第6話 でーとorデート?
オセロで勝負したら何故かオセロにめっちゃ強い筈の凛子では無く。
俺が最も簡単に勝利した。
だが凛子は計画的に敗北した様な顔をし始める。
何だコイツ、と思いながら凛子をジッと見ていると凛子は偉そうな顔をしていたがやがてふやける様な感じで破顔した。
「.....わ、私.....負けたよね。.....ふ、ふへへ.....」
「.....ああ。負けたが。.....って言うかお前。これは計画的だな?」
「け、計画的じゃない。.....これはれっきとした敗北」
「.....」
嘘臭いな。
俺はジト目をしながら凛子を見る。
凛子は俺を見ながら頬に手を触れて嬉しそうにしている。
盛大なため息が出てしまった。
それから俺は腕時計を見てから慌ててゲーム盤を閉じながら片付ける。
すると凛子が俺を見た。
そして柔和になってくる。
「有難う。一緒にゲームしてくれて」
「いや。まあ気にするな。.....大丈夫だ」
「で、ま、負けた分だけど」
「.....お、おう」
「.....こ、今度、わ、私に付き合って」
言われて顎に手を添えて数秒考えた俺。
そしてブハッと唾を吹き出した。
何言ってんだコイツ!!!!!
俺は真っ赤になりながら凛子を見る。
凛子は、げ、ゲームが買いたい、と言ってくる。
そして人差し指と人差し指をグルグルする。
「それお前.....でーと.....」
「違う.....で、で、で.....じゃにゃい!!!!!」
「だがお前!そうとしか思えなくなってくるんだが!?」
「あ、あまりにし、失礼。それは無い。無い」
とは言えなぁコイツという。
俺は凛子を見てみる。
凛子はすっくという感じで立ち上がり。
それからそのまま凛子はゲーム盤を奪い取って持ってから、じゃ、じゃあそういう事。宜しく、とそそくさと立ち去ってしまった。
いやいや!
「.....あの野郎.....逃げたな」
俺はボリボリと後頭部を掻きながらそのまま赤くなった額に手を添えながらそのまま屋上を後にする。
それから考えながら階段を降りる.....と。
目の前に凛花が居た。
「.....」
「うぇ.....ど、どうした?.....凛花」
眉を顰めながら俺を見抜く様に見ている凛花。
それからヅカヅカヅカと音でも鳴りそうな効果音で俺の胸に手を添えてきてからそして俺を見上げてくる。
恥ずかしいのを我慢している様な顔で.....。
な、何だ。
まさか.....さっきのを見られていた!?
俺は青ざめながら凛花を見る。
っていうか何に青ざめているのだ俺は?
というか何でこんなに近い!?
「あのさ。.....凛子と何かあったの」
「.....な、何も無いけど.....一体.....どうしたんだお前」
「.....何も無い。.....ゴメン。ちょっと聞きたかったから」
そして離れる凛花。
俺はその姿を見ながら?を浮かべる。
凛花の頬は赤くなっていた。
俺はハッとしながら凛花に聞く。
今は1月だ。
まさか。
「おい。大丈夫か?熱か?」
「はぁ!?.....ね、熱じゃ無いから!!!!!」
「ああ.....熱じゃないのか。じゃあ何で赤くなってんだよ」
「あか.....赤いのは.....な、何でも良いでしょ!」
そして凛花はプンスカと去って行く。
俺はますます???を浮かべた。
意味が分からんのだが。
そう考えながら俺も教室に戻った。
☆
「ハァァ.....彼女が欲しい」
「.....いきなりどうしたお前」
「まあ何というか.....お前を見てふと思ったんだ」
「俺だって彼女欲しい気分にはたまになるけどな」
「うーん。言い方が妬ましいな?お前さん。殺すぞ♡」
「あ?」
授業の合間にそう言われた。
俺はジト目で有原を見てみる。
有原はクソデカため息を吐いた。
そして後ろに体を向ける。
「.....まあでも彼女居なくても死なないから.....な.....」
「いやお前。レ○プ目して泣きべそかきながら言ってもやるせない」
「ウルセェなクソボケ」
誰がクソボケだテメェ。
そんな感じで俺達は睨み合う。
それから苦笑いを浮かべた。
まあお前はいつか彼女が出来るさ、と言いながら。
有原も、お前にもな、と話してくる。
「そんじゃあまあ。.....次の授業頑張ろうかね」
「まあ.....そうだな」
それから俺達は目の前を見る。
そうして授業を受けてから放課後を迎える。
すると.....凛花がやって来た。
ねえ。優樹菜。放課後空いてる?、という感じで。
「.....ああ。まあ。お前さん.....どうしたんだ?」
「アニメグッズが買いたい。一緒に行こう」
「.....アニメグッズ?まあ.....成程な。じゃあ一緒行こうか。でも珍しいな。お前がアニメグッズを欲しがるなんて」
「.....うん。何かその。凛子にプレゼントをしたいなって。いつも頑張っているから」
「そうなんだな.....姉として優しいなお前」
まあそうだね、アハハ、と言いながら凛花は恥ずかしい様な感じの笑みを浮かべながら頬を掻く。
俺はその姿を見ながら笑みを浮かべた。
すると、なあなあ、と声がする。
背後を見ると有原が立っており.....クーポンの付いたチラシを見せてきた。
「これな。韓国の餅の新しいお店。.....食ってきたらどうだ」
「珍しいなお前。そんな事をオススメするなんざ。何か金を寄越せ的な?」
「テメェコラ。俺を何だと思っている。違うわ!」
「じゃあ何だよ」
「偶然だっつーの!!!!!疑るな!」
いやお前.....まあ疑るよな?
コイツってか有原は毎度の如くクソ野郎だからよ。
俺は考えながら有原を見る。
有原は、まあ偶然だ、と答えた。
するとコソコソと耳打ちしてくる有原。
「.....デートに丁度良いだろ?」
「.....違うっての.....」
「.....そうかぁ?」
ニヤニヤしながら俺を見てくる有原。
そして俺にチラシを託してそのまま、じゃあな、と見てくる。
それから手を挙げて去って行った。
その一歩手前で有原は俺を見てくる。
「まあ今度.....この分の全ては貰うさ。お駄賃な♡」
「やっぱり心底のクズ野郎だな。.....まあ良いけどよ」
そして俺達はそのまま別れた。
そのまま凛花を見る。
凛花は、じゃ、じゃあ行く?、という感じで見上げてくる。
俺は赤面しながら、そ、そうだな、と赤くなった。
カップルじゃないのに.....カップルの様だ。
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