第4話

確かに、沖田が本気で戦えば、土方どころか、近藤よりも強いだろう。

土方は、そう思っている。

とは言え、剣で戦う時代は、もう終わりつつある。

いや、終わったのだ。

今は、銃や大砲を上手く使いながら、戦う時代だ。

新政府軍との闘いで、文字通り、それが痛いほど身に染みた。

合理主義者の土方は、その事実を受け入れた。

これからは、最新の銃器を揃え、西洋式の戦い方を積極的に取り入れなければ、勝てない。

土方らの属する旧幕府軍は、惨敗が続いているのだ。


これ以上、戦や近藤の話を沖田に聞かせたくない。

土方は、話題を逸らす事にした。


「ところで、総司、食欲はあるのか?」

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