第7話 暴力団

本屋は清涼感ある、爽やかで淑やかな雰囲気だった。その中にあの子はふさわしく存在していた。

「こんばんは、さっきぶり!」

「こんばんは!」

コースケはキョトンとしていた。僕はパンツくんや紙切れのこと、今ノーパンであることなんかを話した。

「すげえな!ざらつかない?」

「めちゃくちゃざらついてる。しかし、それ以上に開放感があるぜ」

女の子がジト目になった。

「ともかく、この怪奇現象は僕たち3人に起こっている。団結せねばならない!」

「じゃあ連絡先交換しようぜ」

さすがコースケ!僕のやりたいことわかってんじゃん!……こいつこの子のこと狙ってないよな?

僕たちは連絡先を交換して、グループを作った。グループ名は谷川会。ちょっと暴力団みたいな名前になった。ちなみに谷川とはこの本屋、谷川書店のことである。

僕たちはそれから帰路に着いた。なんだか疲れている。色々あったなあと思いつつ、あの子の名前を知ることができた喜びがずっと残っていた。あの子の名前はゆかりだった。

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