エピソード4 第12章~第13章
第12章 鬱
朝
ジン「俺達の家が…城がッ!」
キリア「ジン…」
ジン「キリア……」
キリア「リアンの元へは近づくな」
ジン「なぜ…」
キリア「………」
ジン「答えてくれ!」
キリア「…お前だけはリアン
あの光景を見ないでくれ…」
ジン「リアンは? どこに」
キリア「言わない…言わないぞ!!」
ジン「キリア!! 答えろ!!」
キリア「言わない絶対に…!」
ジン「そんなに…ひどい姿になったのか…」
「ならば 俺のこの力を使って!!」
キリア「ダメだッ! 絶対に!!」
ジン「ダメだと? リアンを見殺しにするのか?」
「あんな炎の中にいて今も焼き付くような
痛みに襲われているリアンをか!?」
キリア「………」
キリアは立ち去ろうとする
ジン「待てよキリア!」
ジンはキリアの腕をつかむ
その掴んだ腕は振りほどかれた
ジン「キリ…ア…」
キリア「どうして…お前は…いつもそうなんだ?」
「なぜ人が言ったことを素直に聞けない?
お前の為だと思って言っているのに!」
ジン「もう…子供じゃない…俺はもう
子供なんかじゃないんだ!」
キリア「………」
「いや子供のままだ何も変わっていない
ずっと…子供のままなんだよお前は!!」
キリア「そんなお前にリアンの姿を見せると
何をするか分からない…だから教えられない」
ジン「…そうか…ならもういい…」
ジンの言葉通りに キリアは立ち去る
キリアはミラーの所へ向かった
キリア「ミラー…リアンはどうだ?」
ミラー「もう意識は戻らないと言われました」
キリア「そうか…そうだよな…」
キリア「こんな姿なんだ…もう戻らない…」
もう戻らない アイツが目を覚まし
動くことなどもうない
………
ジン「傷も治せるこの力があるのに…
なぜ俺を頼ってくれない なぜ俺に!!」
「なぜ…俺を治せと…頼んでくれない…」
イヴ「お父さん 気付いてください」
ジン「イヴ……」
イヴ「お父さんのある力は 寿命を削る
だからジンを気遣ってるのです」
ジン「リアンは死んだわけではないだろ…
だったらまだ俺の寿命は減らない!」
イヴ「…違うんですよ」
ジン「イヴも…何か知ってるのか」
「教えてくれ! 何を知ってる!?」
イヴ「すみません…それは言えません」
ジン「クッ…!」
………
ジン「また来てしまった…ここに…」
海を眺める場所へと来ていた ジンは座る
ジン「なぜ俺の力を使ってくれないんだ
なぜ頼ってくれないんだ」
ジン「一体何を隠している…」
影では何者かがジンを
銃で狙っていた
ジンはアーリャを初めて見た時
アーリャが歌っていた歌詞を思い出しジンは歌った
ジン「なぜあの歌を思いだし…
歌ったんだ 俺は…」
???「………」
影で構えられていた
銃は下ろされ 立ち去った 謎の者は立ち去った
アーリャ「やっぱり 聞いてたのですねあの歌を」
「その歌ジンと…私にあってませんか」
ジン「そうだな 俺達にあった曲だ」
「俺がその海へ居て アーリャが俺を求めていた」
ジン「アーリャ俺は…正直者じゃない」
アーリャ「どうしたのいきなり…」
ジン「俺が身を投げた時 悪夢に苦しんだ事を
話さず 俺は一度ここで死んだ…」
「まあ…実際どうなのかは…分からないが」
ジン「………」
ジンは過去を語ったことにより
過去を思い出し ジンは涙を堪える
そして無数の手がジンを掴む
ジン「アーリャ…」
アーリャ「あなたの苦しみをイヴと私で
守ってあげるから…癒してあげるから」
アーリャはジンをぎゅっと抱く
…………
アーリャ(少し前の過去)
ルーシア「お前に呪いを付けたのは私だ」
アーリャ「…えッ!」
アーリャ「あなたも私と同じ無数の手を」
ルーシア「そしてアーリャ…聞いてくれ」
「我はお前の母親だ」
誰かがジンを殺しに来たとき
アーリャお前のその手で守ってやれ
魔の手であいつを
ジン守ってあげるから…ね…ずっと
………
1日後 昼
またジンは海を眺めていた
ジン「………」
アーリャ「また…ここにいるのね」
「皆には顔を会わせないの?」
ジン「俺は皆に取っては…
俺はやはり邪魔だったんだ」
「こんな…何も変わっていない!
