相棒が語る話①

「おきゃくちゃまー?」


声の方を向くと魔法使いの家の扉を開けて、1人の幼女が扉を少し開けてこちらを見ていた。


「いらっちゃいまちぇー!!」


にぱーーー!!


相方と顔を見合わせた。

しかし幼女は思ってたのと違う反応だったのか不思議そうにしている。

が、すぐに何か閃いた顔をして。


「どーじょ!」


にこーーー!!!


と、扉を大きく開けそう言った。


「……」


「……」


また、相方と顔を見合わせた。

確かに幼女サイズの扉の開けぐわいじゃ通れなかっただろうけども、そうではなくて……



「? ちがうー?」


「……え〜と、ここってお店なの?」


「うん!はなちゃのおみせ〜!」


「(はなちゃ?……魔法使い様のことか?)」


「魔法使い様のお店?」


「うん!はなちゃまほーつきゃい!」



にこにこととても嬉しそうに幼女はそう言った。



(……店を開いている、という情報はなかったが……まぁ情報収集自体大分アレだったが…)



色々思考している間にも幼女と相方の話は続く。



「そっか〜、何のお店かな?」


「んとねぇ、いろいろ!」


「いろいろ?」


「うん!いろいろいーーっぱい!」


「(……いっぱい?)」


「……いろいろがいっぱい……?」


「うん!」



にぱーと幼女はどこか誇らしげ笑った。

三度、相方と顔を見合わせる。

何故なら




魔法使いや魔女は人智を超えた存在。




とされているからだ、

その存在がやっているお店がいろいろいっぱいとは?

物によっては少々やばい気がするのだが…



(……いや待て……相手はまだ舌足らずな幼児だ、幼児から見たら何でも"いろいろいっぱい"になるんじゃないか?)



「その"いろいろ"の1つを教えてくれる?」



同じ結論になったのか相方が少し噛み砕いて質問しだす、と、



「アンネー?扉で何やってんの?」



扉の中から声がした。





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