初めまして!

そこはとある国ととある国の間にある町。


え?国と国の間にあってどちらの国にも属してないなら、その町は町じゃなくて国じゃないのかって?

まぁ言いたい事は分かります分かりますけども、それはおいおい。


ともかく、町と言うよりは街なのでは?というぐらい大きな町に魔法使いの家と言われている家がありました。


けれど、その家は長らく空き家になっていて、そしてその期間はとても長くその町に住む最年長者でさえ、その家は魔法使いが住んでいた家らしいという事しか知りません。


しかし、町の皆はその家を魔法使いの家だと信じてました。

というより、信じざるを得ませんでした。



何せその家は扉を開ける事も出来なければ、窓や壁を壊す事も汚す事すら出来なかったからです。



え?それはそれで色々と不気味だって?たしかに、この町に住んでいないとそう思うのかもしれませんね。


ですが、そういうふうに思わないぐらいその町は魔法使いという存在に縁もゆかりもあったのです。

だからこそ、皆その家を魔法使いの家と信じていたのです。

だからこそ、あの日この町の人達はとても驚いたのです。



だってその人は魔法使いの家を開けたのだから。




「初めまして!今日からこの家に住むことにしました。これからよろしくお願いします♪」




と、花かんむりのついた魔女や魔法使いがよくかぶるとんがり帽子を軽く上げ、満面の笑みで挨拶をしながら。

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