第6話  ロジャーとユタカ

イラストも描いています。

こちらをご参照ください。


https://kakuyomu.jp/users/0035toto/news/16817330659485259900


※※※※※※※※※※※※※※※

「もう、ロジャーはイジワルな質問ばかりするんだからぁ」


純はリビングのソファーに座ると、口を尖らせて言った。

ロジャーは豊かな天然パーマの髪をかきあげながら隣に座ると、純の頬にキスをした。

そしてイタズラな目で囁いた。


「ここは家の中よ・・・。

ママって言って。

いつも通りに・・・」


《ゲゲッ・・・?》

※注:《 》は作者の心の声です)(笑)


何か変な声が聞こえたようでロジャーが後ろを振りかえったのだが、純の父を見つけると嬉しそうに声をあげた。


「ハーイ、ユタカ・・・。

ジュンの仕事振りも、中々良かったじゃない?」


豊はキッチンで作ってきたドリンクを持ってくると、二人に渡した。

そして純達の向い側に座った。


「ありがとう、パパ・・・」

純の微笑みを嬉しそうに受け止めると豊はロジャーに言った。


「そんな事を言うんなら、

現場にいる時に誉めてあげれば良かったじゃないか?」


父の言葉に同調するように、純も言った。


「そーだよ。

日本語だってペラペラのくせして・・・。

僕はずっとハラハラしっぱなしだったよ」


ロジャーは二人の攻撃に少しムッとしてたが、純のサラサラした髪をもてあそびながら呟いた。


「いいのよ・・・。

日本人は英語に弱いんだから。

あれぐらい脅かしとかないと、

可愛いジュンの言う事を聞かないでしょ?


それに、ウフッ・・・

あの所長・・・。

イジメテルとゾクゾクするのっ・・・

結構、タイプかもぉ・・・」


《だー・・・!》

※注:まぁ、いいか・・・)


ロジャーはイタズラっぽく、豊に視線を向けた。

純は呆れたようにロジャーを見ていたが、怒ったように立ちあがると、言葉を残して出て行った。


「もう、いい加減にしてよ。

僕・・・付き合ってらんないよ・・・」


ドアの閉まる音に肩をすくめると、ロジャーは豊の肩にもたれるように席を移した。


「フフッ、可愛い・・・。

ジュンったら、もしかして・・・?」


くすぐったそうな表情で、豊はロジャーの腰に手を廻しながら言った。


《ううっ、ちょと・・苦しい・・・》

※注:・・・)


「まったく、

ジュンをからかっちゃあダメじゃないか。

年頃なんだから・・・」


ロジャーは幸せそうに、豊のキリッとしたハンサムな顔を撫で上げながら囁いた。


「あら・・妬いてるの・・・?」


《ううっ・・ぐぐぐっ・・・》


そして薄く伸び始めた金色の髭がある唇を、ゆっくりと近づけていった。

豊も目蓋を伏せるようにして、ロジャーを待っている。


リビングの窓から青い月がポッカリ見える。

冬の凍るような空が雲を全て消し、星を瞬かせている。


二人のシルエットが重なっ・・・


《ダッー!

だ、ダメだー。

か、書けん・・・!》


《やっぱり・・そのー・・・。

いいんですけどねぇ・・・。


やっぱ、失敗だったかなー、この企画・・・。

でもマッ、一応続けるか・・・。

スミマセン・・・》


二人の腕が互いを抱きしめ愛おしそうに動く。

やがて、ロジャーの指が豊の胸のシャツの中に滑っていき・・・


《以下、略・・・(笑)》


※※※※※※※※※※※※※※※


自分の寝室の窓から、純は月を見ていた。

アブ・ノーマルな両親ではあるが、純にとってはかけがえの無い二人であった。


瞳を潤ませて眺めながら、ため息をついた。

一瞬、月に安田の顔が映ったようで、顔を赤らめる純であった。


さっきの酒の酔いが、まだ残っているのであろうか。

月は、何も言わなかった。


《う、うががぁっー・・・!》


で、物語は続くのであった。(笑)


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