第2話

離婚後も、タカもマナもだいぶ精神的ダメージを受けたと思う。申し訳なく思う。原因を思わせるような言葉を一言で書くなら…息子の「パパが投げたお皿が飛んできて、避けたのを覚えてる。」息子のたまに話してくれる、このかすかな記憶。

でも、元気に、順調に前に進んでくれてありがとう。

仕事が忙しく、子育てに関してはだいぶ問題は抱えているが、とにかく前を向くしかない。

2010年4月、タカ小学校入学。すぐに野球をしたいと言い出した。

正直、私は親同士の付き合いが苦手。野球を始めたら、おのずと親同士の絡みもある。仕事で精一杯だった私は、無理だと思い大反対した。

それでも、タカはどうしても野球をしたい気持ちを私にぶつけてきた。したいのは、するのは本人か…。

思いを汲み取り、嫌々ながら少年野球への入部を承諾する。

それからタカは、熱心に野球に取り組んでいた。小1とは思えないくらいの知識と、それなりの運動神経。とにかく、野球が好きだったみたいで、朝から寝る前まで野球の事を考えていた。テレビのプロ野球番組は全てチェックし、その他の時間は練習。打ち込めるものがあって、良かったのかもしれない。当時の保護者に言われた言葉を、今も覚えている。

「タカは、野球があって、良かったね。なかったら、きっとアイちゃんは、もっと苦労したよ。」

年齢よりも体が大きく、体力も有り余っていたタカは、学校でもよく喧嘩をして私も呼び出されていた。野球していなかったら、そかの力を間違った方に使っていたかもしれない…今は本当に良かったと思っている。当時のタカの生きてるあかしは、野球。まさにそうだった。

私も、次第に野球のお世話にのめりこみだした。タカが頑張ってるから、どんどん応援したくなっていた。

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