勘違い

1.卵です。

  今までは食パンさんから話しかけてくれるのを待ってたんです。

  でも今日は勇気を出して自分から話しかけに行ったんです。

  それで分かりました。

  食パンさん、やっぱりハムさんのことが好きなんですよ。

  もう私、食パンさんのこと諦めようと思います。

  私が話しかけに言った時、食パンさん何て言ったと思います?

  『ちょっとハムちゃんと話してくるからゴメンね』

  私、何も言えませんでした。

  もともと私はハムさんに勝ち目なんてないんですよ。

  レタスさんに相談することにします。




2.ハムよ。

  卵ちゃん、食パンのこと好きなんだろうな。

  さっきもドキドキした顔で食パンに話しかけてた。

  なのにあいつ何したと思う?

  『ちょっとハムちゃんと話してくるからゴメンね』

  いや、こっち来るなよ。

  卵ちゃん泣きそうじゃん。

  こんな奴のどこが良いんだか……。

  こっちに来たと思ったら色々聞いてくるし。

  ほんと何考えてんだろ。

  意味分かんない。

  それなのにあたしの好きな人は最近、あいつとよく話すようになった。

  そんなに仲良かったの?




3.食パンだよ。

  あれから、レタス君とよく話すようになったんだ。

  ハムちゃんのこと聞いてくるから、好きなのかも。

  だから僕はレタス君にハムちゃんのことを教えてあげようと思う!

  それで色々ハムちゃんに聞こうとしたらね、

  卵ちゃんが話しかけてきたんだ。

  でも僕はハムちゃんに聞かないといけないことがあるから断った。

  ハムちゃんのところ行ったら、ハムちゃんすごく怒ってるみたいだった。

  僕何かしたのかな?

  まぁ今は、レタス君のハムちゃんへの恋を応援することにするよ!




4.レタスだ。

  最近嬉しいことに食パンとよく話せるんだ。

  だから思い切ってハムちゃんのことを聞いてみた。

  食パンと仲良さそうに話してるから。

  そしたら色々と教えてくれたよ。

  はぁ、そんなに知ってるってことはやっぱり好きなんだろうな。

  ハムちゃんは俺みたいにひんやりはしてるけど水っぽくないしな。

  食パンだって、湿るの嫌だろ。

  お似合いなのかもな、ハムちゃんと食パン。

  俺の恋は始まる前に終わってたのか……。

  はぁ、ため息が止まらないぜ。

  卵ちゃんに話聞いてもらおう……。

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