⑥ミドルⅣ:ククルとの出会い から 再び原始時代へ行って情報収集
『日本誕生』を前・中・後編に分けるのであれば、ココからが中編になりましょうか。
現代日本へ戻ってきたのび太達はいつもの日常に戻っていましたが、自分たちで作った楽園の事は早々頭から離れるものではありません。毎日少しだけ家出すれば良いと話したりしつつ、また原始時代へ向かう様子が演出されます。
一方ククルはと言いますと、のび太達が現代に戻った頃には野比家の屋根上に辿りついていたもようです。彼からすれば現代日本は未知のものばかり。さすがに人がいる屋内に入るのは躊躇われたのか、屋根上で悪夢を見たり遠吠えをしつつも体を休めていたようです。
ただ、さすがに空腹は我慢できなかったククルは野比家の冷蔵庫を空っぽにしてしまいます(中身は全部食べたのでしょう)。この辺りのククル視点は作中にはないですが、冷蔵庫の中身を食べたあとはのび太ママに見つからないよう二階の押し入れの中に潜んでいたのでしょう。
ジャイアンとスネ夫の二人がのび太の部屋で着替えていると、ククルは彼らに見つかってしまいます。言葉が通じない未開の地で緊張&興奮していたのか。ジャイアンとククルのとっくみあいがレッツスタート(※1)。
二人の戦いが決着する頃に、お使いに出かけていたのび太とドラえもん。そこにしずかも加わって「これはどういうことなのか?」と緊急会議――をする前に騒ぎを聞きつけたのび太ママが接近。
5人は気絶している謎の少年 (ククル)を連れて、タイムマシンに乗り込むのでした。
(※1):このとっくみあいですが、スネ夫が腕で顔を覆う画面が数回出るだけで実際どうなってるかは描写されません。おそらく時間短縮か作画の手間を省略したものと予想されます。カメラに映ってなくともスネ夫のリアクションだけで大体何が起きてるのか察せられる。地味に見えますが立派な技術です。
●拠点で時空乱流の説明が行なわれたり、調査が始まったり
ククルを安静にさせている間、ドラえもん達は「どうしてのび太の部屋に知らない子が???」という謎について話しあいます。ココでようやく行われるのが時空乱流の説明です(※2)。
要約すると、原始人のククルは時空乱流に吸い込まれて現代にはじき出されたのではないかと予測されています。コレについては見事に的を射ているのですが、ドラえもん達は確証を得るために調査を開始しました。
ドラえもんはタイムトンネルに観測装置的なものを設置して、時空の乱れを調べます。
しずかはククルを看護しつつお留守番。
残りの三人はドラえもんの指示で「念のため近くに人がいないか調べて欲しい」と頼まれますが、ジャイアンとスネ夫はのび太を置いて行ってしまったため、のび太は一旦ドラえもんについていく形です。
三つに分かれた一行。
一旦視点はドラえもん・のび太サイドに移り、調査の様子が映ります。しかし、その調査がのび太にとってはちんぷんかんぷん(同時に視聴者も詳細はわからない)。結果を急かすだけでは邪魔になるため、ドラえもんが「ペットはどうしたの?」と口にして、のび太は隠していたペガ達の様子を見に行くことに。
三匹が孵った場所に到着すると、なんとそこには立派に成長したペガ・グリ・ドラコがいました。のび太がペット達の成長を喜んだところでシーンは別の人へと移る。
ここは全キャラをグループに分けて1つずつ描写してますね。注目はのび太とペット達、しずかと目を覚ますククルの2つ。他のキャラも情報は得てますが、確認が取れただけなので重要度は低いですね。
情報収集※3を終えたら再び集合です。
ただその前に、ペガ達の強さを表現する活躍シーンが用意されており――――。
(※2):時の落とし穴、時空乱流。神隠しや実際にあった例の話を用いてドラえもんが説明しています。音楽のおどろおどろしさや絵の怖さも相まって かなり恐怖をかきたてる場面に仕上がっており、ククルがどれだけ怖い目にあったのかが視聴者に伝わったことでしょう。
(※3):既に視聴者が概ね理解している内容ではありますが、ドラえもん達はまだそれを知らないのでキッチリ描写されています。仮にコレがおろそかになると視聴者に不要な疑問を与えるかもしれませんね。映画開始から数十分以上、ここらで改めて状況を整理して視聴者に思い出してもらう意味もありそうです。
今回はここまでにしましょう。
また次回。
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