エピソード4 7章~11章
第6章 かつて光であったもの
敵兵士1「ヒィー!!」
キリア「シャアーーー!!!!」
敵兵士2「魔族なぜ!?」
敵兵士3「人同士争ってる場合ではないぞ!」
アリアハン兵士も隣の国の兵士
もろとも倒されていた
キリア「教えてやる! 我は魔王!!」
「この哀れな地を我が物とするため
闇の世界から現れた!!」
アリアハン兵士「魔王!?」
敵兵士「魔王だって!?」
リアン「全員逃げろ!!」
「戦争をしている事態ではない!!」
そして両方の兵士達が撤退した
リアン「キリア…キリアがッ!」
ルーシア「…ッ!」
イヴ「…これは」
ウルフ「どうした?」
ルーシア「大きな力を持ったやつが現れた」
イヴ「一度城に戻った方がよさそう」
ウルフ「魔族ルーシア 戻るぞ!」
ウルフ達はジンの元へと駆けつける
ジン「ウルフ…どうした」
ウルフ「戻るぞ大変なことに
なったかもしれん」
ルーシア「ジン行くぞ!!」
三人は戻った城に
立ち去る三人をイヴは見ていた
イヴ「うぅ…悲しい…置いてかれるこの感覚…」
ミラー「イヴあなたはひとりじゃない」
イヴ「ミラー…さん…!」
イヴはミラーに抱き付いた
イヴ「うわーん!!」
ミラー「きっとジンも気付いてくれるはずよ」
「あなたがもう一人の娘だって」
イヴ「……」
ミラー「イヴ?」
イヴ「気付いてほしいけど 怖いの」
ミラー「え?」
イヴ「気付いても娘だって見てくれなかったら…
一体どんな目で見られるか…と」
ミラー「ジンはそんな目で見ないきっと」
「ジンは優しいから」
そうジンは優しいから
………(回想)
ジン「ほらミラー手を貸してやる」
ミラー「う、うん」
ミラー「うー、うーん 届かない!」
ジン「ミラー、ほら取ってやるよ」
ミラー「あ、ありがとう…ございます…」
ジン「困ったときは言ってくれ」
………(現在)
ジンは私の初恋でもあった相手
告白はしなかったけど…ずっと姉さんの
後ろでジンを見ていたから
大体の事は分かってるつもり
ジンは強がりそして寂しがり屋
人々たちの為に何度も立ち上がって
戦ってくれた人
イヴ「ミラーさん」
ミラー「うん…なにイヴ」
イヴ「泣いているの?」
ミラー「フフ、どうだかね」
「イヴ私達も頑張ってジンを助けましょうね」
イヴ「はい!!」
強がりな所ジンに似ています
まるでオルガにもそっくりな程に
イヴ「もしこれが終わったらどうしたら
いいのでしょう私は」
ミラー「ジンが娘として見てくれたら
家族として一緒に暮らしたらどうでしょう」
家族…家族…母さんごめんなさい…
母さん…ごめんなさい!ごめんなさい!!
