第20話魔石
「デッケー!!カッコイイ!!」
視界に入ったゴーレムの容姿は、人類の未到達領域である3メートルはあろうかという巨躯。広い肩幅に丸っこいながらも、ゴツゴツした石を繋げたような腕。腕は手先に向けて大きくなっている。指は3本しかないようだ。
体は機械で削ったような逆三角形。足も腕同様石を繋げた形状。ただ、足は腕の半分もない。要するに短足手長スタイルだ。頭部はなく○ルトラマンのカ○ータイマーの位置に、赤く輝く宝石が鎮座しているのがうかがえる。
色はグレーだ。
「…ゴーレム!!てことは岩石地帯が近いってことだよ!」
なんとなく予想できたことを、リセは改めて口にした。まあ、あれこれ根掘り葉掘り聞いてしまったから無知だと思われても仕方ないね。
「リセ!わかるぞ!あの赤い石がやつの弱点だろ?」
ドヤ顔全開でリセに言うマグロ。しかしリセからの返答は…
「あれは魔石。不壊だから弱点ではない!あとゴーレムはあの魔石のサイズで強さが変わるらしいよ!知識として知ってるだけだから、あれがどのくらいの存在なのかはわからないけど。」
そう言われてみると、なんとなく…10センチないくらいか?サイズがわかったとして強さは全くわからんが…あれ?今までウルフをしこたま倒してきたけど!魔石は?あったの?
なんとなく思ったんだが、あの魔石って価値ありそうじゃないかね?
「なあリセ!あの魔石って売れる?」
「売れる。探索者ギルドか冒険者ギルドか商会ギルドが買取ってくれるらしいよ!値段はわからないけど…大きくなればなるほど高値がつくって話。」
おお!これは町に出たときの資金ができるんじゃね?探索者ギルド?冒険者ギルド?商会ギルド?まあ今はおいておこう。ああこれも聞くか。
「あれってデカいやつにしかないのかね?」
「そんなことないよ!あれは魔獣とかの心臓の役割だから!大小があるくらい!ウルフにも足の小指の先っちょくらいのがあったはず!」
オーマイガー!!
なんてことだ!一個もひろってないぞ!くっ、この探検で町に行けず寝床に戻ることになったら拾おう。まて、てことはデカいやつはデカい魔石か?コカトリス…
「コカトリスの魔石!あれにも魔石があったんだよね?」
「あったと思う。私は興味ないから。」
くそったれー!!価値有るものに興味のない変態だとは思わなかったぞリセー!!
そんなこんなでマグロの葛藤などつゆしらず、ゴーレムはゆっくりと前進してくるのだった。マグロたちのほうへ。
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