*とある国の二人が語る話*
とある二人
「……ここが魔法使いの家?」
「みたいだな」
「……何か普通だな」
その家は他の家より庭が大きい分か、家も少し大きかったが二階建ての至って普通の家だった。
「町中に普通にあるし……」
「……」
そこは町外れ一歩手前の場所だった。
「はぁ……お前なぁ」
「いや!だってさー!あんじゃん!こう!深い森の中にあるとか!何か知らんが見つからないとか!どこか不気味だとか!不思議だとか!」
そう叫ぶと家についていた看板を指差して、
「『魔法使いの家』って看板掲げてる普通の家とは思わねーじゃん!普通!!」
「……」
言いたい事は、まぁ分かる。と相手もちょっと思った。 だってその家はあまりにも何の変哲もなかったのだから。
『魔法使いの家』という名前をふざけてつけた。と言われた方がまだ信じられるぐらい普通の家だったし、しいて何かしら違いを挙げろと言われれば、周りの家に比べて妙に綺麗。それぐらいだろう。
だが、その家は間違いなく
魔法使いが住んでいる家なのである。
この町に魔法使いが住んでいる。というのは確かな情報で、その情報を元にこの2人はここに辿り着いたのである。
だから、間違いなくこの普通の家が魔法使いが住んでいる家なのである。
「……お前の夢やら期待やらが打ち砕かれたのは、よーく分かった。 だが、ここに俺達は任務で来ている。それを忘れるな」
「分かってるけどさぁ……」
やっぱり思ってたのと違う。と、どうしても思ってしまうのだった。
だってこの任務を受けてから結構楽しみにしていたのだから。
何だか裏切られた気分になってしまったのだった。
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