いつまで経っても変わらないこんな俺が!!」
アーリャ「ジン…」
ジン「俺は…皆の役に立ちたいんだ…!
ただ役に立ちたいだけなんだ!!」
役に立ちたい…皆の…役に立ちたいんだ…
城が燃えたあの日以来
ジンに顔を会わす者はイヴ アーリャだけだった
キリア ミラーはジンを避けるように
隠れるように…ジンから姿を消していた
その日からジンはしばらく自ら傷付ける
行動を始め…それを止めるためにアーリャは
ジンからほぼ離れずに 隣にいた
そしてあの手から守るために……
帰る家 帰る城を失ったそのあと皆に
ミラーの屋敷へ泊まるようにと
そう伝えられていたが
ジンは屋敷へ行くことはなかった
夜
ジンはオルガの墓にいた
アーリャ「ジン?」
ジン「…なんだ…」
アーリャ「行かないの…ミラーさんの家へ」
ジン「…行きたくない…」
アーリャ「なぜ?」
ジン「…俺は役立たずだ
行ってしまっては…ただのお荷物なんだ」
アーリャ「そんな事はないよ ジンあなたは
立派な大人よ…村だって作れたじゃない」
ジン「アーリャが居たからできたんだ
居たから…作れたんだこの村を」
アーリャ「…ジン…」
ジンはオルガの名が刻まれている
石を手に触れる
ジン「…アーリャ…俺は分からない」
「あの幻覚が強く俺に襲い掛かったあの日から
俺は今生きているのか…これは現実なのか」
ジン「分からないんだ…」
「キリアに言われた言葉も現実で言われたのか
幻覚で言われたのか分からない」
ジン「俺のこの心はもうぐちゃぐちゃだ…
もう何を信じたらいいのか……」
アーリャ「大丈夫 現実よジン私はここにいる
あなたはちゃんと現実にいる」
アーリャはジンの手を握りそう言う
するとジンの腕から血が垂れる
アーリャ「ジン 見せて!」
アーリャは腕を見た
ジンのその腕は傷だらけだった
アーリャ「ジンなぜこんな事を…」
ジン「信じられなかったんだ…キリアから
あんな言葉を…俺の手を振りほどいたのが!」
「兄と呼べるアイツが…キリアがあんな事を
したのは始めてなんだ! 信じられなかった…」
ジン「だから俺はつらくて…この幻覚から
覚めようと…腕を傷付けて……」
アーリャ「……ジンお願い
もう自分を傷付けないで」
ジン「城が焼け落ちてから…キリアは
冷たくなった…あんなのは始めてだった」
「本当に…本当に信じられなかったんだ!!」
アーリャ「そんなにキリアが大事なの」
ジン「だってアイツは…!」
ジンはアーリャの顔を見る
アーリャ「私は大事じゃないの…
もう…勝手にして…ジン…」
アーリャはジンから離れた
ジン「この光景見たことがある」
「昔に見た光景…リアン達に置いてかれたと
勘違いしたあの光景…嫌だ居なくならないで」
ジン「アーリャ…! 離れないで…お願いだ…!」
ジンの震えたその声は
アーリャには届かなかった
ジン「アーリャ…待って… 行かないで…!」
ジンは追いかけようも震えた足では
走れず歩けもしなかった…
ジンは座りアーリャが見えなくなるのを
見るだけだった……
……
次の日 昼
ジンは皆の前から消えようと
船を盗みどこか遠くへと行こうとする
現実か幻覚も分からないならば
皆がいない場所に行けばいい そう考えて
しかしイヴの目からには逃げられず
イヴにすぐに見つかった
イヴ「戻ってください お父さん」
ジン「嫌だ…戻りたくない…」
「俺は本当に見捨てられたんだ…」
イヴ「見捨てなんていませんよ」
ジン「いや見捨てたんだ…」
もう勝手にして…
ジン「見捨てられたんだ…俺は…」
イヴ「お父さん…」
ジン「俺は…いつまでも子供のままだ
何も変わらない…いつもいつも同じことをする」
「子供のように同じことをするんだ
何も成長できていない…」
ジン「もう…終わりにしたい…」
ジンはナイフを出し戸惑いもせず
