⑩ミドルⅧ:vsツチダマ → ペガ達を迎えに行ったけど……

 喋る土偶ツチダマ。

 ギガゾンビの部下たる土人形は衝撃波※1で攻撃してきます。会話は可能ですが交渉の余地は一切なさそうです。


 まさかの事態に逃げ惑う一行。岩陰に隠れながら慌ててポケットを漁るドラえもんですが、どうやらお目当ての道具が見つかったご様子。単身ツチダマの前に立って勝負を挑みます。


「こい! 粘土の化物!」

「いい度胸だ、タヌキの化物※2」

「…タヌキじゃない!」


 煽りあいはツチダマが優勢笑のようですが、衝撃波が放たれた瞬間、ドラえもんの手には攻撃を跳ね返すひみつ道具「ひらりマント」が!

 みずから放った攻撃を返されたツチダマは、直撃を受けて岩にぶつかってバラバラになります。勝利に喜ぶ御一行。


「でも、なんでこんなのが動いたり喋ったりしたのかな~?」


 少々疑問を口にしながらツチダマの右手パーツを眺めるシーンがありつつも、戦闘終了。

 ドラえもん達の勝利です!!



 中ボス戦の割には一発勝負のワンパン撃破。クラヤミ族 → ツチダマと連戦だった点を考えればコレぐらいがちょうどいい塩梅だったのでしょう。



(※1):この衝撃波には「岩をスパッと切断する威力」があります! 原始時代では有り得ない威力の攻撃です。人体にクリティカルヒットしたらドエライこっちゃで~。


(※2):猫型ロボットのドラえもんですが、多くの悪役に「タヌキ」だの「青ダヌキ」だの煽られるのが鉄板ネタです(笑)。そもそも青いタヌキなんておらんやろがいw と思わなくもないですが、ぷんすかするドラえもんが面白いので煽り言葉としては最高でしょう。



●ククル、家族と涙の再会


 予想外の敵はいたもののヒカリ族の救出は成功。

 もう二度と会えないと思っていたククルが家族と再会する感動的なシーンが展開されます。


 ククル達の喜びようにもらい泣きするドラえもん達。特にジャイアンが「俺、こういうのに弱いんだ~」と口にするのが印象的です。


 さて。ここでちょっとドラえもん個人としては少し困った事になります。

 「ドラゾンビ」と名乗って大立ち回りをしていたため、その光景を見ていたヒカリ族に「ドラゾンビ様」として崇められてしまうのです。


 ある意味身から出たサビ?

 ひみつ道具を説明してもわかってもらえないでしょうし、この後すぐに道具を使う事になります。説明の手間を考えれば「そのままでいいか」といった展開で進んでいくのも不自然ではないですね。


 すぐにしずかの提案によって、ヒカリ族は日本へ連れていくことが決定。

 どこでもドアで移動が始まります(※3)。


 まずは留守番しているペガ達のいるヒカリ族の村へ!

 残った人がいないのを確認して、ドアが消えていきます。



 っと、ココでカメラが向くのはバラバラになったツチダマ。

 どういうわけかパーツがプルプル震えだすと、カチッ、カチッと壊れた身体がくっついていくではないですか。


 「おのれぇ」とくやしそうにしながら飛び立つツチダマが山の向こうへ消えていきます。ドラえもん達の知らないところで謎と脅威を残しつつ、場面が切り替わります。




(※3):あれ? どこでもドア使えたの???

 そう思った人もそれなりにいたかもしれません。だったら中国大陸の行きで使えばよくない? とか。

 この辺、旧版『日本誕生』ではフォローが全くありません。新版ではバッチリ行なっています。まあ「アバウトな部分もあるから物語に沿って使われている」と納得できれば話は早いっちゃ早いんですが……それもどうなのかって話もありますね(苦笑)。


 あえて正解を出すなら「行きでは使えなかったが、帰りはデータ入力されたので使える」です。根拠は新版における同様の場面でそう説明されているからですね。

 設定面をスルーして考えるなら「だってたくさんいるヒカリ族を移動させる手段がないし」でしょうか(笑)。タケコプターはのび太くん達の分しかないし、送り届けたい楽園は2000キロも離れています。






●行方知れずになったペガ達


 ヒカリ族の村へ到着した一行はすぐにペガ達と合流できると思っていたようですが、彼らの姿はどこにもありません。多少の時間を貰って捜索するものの、手がかりひとつない状況です。


 この状況に一番悲しんだのは3匹のおかあさん、ペット大臣ののび太でした。

 他のメンバーも勿論心配してはいるのですがその思考は割かしポジティブ。


「心配ない、あの3匹は強いから」

「案外楽しくやってるかもよ」


 のび太を慰める+励ます言葉なのですが「やっぱり置いて行ったのが良くなかった」と落ち込むのび太が、むしろムキになってしまう。

 置いてけぼりにした+だから迷子になった+食料もない……。事実そのとおりかもしれない面があるため、のび太としては簡単に諦められないのですね。


 しかし、気持ちはわかるもののずっと探してはいられません。

 ドラえもん達にはヒカリ族を日本に連れていく義務があるからです。


 そう説得されたのび太が零した涙が、滝に吸い込まれるように落ちていきます。

 映画ではそこでシーンが閉じて次のシーンでは日本に到着しているのですが、そこへ至るまでにのび太がどんな葛藤をしていたのかは非常によく伝わります。ナイスシーン!


 


 それでは今回はここまで。

 次回は日本に村を作るヒカリ族のシーンからスタートです。

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