、側近のサコルがしみじみと話しかけてきた。
「あぁ、サコルには色々と助けてもらって感謝しているよ。直接会うまでこんな奇跡ありえないと思っていたから本当に驚いてしまった。あの場で余裕のある大人の男になれてた?」
「そこは王でしょう…陛下」
呆れたようなジト目が返ってくる
王としてではなく
心優しい彼女に惚れた男として必死なのだけれど
「まさか妖精の国の王女だったとは思わなかったよ」
「あの時は面倒そうだから、とりあえず姫取り上げわておくかくらいの提案でしてからね。」
スティール王に会ったときは、彼女を探す時間が欲しかったので必死で他のことはどうでもよかった。
「あぁ、王家の人間が生まれた時に渡される妖精の薬を安易とボロボロの見知らぬ男にやるのは思わないだろう?」
自分を助けた薬の正体が早くわかっていたら、彼女をそのまま連れ帰ったのに。
「他の男を当てがうところだった。ぞっとするよ」
「これからが楽しみですね」
「まずは彼女のやりたいことを確認して、きっと自然も好きだろうから小さな池でも庭につくろうか」
場内の庭はまだまだ何も整備がされていない
ほとんど更地状態だ
彼女と過ごしたところまでとはいかないが、あの美しい世界をできる限り再現したい
せっかくいちから作れるのだがら彼女好みにしよう
どんな花が好きだろうか
愛しい姫君のためにできることを考えるだけで満たされる
縁は巡り巡っていつかどこかで繋がるものだと思う
この出会いは早く運良く巡ったことで
お互いが幸せに導かれた物語
人助けをしたのに、私は人質になることが決まりました? 津々楽春人 @tomora
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