自分を刺したイヴの前で 海に身を投げた
ジン「…どうせ…これも幻覚なんだ…
イヴなんて…そこにはいない…」
「俺が創りあけだ勝手な妄想…幻覚だ」
ジン「本当に何も変わっていない…
こんなやり方をするなんて変わらないな……」
本当に変わらない 成長できていない
………
キリア「ジン…どうして…」
アーリャ「ジン…!」
イヴは濡れた格好をしてジンを持ち
帰ってきた 確かにイヴはそこにいたのだ
ジンの幻覚でも妄想でもなかったのだった
キリア「ジン起きろ! ジィイン!!!」
名を呼んでも反応はなかった
ジンは死んだ…自ら命を絶ったのだ
イヴ「私がいながらお父さんの自害を
止められませんでした…ごめんなさい…」
………
ジンの遺体は桶へと入れられ教会へと置かれた
そこへ包帯で包まれたウィータやってくる
ドラゴンソードを引きずり持って
ウィータ「ま…まだ…死ぬな!
目を覚ませ! 起きろヴァルアノ!!」
ドラゴンソードをジンに深く刺した
剣は紅く光るそしてジンを炎へと包む
ウィータ「俺達が持つ武器は白ノドラゴンに
与えられし武器だ!そして!!」
「白ノドラゴンにより作られた武器だ
武器にある力を身に取り込むことによって」
ウィータ「お前は再び目覚める!」
「新たな力を持って! 新たな身となり!!
ドラゴンとなる完全な力を得られる!!」
教会に不審者が入ったと報告を受け
そこにウルフとキリアが現れた
キリア「炎! ウィータ何をした!?」
ウィータ「まだ死なれては困る!!
だから最後の手段を取ったまで!!!」
炎が強い謎の風に打ち消された
その炎から ドラゴンが現れた
ジン?「グルルル…」
キリア「ジン…?」
ジン?「グオオオオオオオ!!!!」
ウィータ「ハ…ハハ…アハハハハ!!」
「ジンどうだ! これがお前の力だ!
お前がなるべき姿!そして持つべき力だ!!」
ジン「ガアアアアアアア!!!!」
ジンは教会の屋根を突き破り逃げ出した
キリア「貴様…!」
ウィータ「これが…これが目的だった
奴をドラゴンにさせることを!!」
「残るは…あとひとつだ…」
ウィータ「もうここには用はない!」
キリア「待て!」
ウィータもドラゴンの姿となり
壊れた屋根から飛び去った
キリア「ウルフ! お前は戻っていろ
俺はウィータを…奴を追う!!」
キリアは羽を出し飛び去る
教会に残ったのはドラゴン化した
ジンの抜けた白い羽がそこらを舞い
ボロボロに散った木
灰となった桶
それのみが教会に残った
空には飛び去った跡が空に刻まれていた
その日の夜はシヴァンが姿を消した
そして5日経った
………
ウルフ「母上…皆を探しに行きます」
ウルフは剣を持ってマルアナから去った
ウルフ「もう…夏も終わりか…」
???「待ってウルフ!」
ウルフ「レンそれにイヴさん…」
レン「私も連れてってほしいの! この子も」
ウルフ「しかし…」
レン「許可はもらってるの 構わないでしょ」
ウルフ「貰っているのなら仕方ない…行こう」
レン「ウルフどうやって見つけるの
やっぱりあの空の跡?」
ウルフ「ああ そうなる」
レン「ウルフ…久しぶりだね
またこうして旅をできるなんて」
ウルフ「ああ…そうだな…昔を思い出す」
「それにしては見ないうちに
態度が軽くなったな レン」
レン「やっぱり 母にも言われたんだ」
イヴ「………」
ウルフ「イヴさん 大丈夫ですジンさんを
見付けますから 必ずや!」
レン「そうだよ イヴ!」
ウルフ「さあ! 行こう」
空に残る跡に続きウルフ達は旅を始めた
まっすぐに奥に続く跡に向かえば
二人を見付けれると信じて
………
リアン「う…ぐッ…!」
ミラー「姉さんが意識を! 姉さん!!」
リアン「皆はッ! いるのかぁッ…!」
ミラー「いえ…」
リアン「城は…城はどうなった…!?」
ミラー「城は粉々になって 形も残っては…」