イヴ「ミラーあなたも何処か我慢していたのね」
「今度はミラーさんが抱く番です!」
ミラー「イヴ…!」
魔とは思えない優しさ…初めて…
イヴ「イヴって名前はお母さんが付けてれたの」
「意味は私が幸せに生きる
ために付けたらしいの」
イヴ「私はジン以外にもこの幸せ届けたい!」
ミラー「もう…イヴったら」
ミラーはイヴの頭をワシャワシャと
乱暴に撫でた
ミラー「いい子よイヴ!」
イヴ「えへへ」
アリアハンへと城に戻った
ジン、ウルフ、ルーシア
ジン「リアン!」
リアン「ジン! 無事か!?」
ジン「ああ無事だ!」
リアン「お前が連れ去られたと聞き」
ジン「リアン…質問していいか」
リアン「なんだジン?」
ジン「なぜ俺に呪いをかけた!」
ウルフ「ジンさま!」
リアン「 な、なんの事だ?」
ジン「とぼけるなリアン!」
リアン「…わかったわかった ジンこっちへ」
ルーシア「ウルフ…お前はここに」
ウルフ「なぜ…!」
ルーシア「二人だけしか話せないだ」
ウルフ「クッ…」
ジン「話してくれ呪いをかけた理由を」
リアン「速攻に言うとお前に命の重さを
知ってほしかった」
ジン「なにッ!」
リアン「お前は暴走する度に人を殺してしまう」
「ただ生きているのもなんだ ジンよ
その死者の恨みを受け生きよ」
ジン「リアン…」
リアン「苦しんでいろとの意味ではない」
「その辛さを知ってほしいんだ」
ジン「…ああそうだな
俺はいつも殺してしっていた」
「昔暴走したとき天使がそばにいながら
罰は与えられなかった…」
ジン「リアン…ありがとう…変わりに罰を与えて」
「でも…さすがに辛いものだ恨みの人々は
苦しんで死ねとそう嘆く」
リアン「まあ恨んで死んでいったんだ
そう言われて当たり前と言ったところだ」
ジン「この恨みの呪い…解けないのか」
リアン「解けるといえば解ける…が」
「契約は解くことになる ルーシアとの」
ジン「それはッ!」
リアン「そんな顔はするな消えて
無くなるとはいってない」
ジン「そ、そうだよな!」
リアン「………」
ジン「リアン?」
リアン「話は終わりだ次に行こう
キリアが魔王と名乗り出た」
ジン「な、なにぃ!!!」
リアン「私も驚いたさ…」
「一体何を企んでいるのか…
分かればいいのだが」
ジン「キリア…なぜ…」
なぜなんだキリア
キリア「これで戦争は防げたようだな
さて…魔物を呼び起こしそして」
「しばらく名を借りるぞ親父…」
イヴ「…ダメだよ」
キリア「ッ!」
イヴ「ジンを裏切ったらダメ」
キリア「お前は…あのときの」
イヴ「ジンは苦しんでいたでもねあなたが
現れたら苦しみから少しずつ和らいでいた」
「ジンはあなたが必要なのお願い」
キリア「…なぜそこまでジンに関わる」
イヴ「私は人と魔と魔の間で生まれた
その人と魔はジンから来ているの」
「どうやら暴走したときに魔の女性に
手を出したらしくその間で生まれたの」
キリア「そうか…ジンの娘か…」
「…お前は辛くないのか」
キリア「人でも無く魔でもない
不完全な存在であることが」
イヴ「私は辛くないよ…どう生きていくかは
もう決めてるから」
キリア「そうか…俺はさっき決めたんだよ
魔王の血族として繰り返すと」
「でも苦しめて殺しはしないあいつらに
終わらしてもらう…つもりなんだ…あの手で」
イヴ「でも…」
キリア「だったでいいさ…だが今変わったよ」
「俺がいなくなったら和らいでいた苦しみが
強くなりジンを襲うとしたら」
キリア「俺はまだそばにいるしかないからな」
「……でもなまだこれをやめるつもりはない」
イヴ「理由を聞いてもいいですか?」
キリア「魔物が消えたせいで戦争を始めた
それを永遠にやらせないためには魔物が必要だ」
「俺としては人と人は何があっても
争ってはいけないのだ!!」
キリア聞いてくれもしお前が
何かしらの危機が迫ったとき
私達の力が目覚める
目覚めたら魔物を増やせ
人と人の争いを避けるために必要だ
頼んだぞキリア
