第24話 経験豊富な女ではありません。

「お、お兄さん、こういうのどうかな? え、えっと、お兄さんはもっとエッチなのが好きだから、ぬ、ぬ、脱いだ方が……うぅ、一応可愛い下着付けてきて、よかった。で、でも、まだシャワー浴びてない……で、でも、チキンのお兄さんのことだから……このチャンスを逃したら、次はいつになるか。ざーこ、ざーこなお兄さんに重荷を背負わせないために、私が頑張らないと」


「…………」


 ホテルでベッドに押し倒して、俺に覆いかぶさる三矢がぶつぶつと聞こえなぐらいの声量で呟く。な、なんか目が真剣で、大きい何かを背をっている女の目だ。


 く、空気が重い……あ、あれ? この状況って。


「お、俺襲われるの? きゃあああああって叫んだ方がいい?」


「……それは本来私の役目なんだけど、まあ、いいです。天上でも見つめて、感覚に集中してください私が気持ちよくしてあげるから」


 と、いいつつ、三矢は俺がているTシャツを捲し上げるて上半身を露出させて、両手の指でで乳首をこすり始める。


「!?!?!?!? お、お前何やってるの!?」


「えっ? え、い、痛かった? ご、ごめんねぇ、私、間違えちゃった?」


「い、いやそうじゃなくて!」


「? 痛くはなかったの? もしかし、乳首いじられるの嫌い? でも……お兄さんのAVにそういうのいっぱいあったし、好きだよねぇ?」


 こいつ俺のことを知り尽くしてやがる!?


「ま、待て、好きかどうかで言われら大好きだが! そういう問題じゃない!」


「あっ、乳首をいじりながら下も気持ちよくしてほしいの? も、もう、強欲なんだねぇ」


「ち、違う! 何でお前は俺の思考の斜め上を通り過ぎていくの!?」


「まあ、私天才だし」


「確かにある意味な! てか、乳首をいじるのを辞めろや!!」


「くすっ、なーんで? ざーこ、ざーこな、お兄さんはこのまま続けると困っちゃうことがあるの? 何か問題があるのかねぇ~~」


 三矢はさっきまでの緊張をよそに、挑発的な笑みを向けてくる。いや、恥ずかしさ表情がみじっているから、多少無理してるのか……?


 頬も上気してきてるしてる……。


「…………ねぇ、お兄さん」


「ど、どうした」


「私、乳首いじってたら興奮してきたかも……舐めてもいい? くすっ、いいよねぇ~。だって、その顔期待している風だし。あーあ、エッチなお兄さんでお嫁さんの私は大変ですねぇ」


「あああああああああああ!!! ちょっと、待て待て待て待て待て待て」


 ここで俺の思考が爆発。もうこのまま身を任せてもいい気はするが……ちょっと、こいつに説教したい気持ちのが勝った。


「お前、随分手慣れてないか? いつもこんなこと――」


 と、俺が言うと三矢は笑顔のまま俺の口元を手で押さえる。力は強くないが、なんというかその笑顔ながら迫力のある雰囲気のせいで、恐怖を感じひるんでしまう。


「くすっ、お兄さん面白いこと言うね? 私がお兄さん以外にこんなことをしているように見えると? くすっ、あーあ、ショックだねぇ? 誰にどう思われてもいいけどねぇ~。でも、お兄さんだけにはそう思われたくないかなぁ」


「す、すみません」


 説教するつもりが、つい謝ってしまった。すると、三矢は笑顔を消していじけたような顔になり、俺の胸に顔を押し付ける。


「わあああああああああああああああん、もう私生きていけないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


「号泣!? ごめん、はっきり言うけど、お前、クソめんどくさい女だな!?」


「わああああああああああん、お兄さんに面倒って言われたあああああああああ」


「…………」


 俺にどないせいと?

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