リアン「ミラー! 聞けぇ!」
「ウィータ…ウィータに気を付けろ!!」
リアン「アイツはジンを狙っているジンを
ドラゴンと化にして 連れ去ろうとしている!」
「そして城を燃やしたのはそいつだッ!!」
グレイン「そうか…やはり裏切ったか」
ミラー「グレインさん!」
グレイン「本来はジンに力を目覚めさせるだけで良かったんだ だがドラゴン化にしろとは…」
「何を眩み…裏切りを!」
リアン「ジンは…死者を生き返らす…力がある
それを…利用しようと…している!!」
グレイン「死者を生き返らす…そうか…」
「私は飛び去ったウィータ探す
リアンお前は安静にしていろ絶対に!」
リアン「できるか! そんなことを!!」
ミラー「姉さんお願い安静にして!」
リアン「なぜ…」
ミラー「ちゃんと自分を見て…」
ミラーは鏡をリアンに向ける
リアンは全身包帯だからで
包帯から見える肌は焦げていた
リアン「そうか…理解した…これは動けないか
皮膚は死んでいるな全身が…」
グレイン「…では私は行こう」
グレインは窓から飛び降りた
すると下からドラゴンが上へと飛んでいった
ミラー「あれが…ドラゴン化した姿」
………
少し前の過去
リアン「ウィータお前が現れてから
怪しいとは思っていた」
ウィータ「ダメ元で聞こう…ジンを渡せ」
リアン「フン、断る」
ウィータ「だろうな…俺は必要なんだ
ジンの持つ力を生き返らす力が!」
「やれぇ!!」
ウィータはそう言うと 火が付く
リアン「なに!?」
リアンは火に気を取られた
そしてウィータは太刀の鞘で
リアンを火の中へと押し込んだ
リアン「ァァアアアアアアアア!!!!」
現実
リアン「皆に話してから奴に近寄るべきだった
どうして私は一人で奴をッ!!」
ミラー「姉さん 落ち着いて!」
リアン「落ち着いていられるか!
奴は城を燃やしたんだぞ!!」
「ウィータはジンにとっての道を導く奴とッ!
そう勘違いをしていたようだ …!」
リアン「……なぜ油断をしたのだろう私は!」
「腕のドラゴン化がジンと同じだったのか
それか…あの光る腕を見たからなのか…!」
ミラー「姉さん後悔しても起こってしまった事はもうどうしようもないのです!」
リアン「……そうだな…ああそうだな…」
「とりあえず…ウルフも全て
一度連れ戻してほしい」
ミラー「はい…」
リアン「…体がヒリヒリする…
少し動かしすぎたか……」
………
ウルフ「鳥か…どこかで見たことが」
レン「これ…母さんの鳥よ!」
腕を伸ばすと 鳥は腕に止まった
レンは紙を取る
ウルフ「なんて書いてあるんだ?」
レン「ウルフ…目が覚めたって…」
ウルフ「何がだ…?」
レン「リアンさんが 起きたって!」
ウルフ「母上が!」
レン「それですぐに戻ってほしいと…書いてある」
………
ジン「うっ…ここは…」
ウィータ「ジン起きたか」
ジン「ウィータ…怪我は大丈夫なのか」
ウィータ「ああ…大丈夫だ…」
「頼みたいことがある ジン」
ウィータ「俺の失った者達を
仲間を!家族を!生き返らしてほしい!」
ジン「何を言って…!」
ウィータ「俺はグレイン同様…俺は苦しんだ
失うことに…消えて行く辛さに!」
ウィータ「お前の力ならば
やれるだろう やってくれジン!!」
ジン「その辛さは俺にも分かる…
俺だってそれを恐れていた…今だって」
「確かに俺は生き返らす事はできるだが
俺は生き返らさないぞ」
ウィータ「…なぜ!?」
ジン「生き返っても何年生きれるのかも
わからない それに…それに!」
「また失った事に苦しむだけだっ!!」
ウィータ「このッ! 恩知らずがぁああ!!!」
………
ウルフ「母上!!」
リアン「戻ったかウルフ…それにレンもイヴも」
ウルフ「目覚めたようで何よりです!!」
リアン「状況は知っているジンを連れ戻すぞ!」
