第18話説得

「かくかくしかじか……これならどおかね?」


下を向いて考えこんでいたリセは、おもむろに顔を上げると…


「確かにこのままここで一生は辛い。」


ようやく重い腰をあげさせた。そもそもなんであんなに嫌がったんだろう?どうせ暇なんだから、散歩にでも行こうぜっ!ってくらいの軽いノリのつもりだったのに。一大プロジェクト並みに採用されるまでに時間がかかってしまった。


そして僕たちは歩き始めた。道なき道を歩く。ただ歩く。ひたすら歩く。歩く歩く歩く歩く。たまにウルフが徒党を組んで襲ってきた。ウルフは警戒心が強く、自分より強いやつだとまず襲わないらしい。

いや、正確には1vs多で勝機がないと襲わないらしい。

もれなく襲われてる僕は雑魚だと思われてるってことだよね?もう3桁どころか、4桁近く殺してると思うんだけどなー…げせぬ。


それにしても…いくら魔獣だとしても、殺しに対して全くの無なんだけど?これは異常なことじゃないかね?

令和を生きてきた僕が狼を殺しまくって、何も感じないだよ!

これはなんの力が働いてるのだろうか?まさか僕の本質がサイコパスだとは思いたくないが。

そんな事を考えながらも歩を進めていく。

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