『夢現』

「2人は何を見たの!?何を知ってるの!?

何も言わなきゃわかるわけないじゃん!!!」



……


………


これは夢?


にしてはリアルすぎる


でも現実にしては実感にかける…


なんかこうふわっとしてる…


なんなんだ…



……


………


『…ていう夢を見てさ、すげぇ気になるじゃんね』


「たかが夢だろ?そんな気にすんなよって言いたいけどさ」


『けど?』


「お前のことだからなー!!」


『なんだよ!?』 


「いやね?何があっても、偶然ですよ、偶々ですよ、ですませてきたイッチくんには悪いが、何かしらメッセージがあるとしか思えない!!」


『いやいや、それこそこの夢こそ偶々だろ!!』


「小学校の頃、近所のボヤを通報した時も、偶然ですよ(キリッ!)っていってたけどあれ夜中だったし」


『…っ!!』


「中学校入りたての時も、授業中に突然教室で騒ぎ出してみんなを教室から追い出したら、その瞬間に突風でガラスが全部割れるとか」


『…っっ!!!』


「お前の偶然は偶然じゃないんだよ笑

でもお前はかたくなに偶然って言い張るから、クリスマスプレゼントにちなんで『偶然のイッチ』てあだなになったわけじゃん。

てかなんだよクリスマスプレゼントに二つ名が欲しいとか。

完全に厨2病だよな」


『そうかそうか、つまり君はそういうやつなんだな』


「エーミールかよ笑」


『じゃなくて、お前は僕がなにかしらの能力的ものを持ってるから、その夢もきっとなにか関連してるだろう、てことが言いたいんだろ?』


「まぁひらたくいうと、そんなかんじ」


『まず1つ、僕にそんな能力はない。

2つ、よって夢もたまたまだろう』


「はいはい、偶然、偶々ね」


『そうだよ』


「いや、お前がどんな能力持ってようが持ってまいが俺はいまさら気にしないよ。

だってお前はいつも自分のことじゃなくて人の為に動いてるもん。」


『…』


「まぁ、偶然ってことでいいけどさ、何かあったら言ってくれよ?

俺達小学校からのずっともじゃん?」


『…ありがとう。だけど偶然だから!!』


「わかったわかった、偶然、ね」


気になる夢は気になるまま。


だけど、なにがあっても友達は友達のまま。


何気ない会話の中に出てきた言葉にクリティカルヒットを受けた僕ははにかんだ。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る