⑯ミドルXIV:大陸奥地にあるトコヤミの宮を目指して

●トコヤミの宮を目指して大移動!


 ククル達を救うため、ドラえもん一行は前回よりも長い距離を移動します。


 その手順は、どこでもドア → タケコプター → リニアモーターカーごっこ →(一応)徒歩といった感じです。

 それぞれ一長一短(※1)があるため、1つの道具で一気に移動することはできません。この辺りはタケコプターよりずっと速く、持久力もあったペガ達がいないのが響いているとも言えそうですね~。


 最初に向かった先は、クラヤミ族&ツチダマと戦った岩山。

 そこでドラえもん達は再度意思確認を行ないます。


 どんな危険があるか予測は難しく、ギガゾンビの力も不明。それでも行くか? と。

 その言葉に最初に応じたのはのび太です。「構うもんか!」と先陣を切り、それに映画版ならではの綺麗なジャイアンが続きます。スネ夫はちょっとビビッてますが、それでも行く事自体を反対したりはしません。しずかもやる気顔です。


 各々が持っている石槍を重ねあわせて、号令をかけます。セリフとしてはありませんが、1度目の家出中断時にやっていた“石槍の誓い”ですね!(※2)


 その後、すぐに場面は切り替わって大砂漠を移動しているシーンに移ります。



(※1):移動手段についてザックリまとめてみました。


・どこでもドア → 移動時間が最も短くて済むが、今回はトコヤミの宮がどこにあるか不明なため一気に移動できないのが難点。それでもクラヤミ族と戦った岩山まで行けるので2000キロをショートカットできた。


・タケコプター → 『ドラえもん』といったらコレ! だがしかし、いいところで故障するのが映画版仕様。それでも最高時速80キロで8時間ぐらい飛べる設定があるため、どこでもドア後の移動に使われた。


・リニアモーターカーごっこ → 電車ごっこしてる全員が時速300キロで移動可能。速度は凄まじいのだが、安全面に難があり+使用者の体力消費がヤバそう。


・ペガ達 → 本作中における最強ユニットともとれる彼らだが、2000キロの長い距離を早朝出発の夕方到着してる辺り時速200キロ以上は出てるのではなかろうか(※休憩を考えたらもっと速い?)

 2000キロ走破時に疲れた様子がない事から、スタミナにはまだまだ余裕がありそう。



(※2):作中で非常に登場する機会の多い石槍は、『日本誕生』を象徴するアイテムでもある。特に、新版ではクライマックス時にとても重要な役割が与えられているため、この段階で改めて視聴者に印象付けて置こうと考えられている可能性がありますね。




●爆走! 雪山をリニア電車ごっこ!!


 ギガゾンビはどうやってククル達を発見し、さらったのか?

 そんな疑問を話し合っている内に、タケコプターで移動していた一行は大砂漠の先にある氷雪地帯へと到達します。


 で! もはやお馴染み(笑)のイベント、タケコプターの故障が発生。

 仕方なく着陸したドラえもん達でしたが、エアコンスーツ装備でも凍えそうな寒さ+徒歩移動は余りにも辛い。そこで代用品として取りだされたのが「リニアモーターカーごっこ」です。


 リニアモーターカーの如きスピードで電車ごっこ(移動)可能。ただし安全面が保障されないデンジャーアイテム。

 新版では旧版よりも長い時間この道具で移動しているシーンが演出されています。その間、木にぶつかりそうだわ谷を大ジャンプで飛び越えるわと危険には事欠きません(苦笑)。


 それでも移動手段としては優れているため、いつものメンバーは超高速でセカセカ足を動かして氷雪地帯を踏破します。なんかこう、本来『ドラクエⅡ』のロンダルキアを移動するように緊張とシリアスにあふれたシーンになってもおかしくない状況だったのですが……電車ごっこの演出がシュールなため笑って見れちゃうのがステキです(笑)。


 とにかく走る走る。

 そのあまりのスピードは周囲を確認する余裕すら与えてくれなかったのでしょう。


 ドラえもん達は洞窟に避難するまで気づきませんでした。

 無我夢中で駆け抜けている間のどこかで、



 心の友である のびたくん が振り落とされていた事を……。(※3)





(※3):予想外のアクシデントですが、シナリオ面から考えると後々のための「大きなフリ」です。魔王の居城についたら勇者がいなくなってた的な感じではありますけどね。

 まあ、アレですわ。

 TRPG的に考えるなら、リニアモーターカーごっこ使用時に全員がダイス判定をした結果、多分のび太くんだけが盛大にファンブルでも出したんでしょう(笑)。シナリオを作ったGMの困った顔が目に浮かびそうですね。

 




 本来、移動してるだけのシーンというものはソレだけでは面白くなりにくいものです。

 だから重要な会話や情報のやり取り、伏線の設置に思わず笑ってしまうコミカルさを加えたりするのでしょう。


 完全に余談ですが、PS4で発売したスパイダーマンのアクションゲームでは「移動してるだけで楽しい!」点が大きく評価されていました。同じ場所で展開され続ける物語でもなければ移動は絶対に発生しますので、移動する場面をどう工夫するかは腕の見せ所とも言えるかと。


 ――――まあ、思い切ってカットするのもアリですけどね(笑)。 






 それでは今回はここまで。

 次回は洞窟に避難する辺りから追っかけていきます。



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