#022 : 新たなる旅立ち

こんにちは!サクラです!オッス!オッス!(耳に手を当て返事を確認)


………返事が無いから今日はこれで終わりな!




あ!待って!

冗談だから帰らないで!お・ね・が・い♪



と、今日はこんな感じの!ウザいテンションでのダイジェスト形式でお送りするよ!


オッス!オッス!(耳に手を当て返事を確認)



領主誘拐騒動から数日後、領主の指示により、たくさんの人材がこのリンド村に移住してきました。

彼らは技術者、農家、労働者をはじめとする人材達です。


彼等は最初は不満そうでした。

そりゃそうですよね。

領主権限で突然引っ越せって言われたのです。

私なら暴れて領主の首をとって領地を乗っ取ってそのまま調子に乗って王に戦いを挑みますね。


でも、一度きちんとみんなで話し合ってみたらこの村を気に入ってくれたみたいだよ。

声が震えてた気もするけど、気のせいだよね。

とりあえずは良かった。良かった。

ちなみに辰夫と辰美は、この話し合いが終わったらすぐに竜人族の姿に戻ってもらったよ。

ドラゴンの姿のままでは生活に支障が出るからね♪


あとは温泉をとても気に入ってくれてるみたい。

あのタイミングで温泉を掘り当てといた私、本当に凄い。天才。美しい。



そして領主からのも同時に届きました。

御触れの内容は【これより税金は今までの半分とする。】といった内容でした。


これで今まで領主は税金の半分をピンハネしてたのだと私は判断しました。

今度、しっかりとアイツの資産を確認しないとなぁ…?

まぁ領主にはこれからもたくさん償って貰いましょうね♪


村人達は本当に大喜びで、たちまち私たちは村の英雄となりました。


ちなみに、左遷…じゃなかった!てへぺろ☆

派遣されてきた人材の皆さんの管理は村長に一任しました。


私は私でやらなければならない事があるのです。


え?何をやるかって?

聡明な読者の皆様ならお気付きかと思いますが、私がやらなければならないこと…それはSGKを作ることです。


あ、SGKじゃ分からない?

さてはアナタは聡明な読者じゃないな?ドラゴンスクリューしちゃうぞ☆


…えっと…話が新日本プロレスの方に逸れそうだった!

一晩中 語り尽くすところでした。危ない危ない!


ふふふ。ごめんなさいね。


SGK!そ・れ・は!


お笑い劇場の【サクラ・グランド・花月】でーすよーッ!


お笑いあってこその人生!!!!!

私はこのリンド村をお笑いの街にするのです!

ゆくゆくは【サクラ興業】を起業して、お笑い養成所も作りたいですね。



あ!それから、私たちの家も作ってもらうことにしました♪

温泉もひっぱりましょうね♪

請求書は領主宛で大丈夫だし、豪邸にしましょうね♪

あ…辰夫と辰美は馬小屋と牧場のどっちがいいのかな?

今度ちゃんと確認しておかないと。


もっと勉強を浸透させたら学校も作りたいですね。

もちろん領主のお金で。



そして、3馬鹿と盗賊団には【常闇のダンジョン】周辺を【常闇の村】にする為の重要なお仕事を与えたよ!


それはッ!

開墾しつつモンスター達に農業を教えてくるように命令しましたッ!いぇい!


コイツらがサボったらシメても良いとワイトとサタンには伝えてあります♪


ダンジョン内には珍しい野菜や果物が生息してるのです。

これらを栽培して、外界に送り出す予定です。

名物とか特産品を作らないとね!


ちなみに このダンジョン製の野菜達は怪しい色ばかりで、見た目からすると毒とかあるかもしれません。

まぁ、毒があったらそれはそれで兵器に転用するとか有効な活用方法を考えるよ♪


そのうち飛行型モンスターを使ったサクラ宅配便や、サクラタクシー、ウーバーサクラも始めたいなぁ…。


……


全て順調だー。


しかし、ひとつ気がかりなことがある。


それはエスト様だ。

ここ最近、エスト様の元気が無いのだ。


『毎晩、黒い何かに…襲われる…夢を見るの…』

エスト様は怯え、私にすがりつきながら言った。


「…エスト様……」



そこで私たちは気分転換のため…世界を知るため…新たなる出会いを求め…街へ繰り出してみることにした。


「辰夫ー!辰美ッ!旅の準備をしなさい!」


私はエスト様を抱きしめた。


ー 小さな身体を抱きしめるその手は領主宛の請求書と観光ガイドを握りしめていた。



(つづく)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る