#026 : Stephanie
こんにちは!サクラです!
今日はね?とてつもなく凄い発見をしたの。
元の世界だったらノーベル平和賞ものなの。
…それはと言うとね?
あてくし…昨日から貝殻を作れるようになったじゃないですか。
でね?その作った貝殻を胸に充てるんですよ。
「私は令和の武田久美子さんよ!?」って言いながらね?
それもね?何枚も貝殻を作って重ねるの。
武田久美子さんは1枚なの。それを余裕で超えるの。
3枚目を重ねる頃にね?1度だけ…1度だけね理性が話しかけてくるの。
「…ねえ、私?…虚しく無いの?外は良い天気だよ?」って。
それはね?無視しないとダメなの。
だってね?負けてしまうから。心が壊れてしまうから。
安心してね?理性は1度だけしか話しかけてこないから。
でもね?これを無視するということはとても辛いことなの。
強く…強くなる必要があるの。明日…いいえ。未来の為に…。
ー そして何よりも…私が私であるために…。
そんな自分を乗り越えたら…そしたら…
……Fカップの完成っすわ!(すわッ!すわ!…すゎ!すゎ!すゎ!…ゎ…)
転生してもAでした。【完】
…
「あっはっはっはー!ボインボインよー!」
そんな過酷な試練を乗り越えた私はジルの家の女子部屋の中をスキップしていた。
カチャカチャ…カチャカチャ…
私がスキップをする度に貝殻が重なり合う音が響き渡る。
カチャカチャ…カチャカチャ…
それは呻き声のようでもあった。
『お姉ちゃん…』
「サクラさん…」
そんな私をエスト様と辰美が白い目で見ていた。
カチャ…「やめろ!そんな目で見るな!それ以上言うな!いやだあああああ!」カチャカチャ…
私はうずくまり、耳を塞ぐ。
『「…虚しく…無いの…?」』
エスト様と辰美が口を揃えて私の心を潰しにきた。
カチャッ…「…うわーん!だって…だって…憎かった…羨ましかったの…自分の中の黒い気持ちがどんどんと大きくなっていくのがわかったの…このままじゃいけない…ってわかってたのに…それでも…それでも…Fへの衝動は止められなかったの…ごめんなさい……けて……お母さん…助けて…」カチャ…
私はそのまま火サスの殺人犯の自供のように泣いた。
…
ー 突然!ジルがドアを開けた!
「はぁはぁ…た、大変です!街でモンスターが暴れてます!」
ジルは息を整えながら言った。
カチャッ!「なんですって!?小娘!辰美!行きますよ!」カチャカチャッ!
私はすっくと立ち上がり2人に指示を出した。
カチャッカチャカチャッ!「辰夫!すぐに準備をしなさい!」カチャカチャッ!
そして隣の部屋の辰夫に向かって叫んだ。
『「「カチャカチャうるせー!それ取れ!」」』
…
ジルの家を出ると、人々が逃げ惑っていた。
「こ!こっちだ!早く逃げろ!」
「きゃー!」
「うわぁー!?」
私たちは人々が逃げてくる方向へと急いだ。
すると、モンスターが女の子に向かって拳を振り上げているのが目に入った。
「女の子が危ない!…くっ!間に合えッ!…辰夫ロケットーッ!」
私は近くにあった手頃な辰夫をモンスターに投げつけた!
「ちょッ!サクラ殿ーーーーー!?」
ドガッ!!!!!
辰夫がモンスターの拳に命中した。
モンスターはよろけ、体制を立て直そうとする。
その隙に女の子は母親に保護された。一安心だ。
モンスターが体制を立て直すと、標的をこちらに移したのが分かった。
モンスターと辰夫は私を睨みつけている。
「ふふ。上等じゃない…ん……ってあれ…?」
私はモンスターに違和感を覚えた。
「ねね!みんな!あれ!…領主じゃない?」
『「「え?…ん……あ!ホントだ!」」』
モンスターは領主だった。
その体躯は倍程に大きくなっており、目が紅く、牙が生えていたが、その顔は紛れもなく領主だった。
「…見つけたぞ…鬼の女…殺す…殺す!」
モンスター領主は殺意を私に向けた。
「ッはは…私が怖くて…モンスターに…なっちゃった…のかな…?」
さすがの私も ごめんなさいしないとな と思ったその時!
ガン!!!
モンスター領主が投げた瓦礫が私の胸に当たった。
『お姉ちゃん!?』
「「「サクラ殿/さん!?」」」
「…ぐっ……くそ…油断した……って…あ…貝殻…痛くない…」
なんと!武田久美子さんが私をガードしてくれた。
私は口に手を当て、目をパチクリしながら ビックリ!のポーズを取っていた。
『な、なんて締まらない戦いなの…』
エスト様は呆れ顔で
「はっはっは!サクラ殿らしいな。」
辰夫は笑いながら
「こういうところが好きなんだよなー」
「美しい…」
辰美とジルは恍惚としながら私を見ていた。
私は仕切り直すように袖を捲りあげ…
「あービックリした!…とりあえず退治しますかね!小娘!周囲にバリアを張って街に被害が出ないようにしなさい!」
エスト様に指示を出す。
『あいよー☆んー…バーリアーッ☆』
エスト様のバリアが周囲を覆った。
ざわ…ざわ…
「あのモンスターに立ち向かってる人も鬼…だよな?モンスターだよな?」
「ジル様も一緒にいるけど…仲間…なのか?」
「領主様がモンスターだったなんて…」
ざわざわ…
人々はバリアの向こうからこちらの様子を見ている。
あとで色々とややこしいことになりそうだ。
「どうやら私に恨みがありそうだし、ギャラリーも居るから辰夫と辰美がドラゴンの姿に戻ったらさらに人々を怯えさせることになるし…私がやりますか…………ねッと!」
そう言いながら巨大な貝殻を生成し、投げつけた。
「…ぐがっ!」
領主は飛んできた貝殻を振り払った。
領主が貝を振り払う隙に私は領主の背後に回り込んだ。
「あっはーwww貝殻めっちゃ便利ー!」
そう言いながら貝殻を生成し、拳を覆いナックルにした。
領主の後頭部に右ストレートを放とうとする。
「喰らいなさい!良い子は真似しちゃダメな…後頭部パーンチ!」
スカッ!
領主は私のパンチを避けると、すかさず反撃のパンチをしてきた!
ガン!!!
「ぐっ………ん!?痛くない…?」
またしても武田久美子さんが私を助けてくれた。
『「「「いや!貝殻スキル有能すぎだろ!」」」』
「鬼の女…お前さえ居なければ…殺す殺す殺すーッ!」
領主の殺気がさらに膨らみ、再度パンチを繰り出す!
ガン!!!
「ぐっ………ゎーぉ…」
また武田久美子さんが(略)
私は読者の皆さんに写真集を買ってくれよなと思った。
『「「「何枚付けてんだよ!領主も胸以外狙えよ!」」」』
一同のイライラがピークに達していたので、この天丼(お笑い用語)もここまでだなと私は思った。
「鬼の女…私はもう…終わりなんだよ…全て失った…しかしな…最高の気分なのだ!破壊が快感をもたらすのだ!ふははははは!」
「こ、こわっ!」
その殺意に気圧されそうになりながらも私は立ち向かう。
(つづく)
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