『先見』

中学に上がった頃からだろうか。

未来が読めるようになった。


最初は中間テストだった。

ここらへん出そうだなー、と思ったら全部出た。


期末テストもそうだった。

出そうと思ったら全部出た。


そして、あまりにも当たりすぎて、わたしの願望が叶う能力かと思った。


好きな人とデートしたい!!

とか

好きな人と付き合いたい!!!

とか

思ってみたけど叶わなかった。


この、未来が読める能力は、「わたし」が「こうなりそう」と思った時にしか発動しないらしい。


この能力のおかげでわたしはテストでいい点を取れるようになったし、部活の試合でもいい成績を残すことができた。


ただ、未来が読めるからといって、わたしの能力が上がるわけではないから、テストの範囲がわかっても100点はとれないし、試合にも負ける。


能力は万能ではないのだ。


それでも、この能力のおかげで、わたしとわたしのまわりは恩恵をうけることが多かった。


「いつも予想バッチリだね!」

「あの展開が読めるのはさすが!」

「株とかやったら稼げるんじゃない!?」


もはやご近所では先が読める少女として認知されている。


でも、いつも言うことは決まってる。

『わたしには先見の明があるから!』


本当は、先見の明じゃなくて、『未来が読める』なんだけどね。

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