第1話 信者は作者(かみさま)に逆らえない
幽霊の彼女が生前に通っていた温泉宿は、私も以前に泊まった事があった。その時の私は高校三年生で、当時は両親に連れてきて
『あ! それ、私が描いたマンガじゃない!』
だからなのか、こんな風に、幽霊の彼女から声を掛けられてしまった。普通なら驚いて悲鳴の一つでもあげるんだろうけど、すんなり受け入れてしまったのは、たぶん私も
彼女は温泉宿に長く居た幽霊らしいけど、その宿からはあっさり離れて私の家まで付いてきた。私以外の目には見えなくて、あっという間に私と彼女は深い仲になってしまって。肉体的には、まだ私は処女だけれど、もう口に出すのも
「宿に着いたねー。あー、懐かしいなぁ、この感じ」
幽霊の彼女が、チェックインを終えて入った和室の中で伸びをする。ところで私の目に彼女が、どう映っているかと言うと、立体的なマンガのキャラクターみたいな感じだ。ただ、もっと実写的で、幽霊というよりは天使のようなイメージ。黄金のオーラに包まれてて、神様の使いだと言われたら誰もが信じそうな姿である。実際は私の体に
そんなリラックスした彼女の
「もう……いいでしょ。早く、して……」
「ん。じゃあ服を脱いで、
指示通り、私はキャミソール一枚の姿になって、敷いておいた布団の中に入った。仮に
たぶん変な顔になるから、彼女以外の誰にも見られないように、私は布団の中に身を隠した。「はい、声が出ないように、口は
いつの間にか、布団の中は異空間になる。夢の中に居るのだと、理屈では分かっているのに、体感がリアルすぎて眠っている感覚なんか無い。そして夢の中だから、私は宙に浮かんでいて
くすくす笑う彼女の声が、言いようもなく気持ちいい。私は仰向けに浮かんでいて、体の前側からも後ろ側からも彼女が来る。手も足も複数の彼女達から
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