⑨ミドルⅦ:クラヤミ族との戦い → え、なんか人語を喋る土偶が出てきたんですけど??

 翌日。

 ヒカリ族を連れ去ったクラヤミ族を追う事になっていますが、正確な行き先がわからないと探せません。

 ククルによれば「北の方」に連れて行かれるらしいですが確証はない。


 となれば必然的に出てくるのがひみつ道具。

 その1つ「たずね人ステッキ」(※1)によって行き先を決めた一行ですが、ココで1つイベントが発生します。


「ここからはタケコプターで行こう」


 昨日までと同様にペガ達に乗ろうとしたメンバーに対してドラえもんが説明を始めます。

 ペガ達は目立ちすぎる。もしクラヤミ族に(先に察知されて)隠れられたら大変だから。


 その理由に納得した一行は、食糧を多めに残してペガ達を置いていくことにしました。

 最初は移動する主人達を追おうとする3匹ですが、のび太に「ついてきちゃダメ―!」と叱られたために悲しそうにしながらも言いつけを守る様子が描かれます。


 この場面については深く考える人程「なぜ?」と思ったかもしれません(※2)が、ひとまずペガ達とはお別れして追跡が続けられます。


(※1):映画版だと出番の多い定番道具。その名のとおり「尋ね人を見つける」効果を持ち、使い方は床や地面に立てるだけ。倒れた方向に探してる人がいます。ただーし、実は的中率70%なので過信は禁物だったりします。


(※2):この場面の説明だけだとちょいと物足りなさを感じる可能性があります。「たずね人ステッキ」で発見出来ないの? とか、強力な助っ人を離脱させて戦力ダウンじゃない? とか。とはいえそこまで考える必要がないシーンでもありますし、離脱の目的は「しばらく後にある再会のため」と見るのが妥当かもしれません。



●キャンプと獲物を仕留めた後を手掛かりに追跡!


 クラヤミ族を見逃さないように広大な森林を低空飛行で飛ぶドラえもん達※3。

 そこでククルが食べられた獲物の骨とクラヤミ族の槍を発見。その近くにはキャンプ跡もありました。


 ドラえもんの計算によれば、ククルの村が襲われたのは4日前。

 1日1回キャンプしたのであれば、@3ヵ所にキャンプ跡手がかりがあるはず。クラヤミ族達は徒歩で移動しているので、何倍もの移動性能があるタケコプターなら確実に追いつけるといった感じです。


 1つ、2つ、3つ。

 最後の4つ目を発見した際には、もう相手は目と鼻の先。一行は森林を抜けた先にある山脈へと向かいます。

 ようやく追いついた!


 と、ココで一気にクラヤミ族との戦闘が始まるのかと思いきや、一旦シーンが変わります。



●クラヤミ族に抵抗するヒカリ族達


 次に映されたのはザ・原人!(ゴリラ顔) な外見をしたクラヤミ族とさらわれたヒカリ族です。その様相は奴隷を連れていく乱暴者で、一目でどっちが敵かわかります(笑)。

 村を襲撃されたあと4日ほど歩きづめだったのでしょう。ヒカリ族の一部が疲れた様子で足を止めてしまいます。当然クラヤミ族は急かすわけですが、体力的にきびしそう。そうくれば暴力によって無理矢理移動させるのが定番ですが……ココで御輿?に乗った小さな布包みから異質な声が響きます。


「手向かう者、刃向かう者。殺して先を急げ。トコヤミの宮への道はまだ遠いぞ~」


 ギ~ガ~なんて特徴的な鳴き声を発した主は、どうやらクラヤミ族を率いているようです(※4)。

 命令に従ってクラヤミ族の戦士が反抗的なヒカリ族の処分にかかります。


 ククルの仲間達、ピンチ!


 しかし、その時。

 視聴者がよく知っている猫型ロボットの声が響きます!


「我こそは精霊大王ドラゾンビ!」


 皆の視線が声がした方へ向きます。その先には浮遊する岩に乗ったなんか怪しい恰好をしたドラえもんが!w(※5)


 ひみつ道具の力で空中から一方的に雷攻撃を繰り出すドラえもんにより、クラヤミ族は大慌て。リーダー格が石槍をぶん投げて反撃しますが、雷の前に石槍は粉々に。ビリビリバリバリと電撃を受けたクラヤミ族は持ち場を離れてどこかへ逃げてしまいます。


「やったーーーー!」


 近くで隠れていたのび太達が登場。どうやら戦闘はドラえもんに任せて隠れていたようです。


 よかったよかった。あとはこの後どうするかを決めれば――――。



『ギ~ガ~~~~!』



 いえいえ、まだコイツがいます。

 御輿?の中にいた謎の鳴き声の主。


 内部から布を弾き飛ばして現われたのは……土偶。

 ギガゾンビの手下、ツチダマ!!




 ここにきて不思議な土人形が登場です。

 それではまた次回。



(※3):低空飛行してる時にドラえもんが「木に気を付けて~」と言いながら自分が頭をぶつけたり、のび太が枝葉に突っ込んでマッパになる(※いや、そうはならんやろw的な)演出があります。この辺は追跡=移動してるだけの退屈なシーンにならないよう少しだけコミカル成分を投入してるのでしょう。このコミカルさは他のシーンでもちょいちょい見られますので、制作側としては子供向け作品の大事な要素として考えていたかもしれませんね。


(※4):横暴そうなクラヤミ族が平伏しているため、格上の存在・崇めている存在がそこにいるのが伝わります。サイズ的に人間ではないと予想出来ますので、視聴者には「なんだあれ???」と興味をもたせる意味も。メタ的にはボスがここにいるぞ~デス。


(※5):いつのまにそんな恰好に着替えたのさドラえもん! な場面です(笑)。

 なんかショックスティックの上位互換みたいな道具っぽいですが、名前も説明もありません。演出からして強力なのだけがわかります。

 真面目に考察チャレンジしてみますと、あの恰好は相手を威圧する役割があると思われます。よくわからん二足歩行の青ダヌキよりも派手な格好をした呪術師の方が相手がビビリやすい。もしヒカリ族の人々に指示を出す必要があってもあの恰好なら比較的言う事を聞きやすくなってくれたかも?

 まあ,単に面白がったドラえもんの趣味――という線もありそうですが(笑).

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