第5話 職業はなに??

おそるおそる水晶に手をかざす北海道先輩。

水晶が赤く淡く光りだした。


「これは!?見たことない職業ですね。みゅ...しゃん...みゅ.....?」

「みゅぅってぇ・・・・なんなのぉ・・・・職業コミュ障・・・・なのぉかなぁ・・・?」

「ええと、みゅーじ...しゃん...みゅーじしゃん...あなたの職業は「音楽術師ミュージシャン」です....」

「ええぇ・・・・僕ぅ・・・歌えないよぉ・・・・」


なんと北海道先輩は「音楽術師」になった。

聞いたこともないしどんな効果があるんだ?

しかしまぁ強くなさそうだな。


「これはぁ・・・・伝説のぉ職業・・・ですかぁ?」

「ええと...うん....えぇ...歴史上類をみない職業ですね。「音楽家」はいるのですが....」


すごいぞ!北海道先輩!

この世で初めての職業を得ている。

どんな職業かはともかくすごいことだ。


「次はぁ・・・綾野氏のぉ・・・番だよぉ・・・・」

「お、おう。頑張るさ.....」


良い職業が得られないかもしれない。

それでも覚悟をきめなきゃいけない。

ええい!何が出ても落ち込まないからな!

深呼吸して水晶に触れる。


「ええと....あなたは「」です...なんですか....この職業は??」


一切、具体性がない。

「魔法使い」とかではなく「詠唱王」なのだ。

地球で言う詠唱発明家みたいなものなのか?


「次は勇斗だろ?いってこい」

「...............」


勇斗緊張しているのか?

まぁ人前だもんな。しかたがない。

勇斗が震える手で水晶に触れる。


「あなたの職業は「忍者ニンジャ」です!!異世界召喚者だけのとても希少な職業ですよ!!!」

「........っ.........たぁああああ!」


いつも影が薄いだけあるな。

「忍者」いいな。かっこいいな。俺もそれがいい....

よくわからない職業は北海道と同類みたいで嫌なもんだ。

しかしよく考えると三人とも無職のような不遇職ではない。

本当に不遇でなくてよかった。


そのまま能力測定は続き、全員が測定し終わった。

目立ったところで言うと、委員長が「大魔道士」。

学年で一番頭のいい前田くんが「賢者」。

僕ら同様クラスで気味悪がられてる冨安蒼平の「死霊術師ネクロマンサー」だ。

勇者だからなのか不遇職という不遇職が一切なかった。


そして全員に金属でできたプレートが渡される。

これはなにに使うものなんだ?

番号札か?整理券か?


「これはステータスカードです」


これは異世界の定番だな!

ただプレートなのが残念だ。

すぐに無くしてしまいそうだ。


「能力測定によって、水晶とプレートが共有されます。能力についても詳しく見れるのです」


巨乳ちゃんそれすごい技術だよ。

やはり魔法は偉大なのだ。


「プレートを持って「ステータス」とつぶやいてみてください」


自分の「詠唱王」がどんな職業なのか。

調べなければ始まらない。

もしかしたらすごい職業かもしれないぞ!


「ステータス!!」

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