第2話 チートがガガガ

 どうやら俺は亜人のオークに転生してしまったらしい。しかも残念なのは魔法適性が無いので魔法チートは一切無い事だ。しかも魔力が必要なアイテムボックスは最小でしか使えない。転移スキルも一応使えるが、使用は自分自身だけだし距離も短い。期待していたネットスーパーも極一部の食品だけしか買えなくガッカリした。鑑定はどうやら相応の知識が必要なのかあまり役に立たなかった。

言語と武器適性は問題無いが、これなら人族で生まれたかったなぁ…まぁ過ぎた事だから仕方ないが。


 月日が経つのは早いもので生まれてから5年が過ぎ俺は5歳になった。


 さて、この世界のオークは某投稿サイトによく有る様なモンスターでは無かった。亜人と言うだけ有って普通に町や村とか集落を作って暮らしている。よく有る様な人族の女性とかを拐って孕ますとか野蛮な事はしないし、オークでも男と女が居て番いになるのが普通だ。つまり見た目だけはオークだが普通に生活しているのがこの世界の常識なのだ。

亜人種は他にもゴブリンやオーガ、コボルトとかも居るらしいが皆同じ様に暮らしているらしい。平和だよね。

 じゃあモンスターは居ないのか?これは居る様だ。但し、居る地域は決まっていて、そこから出てくる事は滅多に無いらしい。

 因みにこれらの情報は家の近くに住んでる物知り爺さんから教えて貰った。

 基本的にオークはとってものんびりしていてあまり出歩かない。大抵家で寝ているか森に入り食物を探して食べるか位しかしない。因みに食物は非常に豊富だ。選り好みしなければ飢える事は先ずない位、森の実りが良いのだ。

 うちの家族も皆のんびりしている。父さんが二三日に一度森に行って食物を取って来て皆で食べてる。母さんも偶に行くが、父さんの方が美味しい物を探すのが上手い。因みにうちは5人家族だ。

俺は長男で弟と妹が居る。オークだがやはり弟と妹は可愛い。初めて見た時は絶叫したが今では美的感覚が完全にオークになったね。

 オークの暮らしぶりは前世で言うならロハスだ。ロハス過ぎる位ロハスなのだ。

 因みにオークの5歳は人族で言うなら成人手前、16歳位だろうか?身体も大きいし力もかなり有る。俺はのんびり暮らすのはそろそろ飽きてきた。せっかくの異世界転生が食っちゃ寝食っちゃ寝だけでは物足りない。幾らオークでもこの世界なら旅する事も可能な筈だ。近所の物知り爺さんも可能だと言ってるしね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る