相棒が語る話③

魔物から得れる素材や鉱石のような石そのままの物、

それらを加工したであろうアクセアリーやちょっとした武器、

買い取りカウンターの中にある棚には薬品らしき物、



なるほど『魔法使いの家』という名の店は先程の幼女が言ったとおり、“いろいろいっぱい”売られている、

分類するなら『雑貨屋』だった。



「珍しいのもちょいちょいあるけど……そこまでじゃない?」


「そうだな……」



魔法使いがやってる店なんだよなと相方と疑問に思ってると、


「すっごいレアなやつとかは置いてねーよ!」


扉を固定しようと試行錯誤している先程の少年がそう答えた。


「そういうのは欲しいやつでケンカになったり、かんりってのが難しいんだろ?」


なるほど納得の理由である。


「てことは…レア物は魔法使い様が管理してる?」


「おう!」


「ちなみにどんなのがあるとかは……」


「ドラゴンはよく聞くな!」


「え"」


「は?」




ドラゴンとは鱗や羽はもちろん肉や骨、内蔵、血等、全て余すところなく使うことができ、弱く小さい個体だったとしても一生遊んで暮らせる程の価値が付く生物である。

が、当然討伐難易度は最高ランクという規格外の強さを誇り、弱く小さい個体だったとしても最高ランク冒険者が数十人がかりでやっと倒せる生物である。


そんな生物の素材をよく聞くとは?



「ド、ドラゴン?」


「おう!ドラゴン欲しいって客よく来っから!」


「……討伐依頼?」


「ううん、ドラゴン何でもいいから欲しいって客!」


「……えっとすぐ用意出来ないと思うんだけど……?」


「でも花兄そういう客に『これとこれ以外ならありますけどどれがいいですか?』ってよく言ってるぜ?」



相方はものすごく顔を引きつらせてる。

好奇心で聞くんじゃなかったと思ってるに


「キクンジャナカッタ……」


いや、小声で言った。俺もそう思う。




魔法使いや魔女は人智を超えた存在。




信じてなかった訳ではないが本当の事らしい。

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