1.5章 記憶達
狭間の記憶
とんでもない力を授かってしまった。
どうして私がこんな目に遭わなくてはならないのか。
私はただ、家族皆で過ごしたいという当たり前の幸せを願っただけだったのに。
きっとそうだ。
お父さんが私達に放った呪いの言葉。
あれがいけなかった気がする。
納得は出来ないが、それが私の役割なのは理解した。
いつか辿り着く幸福の為に記録をつけていく事にする。
1。
アギオ死亡。理由不明。
2。
アギオ死亡。理由不明。
3。
アギオ死亡。理由不明。
4。
アギオ死亡。理由不明。
5。
アギオ死亡。理由不明。
~~~~~
21。
アギオ死亡。理由はまだ不明。
22。
アギオ死亡。理由不明。
23。
アギオ死亡。理由不明。
24。
アギオ死亡。理由不明。
~~~~~
52。
アギオ死亡。理由不明。何故なのか原因が分からない。
53。
アギオ死亡。理由不明。
54。
アギオ死亡。理由不明。
55。
アギオ死亡。理由不明。
~~~~~
89。
アギオ死亡。理由判明。
お父さんが犯人だった。
どうして自分で呪いをかけときながらそんな事をしたのか。
思う所は多々あるが、やっと原因が分かった。
次回から説得に当たる。
~~~~~
101。
エクセレ死亡。理由不明。
アギオの死は一先ず回避した。
未来がやっと進んだ。
私のやって来た事は無意味では無かった。
この調子でこのまま頑張っていく。
~~~~~
103。
エクセレ死亡。理由不明。
104。
エクセレ死亡。理由不明。
105。
エクセレ死亡。理由不明。
106。
エクセレ死亡。理由判明。
犯人はアギオ。
107。
エクセレ死亡。
108。
エクセレ死亡。
109。
エクセレ死亡。
110。
エクセレ死亡。
111。
エクセレ死亡。
112。
エクセレ死亡。
113。
エクセレ死亡。
114。
エクセレ死亡。
115。
エクセレ死亡。
116。
エクセレ死亡。
どうして。
どうして殺しちゃうの。
~~~~~
131。
エクセレ死亡。
やっと分かった。
アギオは完全に異形化していた。
私ではアギオに勝てない。
協力者を募る必要がある。
次回からは人探しだ。
~~~~~
142。
エクセレ死亡。
アギオに勝てる人が居ない。
鎮静化させる事は不可能と判断。
心を支えてくれる人を探す。
~~~~~
162。
エクセレ死亡。
見つかったかもしれない。
最後の魔王の娘。
ククリさんをアギオに引き合わせてみる。
~~~~~
167。
エニスコス死亡。犯人不明。
また一歩進んだ。
合っているかは分からないが少し安堵。
まだ頑張れる。
犯人を捜す。
今度は家族じゃない事を願う。
168。
アミフィリア死亡。犯人不明。
未来が変わった?
169。
エニスコス死亡。犯人不明。
戻った。
前回はエニスコスと一緒に居るようにした。
今回はアミフィリアと一緒に居るようにした。
居なかった方が狙われる。
170。
エニスコス、アミフィリア死亡。
二人を一緒に居させればどうにかなると思ったが駄目だった。
だけど、犯人が分かった。
犯人はエクセレ。
いい加減にして欲しい。
どうして家族で殺し合いをしなくてはならないのか。
呪いの言葉は私以外に聞いていないのか。
どうすれば避けられるのか究明に当たる。
171。
エニスコス死亡。
172。
エニスコス死亡。
173。
アミフィリア死亡。
174。
死亡。
175。
死亡。
176。
死亡。
~~~~~
222。
駄目だった。
223。
駄目だった。
224。
駄目だった。
225。
駄目だった。
226。
駄目だった。
227。
駄目だった。
228。
駄目だった。
~~~~~
262。
駄目。
263。
駄目。
264。
駄目。
265。
駄目。
266。
駄目。
267。
駄目。
268。
駄目。
269。
駄目。
270。
辛い。
271。
駄目。
~~~~~
290。
駄目。
エクセレが執拗に家族を狙って来る。
誰かを守ると別の誰かを狙う。
何が目的なのか分からない。
今まで一番長い繰り返しに入った。
ここから抜けられるのだろうか。
エクセレも完全に異形化しているから会話が出来ない。
エクセレの異形化は止められない。
どうすればいいの。
これ以上家族が死ぬのを見たくない。
~~~~~
312。
分かった。
エクセレはアギオが死んだと思い込んでいる。
あの時、あの場で何があったのだろうか。
聞きたいけどディスティアは教えてくれない。
エクセレやアギオにも聞きに行けない。
でも、そうだ。
そういう事なら、エクセレの行動にも、アギオの異形化時の能力についても説明がつく。
エクセレは竜の身体を集めて、アギオを復活させようとしている。
不死性だ。
不死性や再生能力を持っている家族から身体の一部を分けてもらってエクセレに渡す。
今はテリオやエレオスから身体を分けてもらおう。
これから生まれて来る家族や、新しい力に目覚める家族にも少しずつ負担してもらおう。
~~~~~
~~~~~~~
~~~~~
2764。
お父さんが死んだ。
次はどうしようか。
少しずつ、家族の死に慣れて来たのが分かる。
ああ、もう自分の意思で戻る事が出来そうだ。
私が誰かを殺しても発動するのだろうか。
~~~~~
~~~~~~~
~~~~~
3962。
エニスコスを殺害した。
予知が出来るのにエニスコスは逃げなかった。
それが家族の為になるならと死を受け入れた。
発動はした。
私は何をやっているのだろうか。
~~~~~
~~~~~~~
~~~~~~~~~
~~~~~~~
~~~~~
10000。
記念すべき10000回目。
今回、私は自分を殺してみた。
能力は発動した。
これでもう家族を殺さずに済む。
これで自分だけで遡る事が出来る。
~~~~~
46322。
駄目だった。
あの日まで戻ってみたかったけど、そこまでは戻れない。
能力にも制約があった。
私が戻れるのは、この力を授かった時まで。
無駄だった。
過去は変えられない。
これから起こる事しか変えられない。
やり直しだ。
いつか幸福に辿り着けるのだろうか。
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