⑫ミドルⅩ:現代に戻って驚愕の事実が発覚 → 再び囚われてしまったヒカリ族(今度はククルも一緒です)

 盛大な宴が終わった後、どうやらドラえもん達はホームシックになったご様子。

 楽しい家出も長く続けば足りない物があると感じ始めたのか「テレビ観てないなぁ」「母ちゃん心配してるかなぁ」と口々に現代の物が出てきます。


 今回2回目の原始時代行きは元々の予定もありましたが、ククル(ヒロイン)を助ける目的が出来たからこそ大きな意味がありました。けれどヒカリ族を救出したからにはその理由も無くなっています。


→ 大きな目的達成による目標の消失



「いっぺん帰ってみる??」

「来ようと思えばまたいつでも来れるじゃない」


 そのドラえもんの言葉で、一行はまた原始時代を離れる決断をします。

 ヒカリ族&ククルとも一旦お別れしてタイムマシンへ。




●一方その頃ツチダマは……


 復活したツチダマは主たるギガゾンビのいる「トコヤミの宮」へ戻っていました。

 建設に必要な人でを奪い返された報告を受けて怒りを顕わにするギガゾンビ。ツチダマが「不思議な力を使うタヌキのようなヤツ」がいて精霊大王ドラゾンビを名乗ったと伝えますが、そんなの知ったこっちゃありません。


 悪いボスの鉄板演出。どこにいようと必ず見つけてみせるを言い放ち、遂にギガゾンビ本人が動き出すのです。



→ 黒幕の登場。表舞台で動きだす示唆。





●7万年の時差ボケしてる場合じゃない!


 学校に行ってる間は眠くてしょうがないのび太くん。いつものように先生の「廊下に立っとれ―!」が発動しますが、今回はジャイアン・スネ夫も一緒です。当人たちはコレを7万年の時差ボケが抜けないと称しています(笑)。


 その時差ボケ中、のび太はどこか浮かない表情。やっぱり原始時代が気になって仕方がない状態で家に帰ると、難しい顔をしたドラえもんがなんか分析装置とにらめっこしています。


 装置に乗っているのはツチダマのパーツ! 人語を喋り衝撃波を放つ空飛ぶ土偶。明らかに異質な存在を調べるため、ドラえもんはパーツを持ちかえっていたのです。


「これを見て!」


 取り出したハンマーでパーツを粉々に叩き割るドラえもん。

 するとどういう事でしょう。割ったパーツが徐々にくっつき、最終的には元通りの形に戻ってしまったではないですか。


 視聴者はツチダマ復活を知っていますが、ドラえもん達は再生能力を見ていませんでした。ですが調査によってツチダマの身体が形状記憶セラミック(※1)で出来ていると判明。

 つまり……ギガゾンビは原始時代ではあり得ないレベルの技術ナニカを持っている可能性が激増します。


 皆に新たな事実を知らせて、一行は急いでククル達のところへGO!

 こうして最後の冒険が始まるのでした。



→ 新たな動機の構築、敵を倒せていなかった+ギガゾンビ(ラスボス)の脅威度が上昇




(※1):特に作中で解説は入りませんが、形状記憶合金のセラミック版と思われます(笑)。セラミックの原料には粘土がある → ツチダマは粘土の化物 → 形状記憶合金ならぬ形状記憶セラミックという発想ですかね。あるいは未来に存在する物質なのかもしれません。



 


●この時点で

 

 正確には2回目に来た時からですが、ドラえもん達の当初の目的である「家出」は動機としての役割を半ば終えていて、3回目の原始時代行きでは完全に「ヒロインを救うための冒険物語」に変化しています。

 壮大な家出がキッカケひとつで壮大な冒険へと変わる様はとってもスムーズ。この項で説明している物語の段階で「はよ家出続けよーぜ?」と考える視聴者は ほぼいないでしょう。


 それからククルについてですが、彼もゲストキャラクターとしての役割をこの時点で9割方終えてしまっています。「特別なヒロイン」から「さらわれたヒカリ族の1人」とまとめてしまった感じで、全然ダメじゃないのですが……ちょいと勿体ない感もあり……。


 この辺に関してはまた後々の項でお話する予定です^^




 それではまた次回!


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る