ウルフ「指揮を取るのですか 母上!」
リアン「ああ そうだ」
ミラー「でも姉さん まだ起きたばかりよ」
リアン「体の事など気にするな!」
ミラー「……」
リアン「相手はどこにいるのか 分からない
相手はどこへ飛び去ったのか」
「探らなければならない
遠くへ行った可能性もある」
リアン「そうなれば時間も掛かる向かっている時移動してしまう可能性もある」
「そして早く着く方法は まず我々は空には
飛べない…ならばイヴに任せる」
リアン「イヴ ジンを見付けたとしても
一人では行くな まず我々に報告するんだ」
イヴ「はい!」
イヴは空に刻まれた跡に続き 向かった
………
数日後
イヴは偵察を終えマルアナへと戻った
イヴ「父さんが…父さんがっ!!」
リアン「イヴ…」
イヴ「父さんが! 早く助けないと死んじゃう…」
リアン「…イヴ…よく耐えたな…」
「さて場所は分かった…さあ行け!!」
あの場合へ!!
グレイン「見つけた…まさか
ここにいるとはな 竜王城にな…!」
キリア「お前もジンを探しに?」
グレイン「…… 魔王の血族か」
キリア「よく見抜いた…でも今戦い体力を減らす
訳にはいかない目的が同じならば」
「協力して行くべきだろう」
グレイン「フン…戦う気など最初からない
お前の名はキリアだろ」
キリア「ハハハ…お互い読めるって訳か」
グレイン「さて行こう…ジンを助けるために」
竜王城へと二人は入っていった
そして最上階まで上がった
そこにジンとウィータはいた
キリア「ジンッ!」
ジンは血だらけになって
ウィータの前で倒れていた
グレイン「ウィータ!!」
ウィータ「グレインさん…すみません」
グレイン「何故だ…何故裏切りをした!!」
ウィータ「死者を生き返らすと知ったとき
仲間や家族を生き返らしてやると心に決めた…」
「仲間や家族が失ったその日から俺は…俺は!」
キリア「お前も同じか…ジンと同じ
アイツも失うことを恐れている」
ウィータ「同じだから何だ!?ならばジンは
分かるはずだ失う恐怖を不安を!」
グレイン「生き返らしたとして…どうする?
またその…失う不安に狩られるだけだぞ」
ウィータ「同じことを…ああそうだ
そんなの分かっている…だが…」
「お前達には分からない…どんな別れをして
どんな散り方をして失ったのかをぉおおお!!」
斬りかかったウィータ
キリア、グレインは反撃をした
ウィータ「何で俺が…こんな目に!」
グレイン「ウィータ…」
ウィータ「やだ…いやだ! アイツ等と
会えないなんていやだぁあ!!!」
キリア「待てウィータ!!」
ジン「ウグ…は…はは…」
「1年前を思い出す光景だ…な…」
グレイン「ジン…大丈夫か」
ジン「グレイン…俺はドラゴンになったらしい
完全な体にドラゴン化となる完全な力を」
グレイン「こんな形でなるなんてな…」
ジン「ウィータも…俺と同じ事を
味わった者だった…」
グレイン「探す気か?」
ジン「ああ 探すさ」
グレイン「…お前は知らないのか…リアンが
どんな体になってしまったのかを」
ジン「なにッ!」
キリア「おい!」
ジン「話してくれ…詳しく」
キリア「仕方ない…話そう…」
「リアンは全身にやけどを負い
そして皮膚が死んだ体の皮膚も髪の皮膚もが」
ジン「クッ!」
キリア「意識も戻らないとも言われた」
グレイン「しかし意識は戻ったさ
ただ体が不自由になったには違いない」
「全身が火傷を負ったのだからな」
ジンは拳を強く握る
キリア「……お前はそんな顔をする
だから話したくなかった」
何も知らないままで良かったのに……
ジン「やっぱりアイツを ーー」
「殺す!!」
ジンはドラゴンの姿となって飛び出した
キリア「どうしてあいつはすぐ暴走する!」
グレイン「追いかけるぞ」
………
リアン「……ッ!」
リアンが何かに気づくと 大きな音がなる
