第6話 辿り着いた町
さて、何とか目的地に着いた様だが…果たしてオークである俺は入れるのだろうか?
取り敢えず住民は何族なのか調べてみようと思ったら、あっさり判明した。町の周りに広がる畑で小柄な人達が働いているのだが、どう見ても噂に聞いたゴブリンなのだ。真面目にせっせと畑で作業をしている様は勤勉で明らかに前世知識のゴブリンではない。邪魔したら悪いと思い、そのまま通り過ぎようとしたら向こうから話し掛けてきた。
「おや、オークさんがこちらに来るとは珍しい。何か町に買いにでもきたのかい?」
にこやかに話し掛けてきたのは農業云十年位やってる感じのベテランそうなゴブリン氏だ。
「は、はい。ここから北にある村に住んでるんですが、手持ちで売れる物を売って買いたい物が有れば買いたいと思ってやってきました。町に入るのに何か必要な物とか有りますか?」
「うちの町には通行証とか特に必要ないし、入町税とかも無いからね。遠い所からよく来なさった。」
「有り難うございます。では早速行ってみます」
良かった。オークでも問題無いっぽい。俺はそのまま町へ向かい目的地へと辿り着いた。
町に着いて驚いたのはゴブリンだけでなく獣人や人族、オーガの様な巨人種まで一緒に暮らしていた事だ。
この世界、一体どうなってるんだろう?
取り敢えず手持ちの物が売れる場所を探さないとね。冒険者ギルドとか商業ギルドとかかな?さっきのゴブリン氏に聞いておけば良かったな…
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