③ミドルⅠ:タイムマシンで移動中 から 各メンバーに役割が与えられる辺りまで

 ココからはミドルフェイズに突入。

 今回説明するのは大体以下のシーンになりますね。


・タイムマシンで原始時代へ向かう

・到着してからのイベント

・みんなで楽園を作ろう! その①




●タイムマシンで原始時代へ


 のび太の閃きで「自由な土地がたくさんある時代」へ向かうため、タイムマシンに乗りこむ一行。

 新版でもタイムマシン(AI)と会話する演出がありますが「人間がいないくらい昔」と伝えてもそんなデータはないと返されてしまいます。


 そこでスネ夫の出番。「化石やらによれば3万年前までは居たらしい」

 それにしずかが「もっと前からいたかもしれないわ」と続きます。

 ダメ押しでドラえもんが「そうそう、なんならもっともっと昔から~」と数字付きで口にするのですが、旧版だとのび太が1年ずつ足していた時とは大分違いますね(※1)。

 

 行き先を決めるために会話を続けていると『日本誕生』のスペシャル現象時空乱流が発生します。なんと、新版ではタイムマシンのターボ機能を作動させて全力疾走する演出になってるではありませんか!(驚)


 あまりにもスピードが出過ぎているのか、のび太・スネ夫・ジャイアンの三人の身体が完全に浮いており、手だけでギリギリ捕まっているような状況です。どれだけ危険な状況なのかが伝わりますし、ターボ機能が出てくる事で絵面的にも特別な事をしている感がわかります(※2)。


 時空乱流を乗り越えた後は、ワープ演出みたいな表現で一行はタイムトンネルを通過していくのも面白いですね。




(※1):このやり取りに関してはあえて原作の小ネタをカットした形でしょうか? 特別伏線といった様子もなさそうです。


(※2):最後はターボが煙をふいて故障寸前といった感じですが、時空乱流を乗り切ったのでセーフ! このターボが力尽きる演出に関しては後々の伏線にはなっていません。とはいえ、個人的にはこの故障によって再び時空乱流と遭遇or通過するシーンが尺的にあってもいいのかなーと思ってみたり。

 ギガゾンビと戦うためには、危険を承知で時空乱流の向こう側に行かなきゃいけない。とかね(笑)。




●到着してからのイベント


 タイムマシンが飛び出した先は原始時代(※3)。

 近くの地面に着陸して(※4)から楽しげに降りた一行の前には、大昔の美しい自然&誰もいない自由な土地が広がっています。


 そんな家出先をどういう場所にしたいのか。

 男子組が現代的かつ夢のない(笑)意見を出す中、紅一点のしずかちゃんがメルヘンチック&夢いっぱいの意見を出します。ドラえもん的にはそっちにビビっときたようなのですが、ジャイアン&スネ夫は不満そう。そのため勝手にその場から離れていきます。


 そしてイイ感じの岩場で記念撮影をパシャリ。その時ジャイアンの頭に角が生え――たわけではなく、背後にはバイソンが!!(※5)

 逃げ出す二人でしたが野生のバイソンから逃げ切れるはずもなく、角でかちあげられて(※よくケガしないなw)からバイソンの背中に乗っかり振り落とされそうになります。そこから「まったくもー」という感じでドラえもんのひみつ道具で追っ払ってもらう流れは変わりません。




(※3):おそらく新版からだと思いますが、タイムマシンで目的地に到着した時の演出が変わっています。昔のドラえもんは空中に穴があいて、そこからキャラ達が出てくる演出でした。タイムマシンはタイムトンネル内に係留してあるような感じです。

 一方新版はタイムマシンが直接穴から飛び出して大地に降り立ちます。確か『のび太の恐竜2006』でも同じような演出だったのでわさびドラからの変更点なのかな? タケコプターには劣るでしょうが多少なら移動も出来ると思われます。



(※4):この着陸した後にさらっとクライマックスの伏線となる演出が発生します。タイムマシンをひみつ道具「どんぶら粉(こ)」で隠すというものです。詳しくはクライマックス時に解説を挟むと思いますが、本来攻撃的な用途ではない道具を上手に使うのは意外性のある素晴らしい手法ですし、ココも後のも完全新規な追加部分です。

 

(※5):旧版ではサイでしたがバイソンに置き換わってます。んー……大昔の日本にサイはいないという判断とかでしょうか? 現代におけるサイの分布はアフリカ大陸やインド北部らしいのですが、寒冷地域にはいないようですから。



●みんなで楽園を作ろう! その①


 ココからは楽しい楽しい楽園創造ターイムです。

 原始生活セットを始めとしたたっくさんのひみつ道具によって楽園が作られていきます。

 各キャラに割り振られた役目(大臣・長官)に変更はなく、ドラえもんが監督役で見まわるのも一緒。


 絵的に面白い場面としては、らくらくシャベルで掘り進めるジャイアンが背景に長く映っているところでしょうか(笑)。手前側でキャラが喋ってる間、モリモリと洞窟が掘られていきますね。


 衣食住の充実は他メンバーに任せて、のび太にはペット大臣の役目が与えられます。この役目は作品的に非常に重要な物なので変更はありません。


 が、ペットを生み出す過程に1つ演出が追加されます。


 ペガ・グリ・ドラコの三匹を生み出すためには動物アンプルを2つ以上組み合わせる閃きが必要なのですが、のび太がそれを思いついたのは川辺にあった「絡み合う二つの木」がキッカケだった事になります。


 『日本誕生』ではここぞという場所で天才的な閃きを発生させるのび太くん。ぐずでのろまな評価(※6)が先行しがちですが、いざという時には活躍する「やれば出来る子」ですね^^





(※6):新版ではのび太に対するストレートな けなし言葉を始めとして、登場キャラのひとつひとつの言動や表情から「のび太は役に立たない」「愚図だからな~……」といったネガティブな諦めみたいな物が消えてる印象があります。公開時の時代に合わせた変化と言えそうですね。

 





 

 今回はここまで。

 次回は 家出したのび太を心配するママ+理解してくれてそうなパパ が登場する追加シーンからになります。

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