第15話 姉妹の想い
凛子と何というか。
エロゲをするハメになった。
凛花と同じ様に。
そして俺達は恥ずかしがりながらも.....その日はしっかりエロゲとかで遊んだ。
まあこれがエロゲじゃなかったら最高なんだが.....ってこれ前にも言ったな。
それから凛子は玄関に向かう。
そうしてから俺を見上げてきた。
「.....有難う」
「.....何がだ?凛子」
「今日。楽しかった。.....私」
「.....そうか。.....良かったよ。本当に」
そして凛子は頷きながら歩き出す。
すると途中で俺に向いてきた。
私は魅力があるかな、と聞いてくる。
俺は!?と思いながら目をパチクリする。
「.....あ、ああ。お前はとても魅力ある女の子だって思ってるぞ。どうした?」
「そう。.....有難う」
「.....?.....意味が分からないんだが」
「知らなくていい。じゃあ」
それから手を挙げてそのまま去って行く凛子。
俺はその姿を見てから見送る。
そして玄関が閉まる。
何というかさっきより気持ちが楽になった。
そんな感じだ。
「.....今日も頑張れそうだな。.....よし」
言いながら俺はリビングに踵を返す。
凛子、凛花。
この2人は俺にとっては.....とてもかけがえのない存在だ。
なくてはならない存在である。
でもいつかは俺が.....2人を支えたい。
こういう感じじゃなくて。
俺自身が.....。
☆
部活動が休止期間に突入した。
何故かと言えば期末考査があるから。
その事を思いながら玄関から外に出ると。
凛子と凛花が立って待っていた。
俺は苦笑する。
「相変わらずだな」
「.....そう」
「そうね。.....フィギュア作戦は上手くいったから。有難うね。優樹菜」
「ああ。聞いたよ。.....凛子からな」
俺は肩を竦めながら笑みを浮かべる。
すると凛子が、ところでお姉ちゃんもエロゲにハマったの、と聞いてくる。
凛花は、そ.....まあそうね.....、と曖昧に答える。
そしてそれを見た凛子が俺に向いてくる。
優樹菜。姉妹丼が出来る、と。
「うぉい!」
「何言っているの!凛子!!!!!」
「え。違うの」
「違うわ!」
そんな会話をしながら俺は額に手を添える。
そして、ほら。学校行くぞ、と切り出す。
すると2人は、そうね.....、と言う。
それから歩き出した時。
「あ。優樹菜」
「.....?.....どうした?凛子」
「これを渡す」
「.....何だ?包み?」
「お弁当。.....作ったから」
その言葉に思いっきり固まる凛花。
そして震え始めた。
俺は!?と思いながら凛花を見る。
それからキッと凛花は俺を涙目で見てくる。
「.....そうよね。まあ作れないものね。私」
「.....お、おう?」
「.....私だって.....」
「?.....声が小さい.....」
「何でもないわ!!!!?」
そしてそのまま歩いて行った凛花。
俺は???を浮かべながら凛子を見る。
凛子は、ふっ、というニヤッとした顔をしていた気がするが.....直ぐに破顔した。
何だ一体今のは。
俺は考えながら凛子に尋ねる。
「.....どうしたんだ?」
「何でもない」
「.....???」
訳が分からない。
俺は考えながら凛子を見る。
それから、まあ良いが.....遅刻するから行こうか、と切り出す。
すると凛子は、うん、と言った。
そして歩き出そうとした時。
袖を掴んできた。
「.....私は.....こういう事は優樹菜にしかしないけど。.....だからこそ言いたい」
「.....何を?」
「何時も有難う。大好き」
「.....お、お前!?」
俺に対してそう言う凛子。
それって愛の告白か!?、と思ったのだが。
それに対して凛子は赤面で立ち去ってしまった。
答えも何も聞けずに。
「.....一体何だったんだ?あれは」
赤くなりながら俺は後頭部を掻きながら。
結局答えも出ずに歩き出す。
そしてその、大好き、と言われて.....何だ胸がドクンドクンしていた。
凛子はもしかして、と。
でもそんな考えはキモいよな、と思って首を振って打ち消した。
☆
「はぁ.....恋人が欲しい」
「.....お前って毎回毎回毎回毎回毎回そればっかりだな.....」
「いやそう思いませんか?我々.....もう2年生の春なんですよ?3年ですよ?良い加減にイチャイチャしたい」
「.....あっそ」
俺は苦笑いで有原を見ながら勉強の計画を立てる。
すると、ねえ、と声がした。
顔を上げると.....凛花が立っている。
俺は?を浮かべながら、どした、と言うと。
「.....凛子に何かされた?」
「.....特に何も?.....どういう意味だ?」
「そ、そっか。良かった.....。じゃあその。屋上に来て」
「.....屋上?どうしたんだ」
良いから屋上に行くの、と言いながら凛子は俺を引っ張って行く。
有原に助けを求めるが。
敬礼して俺を見送る。
あの野郎.....。
☆
「.....綺麗だね。空」
「.....そうだな.....ひたすらに青空だな。雲ひとつ無い」
「うん。.....これは最高かも」
「.....ところで話って何だ?」
「.....10年前の約束覚えてる?」
え?10年前の約束?
何というか結婚するって話か?
あれは子供の頃の冗談だろ。
俺は?を浮かべて凛花を見る。
すると凛花は真っ赤になり始めた。
「.....その.....えっと。もう負けるのが嫌だから」
「.....?」
「ずっと伝えよう伝えようって思ってずっと。ずっと。ずっと。.....それで今になっちゃったけど。.....でも私は.....やっぱりしっかり伝えたい」
「.....何を?」
息を吸い込んだ凛花。
そして真っ直ぐに俺を見据える。
それから赤くなりながら握り拳を作って話す。
俺を愛しい目になりながら。
「.....私はずっと君を好きだという事を」
「.....!!!!?!!!?!.....はぁ!!!!?」
「.....今直ぐに付き合えって訳じゃない。.....でもその。.....私の気持ちは.....」
そこまで言った途端。
いきなり屋上のドアがバァンと音を立てて開いた。
そして顔を見せたのが.....凛子だ。
俺は!?と思いながら凛子を見る。
「.....お姉ちゃん。そんな抜け駆けは狡い」
「.....え。それってどういう意味だ?凛子.....」
「.....私だって.....優樹菜が10年前からずっと心から好き」
「.....へ!?」
「.....」
凛花は凛子を見ながら真剣な顔をする。
そして小さなため息を吐く。
それから、凛子。これからはライバルだね、と言う。
笑みを浮かべながら。
お、お前ら。こんないきなりで状況に付いていけないんだが、と俺は言うが。
「.....優樹菜。昔から君は輝いていたの。こういうサラッとしたのも私達の関係でしょ?」
「そう。私達は貴方が好き」
「.....サラッと言いやがって.....」
「あはは」
「ふふ」
そして俺はその日。
初めて凛花と凛子の気持ちを知る事になる。
可愛く見えてしまった。
2人が、だ。
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