第3話

2012年、マナ小学校入学。

マナは、本当に優しい子。今でも、自分をおしころして、人の事を考える時がある。

でも、人と話すのが大好き。

マナにとっての、当時の生きてるあかしは、人そのもの。相手との会話で、相手のことを見抜く力がずば抜けている。相手の意図への理解力がすごい分、とても傷つきやすくもあった。感受性豊かというか、衝撃も受けやすかったのかもしれない。


遡ること、マナ4歳の頃…

私は、離婚後の辛さと、仕事、子育ての忙しさで、今思えば鬱になっていた。

2、3日休養して、言葉も発せず、食事もできずに寝込んでいた。自分自身が嫌になっていた。真っ直ぐに頑張りすぎていたのかな。何もできない私…生きてる意味はあるのだろうか。そればかり自分に問いかけていた。

かすかに、誰かの声がする…

「……いい。」

えっ?

布団から、顔を出すと、マナがあどけない表情で、何か言ってる。あまり聞こえない。

「ママは生きてるだけで、いいよ。」

今度は、はっきり聞こえた。

涙がポロポロ頬をつたった。

人の何げない言葉を、いくつか覚えてバイブルにしているけれど、私が今も、これからも、ずっと覚えているだろう言葉…

私は、この言葉に救われた。

今思えば、4歳の娘から、どうしてあの言葉が出たのだろう、と思う時も沢山あった。

でも、きっと神様がくれた言葉。そう思うことにした。

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