勘違い転生 願ったチートは無かったがそれはそれで良かったかもしれない
伊藤ジェダ
第1話 始まりの話
話をしよう。
特別な話とかでなく俺の話だ。先日、と言ってもいつの事かは分からない。
赤信号を無視した車から子供を庇い俺は事故死した。ただ俺は未婚だったし彼女も居なかったから前世に特に未練は無いし、何と神様?から転生させてくれると言われて寧ろ幸運だったかもしれない。
ただ、その神様?は妙に軽かった。
「イェ〜ィ♪YOUはとってもナイスなガィだNe♪
自身を犠牲にしてまで幼子を助けるスピリット!スバラシイYO!」
見るからにチャラい。軽薄で口調も軽いし格好もどこぞのクラブにでも踊りに行くようなチャラさだった。
ただ、後光が射してるし見た目に反し神聖さは確かに有るので神様と言えなくもない感じはした。
一応、念の為に聞いてみた。
「あの、神様ですか?」
「SOデス!神様Death♪」
全然神様っぽく思えないが神様だった。
「あまり時間無いから手短にイクYo♪
YOUは異世界転生するからね。何か希望とか有るカナ?無ければ基本パックで転生GOダヨ♪」
こ、これは皆の憧れの異世界チート転生!?よ、よし希望を言わねば。某投稿サイトの小説みたくチートを希望する!
「では言語通訳、鑑定、アイテムボックス、魔法全部と武器全般適性、最近流行りのネットスーパー、それと転移とかの移動スキルをお願いします!」
「Oh、結構欲張りNe。けどそれ位でないと異世界転生らしくないカナ?とりま、ちょっと待ってYo」
暫く誰かと念話?で話していたが、
「オマチ♪全てのチートを叶えると種族が人でなく亜人にナルけど良いカナ?」
俺は亜人と聞いてエルフとかドワーフだと思った。人族でなくても然程問題無いと判断し
「ええ、それで構いません」
そう答えた。答えてしまったのだ。何故、亜人について聞かなかったのか?うっかりにも程が有るが、その時は分からなかったのだ。異世界転生に浮かれてしまっていたからだろうか。
「OK!それヂャ転生するYO!YOUの来世に幸アレ!」
いきなり足元に穴が開き俺はそのまま急落した。
「のわぁぁぁ〜いきなり過ぎませんかぁぁぁ〜」
落下の激しいショックと共に俺は転生したらしい。それまで希薄だった周囲が急にはっきりと感じられる様になった。しかも誰かに抱かれている様だ。目が未だ良く見えない…呼吸も上手く出来ない…不意に尻をバンバン叩かれた。あまりの痛みで思わず激しく泣いてしまった。
「良かった。息が出来た」「危なかったね。本当に良かった」「お母さん息子さん抱いてみますか?」
周りから沢山の声が聞こえた。言語通訳は問題なく働いてる様だ。軽い感じの神様だったがちゃんとチートは付いてるみたいで良かった。
しかし…親に抱かれた時、親を見た俺は絶叫した。俺を生んだ親は人ではなく化け物だったのだ。そして亜人の意味を誤解していたのを理解した…俺は豚の化物に転生していたのだ。
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