リアン「戻ってきたか」
ミラー「…やっぱりキリアさんや
グレインさんを待っていれば」
リアン「戻ってくるとは予想外だった…
だが出発する前でよかった」
ミラー「それは…」
ウルフ「母上! 奴のもとへ行きます!」
リアン「待て…ウルフ私も行こう」
ウルフ「しかし…!」
リアン「ウィータとはかつて友だった
話はわかるはずだ」
ウルフ「わかり…ました」
ウルフはリアンを外へと連れていった
外にはドラゴン化したウィータがいた
ウィータ「リアン…お前…」
リアン「ウィータ戻って来たか」
ウィータ「なぜ意識を」
リアン「そんなもん私が聞きたい」
ウィータ「……」
リアン「ウィータ…お前は城を燃やし
私を炎の中へと押したな」
ウィータ「ああ…そうだな…」
リアン「お前はそのあとなぜ助けた」
ウィータ「それは…」
ウィータ「…キリアもリアンも友だった
だから無意識に助けてしまった…それだけだ」
「だがそんな話などどうだっていい戻った目的は
ジンを苦しめることだ この街を壊す」
リアン「ウィータ…いい加減にしろ!」
ウィータ「同じ事を味合わすだけだ ジンに!」
リアン「ウィータ…お前はバカだ…」
ウィータ「なに?」
リアン「…ジンをもう苦しめないでくれ!」
ウィータ「ッ!!」
ウィータにイヴが斬りかかる
それをウィータは避けた
ウィータ「貴様!」
リアン「私は怒っている…ものすごくな」
ウルフ「は…母上!」
リアンは全身を火傷を負ったにも
関わらず歩き出した
リアン「そしてこの怒りはこの場にいる
全ての者にも! ウィータ覚悟しろ」
周りには武器を持った兵士や住民がいた
ウィータ「人がドラゴンに相手を
歴史的な瞬間だな」
「だが俺はドラゴンだ人ごときに
負けるものか!! 書にはこう残してやる」
ウィータ「人はドラゴンに敗北したとな!」
リアン「それならば私達も同じだ!
負けてたまるか!」
リアンは包帯を取った
リアン「行くぞ…ウィータ!!」
ーーーーーーーー
第13章 過去と重なる悪夢
ジン「街が…皆が倒れて…!」
街には兵士、住民、そして
リアン、ウルフ、ミラー、
皆が死んでいた血を流し
ウルフは裂かれミラーは家に潰され
リアンは焦げ死に兵士は半分喰われ 裂かれて
戦った住民も兵士と同じ死に方となっていた
ジン「見覚えのある剣…まさかリアンなのか」
ジンは焦げ死んだ者の近くに
落ちていた剣を持った
血の付いた剣と ー
ジン「裂かれた死に方…竜王の時とッ!」
裂かれて死んだ者達その光景は
ジンのかつてのトラウマと似た光景だった
ジン「ガァッ!! はぁ…はぁ…」
キリア「ここにいたかジン」
ジン「キリ…ア…皆が…皆が…!」
キリア「帰ろうぜ俺達のいるべき所へ」
キリアはトラウマに似た場を見た
影響でジンは気絶した
キリアは倒れかかったジンを抱いた
そして始めてキリアは涙を流した
キリア「こんなに…震えて…」
キリア「心は完全に砕けてしまったようだな…
またあの時の様に戻ってしまった」
「また苦しむ悪夢にトラウマに戻ってしまった」
キリア「またこんな酷い光景を
見ることになるなんて…な…」
「ウィータ…お前は俺が今始めて憎んだ相手だ
お前だけが苦しんだと思っている!!」
キリア「許さない…お前を…決してッ!! 」
許すものかあッ!!
キリアは魔の姿となった またひとつ違った姿に
キリア「ウィータ…キサマを…
イケニエに…シテヤロル…!!」
キリア「ウィータ! ウィータアアー!!!」
キリアはウィータを探した
まるでジンの時の様に怒り…名を叫んで
キリア「ウィイータアアアァァァ!!!!」
………
ドラゴンズ・ストーリー4 前編 完
2020
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