第4話 あなたは……

あの世界だ、この世界は。確信した。本当に自分以外の人間は消えてしまっていたのだ。寂しいような、でもなんだか胸が高鳴るような。散歩するか、教室オナニーをするか。まって、女子の体操服あるじゃん。うーん、まいっちゃうな全く……。カチカチと時計の音がしている。時間が流れている。これは現実世界と同期しているのだろうか。この世界での1日費やすと現実世界でも1日を消費したことになるのかな?とりあえず、椅子を壊すか。自分の席の椅子を横倒しにし、脚に体重をかけて、ひしゃげさせる。このひしゃげた椅子は現実世界ではどうなるのだろう。もしかしたら現実世界でも同時に壊れ、そこに座っている僕は転倒するかもしれない。そうなったら、僕は目覚めるかもしれない……。

うーん、何も起きないな。椅子を壊して5分くらい経つけど。じゃあオナニーしようかなあ。ベルトをゆるめて、パンツに触れた、そのときのことである。

「パンツ!!!!!」

「え!?」

声がした。誰だ!?教室の後ろのドアにそいつは立っていた。そいつはパンツだった!

「何者!?なんでパンツが立ってるんだ……。あ、足生えてる」

「おまえ、パンツを持っているな」

「安心してください、履いてますよ!」

まさかパンツの妖精がこの世界にいるなんて!パンツの妖精はブリーフなのか。パンツの妖精は喋りかけた。

「おまえ、まだこの世界に来たばかりか?“ちょうりょく”は使えないのか?」

「ちょうりょく?」

パンツは黒板の前まで移動すると、手が生えた。すごい。そして、黒板に“超力”と書いた。

「超力だ。しらないのか」

「知らない、なにそれ超能力的な?」

「超能力のことだ」

「じゃあ超能力っていえばいいじゃん!!」

「この世界では超力と呼ぶ」

これ解説役なのかな。なんでパンツなんだろう……。なんか不安だが、このパンツの話を聞くとするか……。そのときである。ろうかで駆ける音が聞こえた。誰かが近づいている。ブラジャーの妖精ならいいなと思いつつ、待ち受ける。来たのはブラジャーを身につけているであろう、胸の大きな女の子であった。

「あ!君は!」

「あなたは!」

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