第24話 お泊まり
俺は親父の問題。
そして姉妹は杉原の問題。
世の中は上手くいかないもんだな、と思う。
それから.....何だか複雑だな、と思う。
「.....それで?何でお前らは俺の家に泊まってんだ」
「それはまあ.....イチャイチャする為だし」
「だし」
「.....お前らな。年頃の男が居るんだぞこの家には?それに親が居ないんだぞ?」
「でもお母さんは良いって言った」
「.....」
マミー!、と思いながら俺は額に手を添える。
夜になったのだが姉妹が帰りたがらず。
そのまま、隣人同士だし、と泊まる事になったのだが。
信じられない。
全くコイツらという奴は。
「.....それとも何か?嫌なの?」
「嫌じゃないけど」
「.....そ。なら大丈夫だよね」
「.....いやその理屈はおかしいだろ」
「おかしいかな?」
「.....」
コイツら.....。
俺は思いながら立ち上がる。
それから、俺は風呂に入って来る、と言う。
すると凛子と凛花が、一緒に入る?、と聞いて.....うぉい!
コイツらまじにブレーキ無くなったな!?
「お前ら!!!!!俺は一人で入りたいんだ!良い加減にしろ!」
「まあそうだよねぇ」
「.....うふ.....」
「.....」
この家では俺が男なんだが。
襲われるのが俺になってない?
俺は恐怖に怯えながら盛大に溜息を吐いた。
それからそのまま風呂に水着で入る。
でないとヤバい気がした。
☆
「上がった?」
「.....ああ。良い風呂だった」
「.....そっか。じゃあ洗濯するから洗濯物を出して」
「いや。良いよ。お前らお客さん.....」
「良いから出しなさい」
凛花が胸を張りながら洗濯をする。
俺はその姿を見ながら渋々渡す。
すると凛花は、宜しい、と言いながら洗濯をする。
そう言えば言っているかどうか知らないが。
凛子は料理が得意だ。
しかし家事は上手くない。
凛花は家事が得意だ。
しかし料理は上手くない。
そんな感じである。
俺は不思議なもんだな、と思いながら凛花を見る。
凛花は、どうしたの?、と聞いてくる。
その言葉に、何でもない、と答えてリビングに向かう。
そこに.....凛子が居た。
ゲーム盤を見ながら修理している。
「修理か?凛子」
「そう。オセロ盤が壊れた」
「そうか。.....なら手伝おうか」
「.....そう。有難う」
「.....」
そしてネジを持ちながらドライバーで締めていく。
その時だった。
凛子が俺をジッと見てきているのに気が付いた。
俺は?を浮かべて凛子をドギマギしながら見つめる。
顔が近い。
「.....お、お前。良い匂いがするから。離れてくれ」
「.....ねえ。優樹菜」
「.....な、何だ」
「おっぱいって好きな人に揉んでもらうと大きくなるんだって。知ってる」
「し、知らん。そんなの初耳だ」
「.....揉んでみない」
馬鹿なのかコイツは.....。
俺は思いながら凛子の額を弾く。
それから凛子を見る。
そう言うの簡単に言うな、と言いながら。
「.....俺が好きなのは分かるけど。俺達は未成年だぞ」
「.....そう。確かに。.....でも一線を越えた訳じゃない」
「.....いや。まあそうだけど.....」
一線を越えてなくても駄目なもんは駄目だろ。
俺は考えながらネジを締めていく。
そして、直ったぞ、と凛子に渡すと。
凛子が俺に向いて、有難う、と言ってきた。
「.....それで。何で壊れたんだ?劣化しているのか?」
「分からない。でも劣化だとは思うけど。.....私はこのオセロ盤以外は使いたくない」
「.....大切にしているんだな。ずっと」
「うん。これは.....優樹菜に初めて貰ったものだから」
「.....とは言え俺がガキの頃に使っていたものだろ。.....10年前だぞ」
「そんなの関係ない。私は好きな物は使い続ける。どれだけなっても壊れるまで」
恥ずかしい.....、とは思うが。
俺は何方かと言えば嬉しさの方が勝る。
ずっと俺のガキの頃に使っていたものを使う。
それは.....俺への愛って事だろうから。
思いながら居ると。
「何を良い雰囲気になっているの」
「おま!?いつからそこに!?」
「ついさっきから。.....全く」
そしてこっちにやって来る凛花。
それから赤面しながら俺を見てくる。
私だって大切にしている物はあるわ、と言いながら。
そうしてから胸元を開けはじめる。
何やってんだ!!!!?
「お前!狂ったか!」
「.....何言ってんの。.....これを見て」
「.....え?」
俺は恐る恐る凛花の胸元を見る。
そこにはオモチャのネックレスが.....。
これって10年前にやった駄菓子屋のオマケじゃねーか!?
俺はビックリしながら凛花を見る。
凛花は、私だって貴方を想っている。ずっと負けじとね、と言いながらそのまま胸元を閉めた。
「.....10年前の.....オモチャのオマケなのに?お前に.....」
「初めて好きな男の子から貰ったもの。捨てる訳ないよ」
「.....!」
「.....私は.....だからこそだけど。.....凛子に負けないって思っている。1%だけでも勝っているって思っている」
「.....お姉ちゃん.....」
負けたくないってずっと思っているから。
と言いながら俺を真剣な顔でジッと見てくる。
俺はその姿を見ながらボッと赤面しながら。
そのまま、お、お茶飲むか、と言って逃げた。
コイツら本気に.....、と思いながら。
「.....杉原の問題。必ず解決してやるから」
「.....いきなりどうしたの」
「.....凛子。凛花。頑張ろうな」
「.....そうね。確かに」
俺は2人を見る。
そしてギュッと拳を握った。
こんなに大切な2人だ。
守ってやらないと、とまた思ってしまった。
くそう.....凛子と凛花め。
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