幕間コラム②:敵の強さのデザイン
『日本誕生』では3種類の敵が登場します。
これをゲーム的な表現で書きだすと以下のようになるのですが。
・ギガゾンビ → ラスボス
・ツチダマ → 中ボス
・クラヤミ族 → 雑魚敵
大変わかりやすい事に上から順番に強敵かつ組織内での権力を持っています。腹に一物抱えているような輩もおりません。
これがジャンル:バトル物であれば特異なのが混ざってきたりもしますが、『日本誕生』(というかドラえもん全般)は戦闘に特化した作品ではないので基本いなくて問題ないです。
では、この3種類の敵の強さはどうやって表現されているのか?
基準としてはドラえもん側が扱う万能ガジェット「ひみつ道具」に対して、どう対応してくるかが重要になっていると思われます。
ちょいと順を追って説明してみましょう。
①クラヤミ族 (雑魚敵)の場合
クラヤミ族は凶暴で力が強い原始人なので、現代人の少年少女たるのび太達が「ひみつ道具無し」で挑むには危険すぎます。しかし、旧版ではドラえもんの浮遊する石からの雷には成すすべ無し。新版ではのび太達のショックスティック+タケコプターコンボの空中攻撃で割と簡単に倒せてます。
察するに、クラヤミ族は「ひみつ道具があれば負けない相手」であり「ひみつ道具の対処手段を持たない相手」としてデザインされているのですね。
ドラえもん達が本気になれば簡単に倒せちゃう、正に雑魚敵!
②ツチダマ(中ボス)の場合
ギガゾンビの忠実な部下ツチダマ。コイツは人語を解する(知能が高い)+衝撃波攻撃技を保持しているため、クラヤミ族よりも圧倒的に強いです。多分クラヤミ族が何百人いようがそもそもパラメーター的に勝てないぐらい格上。
厄介なのは「自己修復能力」! 身体がバラバラになっても元に戻っちゃいます。
これらの特徴によってツチダマは「ひみつ道具を使わないと倒せない相手」(表向き情報)であり、実は「適切なひみつ道具でないと完全に倒せない相手」(裏情報)であります。
数だけならクラヤミ族の方が圧倒的に上ですが、個体能力はツチダマくん超優勢。ついでに新版だと個体数が5倍になるというアップデートが入っており「リメイク版になったらもっと厄介になったんだが???」とツッコミたくなる強化が施されています(笑)。
倒すためには力押しではなく一手間が必須。
ツチダマは中ボスとして良い塩梅の敵と言えますね!
●ギガゾンビ(ラスボス)の場合
『日本誕生』っちゅーたらコイツ! なギガゾンビ様。おそらく『映画ドラえもん』各作品のボスと見比べても最強ランクの強さです。特に新版の方はマジツヨス(詳しくは新版の項で書きますね☆)。
ギガゾンビの強さの象徴は他の敵キャラとは一線を画します。
なんと「ドラえもんの上位互換」!!
終盤に判明する情報によればギガゾンビは「未来人」です。
しかもドラえもんが使った「時を止めるひみつ道具の効果を勝手に解除」し、「通り抜けフープの行き先を都合の良い方向へ変更」しています。あ、あとドラえもんが一撃で倒されてますね(笑)。
これらによって指し示されるのは「ギガゾンビにはドラえもんの秘密道具が通用しない」デス。
『ドラえもん』といえばひみつ道具なのに、あの最強万能ガジェットがそもそも効かない相手!(絶対無敵ではないけど限りなくソレに近い)。
特殊能力でいうなら「アンチ:ドラえもん」か「超耐性:ひみつ道具」? どちらにしてもヤバイ相手には違いないガチの強敵です。
私の記憶上では「あいつには手も足も出ない」なんて弱音をドラえもんが吐いたのはギガゾンビ相手だけ。なお、旧版限定です。
まぁ、その気持ちはわかります。自分のアイデンティティたる道具が効かないんですからね。勇者の剣で魔王に挑んだら「俺にその剣は絶対に通じぬ!」(真実)と言われたようなもんです(笑)。
かくしてギガゾンビの前ではドラえもんも無力。絶体絶命のピンチに陥る終盤が映えるというもの。
そんなラスボスをどうやって倒すの???
それこそが『日本誕生』におけるクライマックスの醍醐味でしょう^^
以上。
今回は敵の強さについてのコラムをお届けしました。
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