キリア「(あれが父の最後の言葉だった)」
「(何としても避けさせる争いを!)」
……
リアン「………」
ルーシア「リアンどうした?」
リアン「…しばらく留守にする」
リアンは城を出たそして
アリアハン城の出口の門にてルーシアと
ばったりと会ってしまう
ルーシア「リアン!」
リアン「お前の正体を話して
襲わせて悪かったなルーシア」
ルーシア「どこに行く気だ?」
リアン「少しそこらを回るだけだ…」
ルーシア「嘘をつけ!」
リアン「……」
リアン「…そうだ嘘だ 私は嘘は苦手だ」
ルーシア「……」
リアン「ルーシア私はあの場合に行こうと思う」
ルーシア「…ッ! 行くなリアン!」
「そこには行くな!」
リアン「その焦りルーシアらしくないな…」
ルーシア「我は…」
リアン「もし私が私でなくなったら…
お前の手で終わらせてくれ」
ルーシア「何を言う!」
リアン「キリアを止める それにはあれが必要だ」
ルーシア「ちぃ!」
門の前へと立つ
リアン「何をしている」
ルーシア「ここから外へと出さない!」
リアン「そうか…なら仕方ないか」
「力ずくでも出よう」
………
ルーシア「行くな…!」
リアン「手を抜いたな 本当にお前らしくない」
リアンは城を出た
森を超え山を超え3日もかけて
ようやく求める場所へ着いた
リアン「ここが…」
リアンのいる場所そこは
かつて何者かがここで魔剣を刺し力尽きたと
言われている場所だった
リアン「私は…あいつの為なら」
リアンは魔剣に近づく
リアン「あいつの…ためならば!」
そして魔剣を握った
リアン「魔に堕ちよう!!」
魔剣を勢いよく抜いた
一瞬、一瞬だけだった
全てが消えてしまう感覚がしたのは
???「その覚悟 聞き届けたぞ!!」
リアン「ッ!」
リアンに異変が起こる
リアン「あ゛あ゛あ゛ッ゛ッ゛ !!!」
「うああああああああ!!!!!!」
リアン「はぁ…はぁ…はぁ…」
「…………」
私は…誰だ…?
ジン「そろそろ教えてくれリアンに何が
もう3日も戻ってないだぞ!」
「怪我をして倒れていたお前なら
知っているだろ!?」
ルーシア「決めつけはよくないぞ」
ジン「…ッ!」
ルーシア「でもそれでいい」
ジン「知っているのか」
ルーシア「ああ知っているさ」
ルーシアは3日前の事を話した
ジン「何で黙っていた!」
ルーシア「……」
ジン「ルーシア!」
ルーシア「リアンの向かった場所、求める物は」
「かつて魔族が力尽きた場所だ
魔族は力尽きる前魔剣を地に刺し力尽きた」
ジン「リアンは魔剣を手に入れに
行ったって事か そうなのか!?」
ルーシア「そうだ…キリアを止めるために」
ジン「なんで行ったんだ くっそぉ…!」
ルーシア「お前に心配をかけたく
なかったんだろう」
ジン「心配を…知ったとたん俺はこれだぞ
心配をかけてるじゃねえかよ…」
ルーシア「…我のせいだ」
ジン「……」
ルーシア「場所を教えたせいだ口を滑らせてな」
ジン「ルーシア…その剣は何の意味がある」
ルーシア「リアンが求める剣
元々は聖剣だった…だが魔剣となった…」
「フン…まったくな話だ」
ジン「なぜそれを知っているんだ」
ルーシア「さあな…なぜだろう」
ジン「本当に殺し回っていた奴とは
思えないな」
ルーシア「…もうよせ 我は変わった
もう無意味な殺しはしない」
ジン「ルーシア…」
ウルフ「話は聞いた」
ジン「ウルフ…!」
ウルフ「この事態外へ漏れてしまうと
何が起こるかは分からない」
「この話は外へ漏れぬようにしましょう」
ジン「確かにな面倒ごとを投げ出し逃げた
なんて思われるとまずいしな」
ルーシア「今は王の椅子には誰もいない
となれば革命もあり得る」
ジン「絶対に伏せようこの事」
……
キリア「リアン…」
リアン「ウゥゥ…!」
キリア「お前が魔剣を手に取るとは
思いもしなかったぞ」
リアン「ウゥゥゥゥ!!!!」
リアン「ウァァァァァ!!!」
キリア「ちいッ!」
キリア「俺は侵略も支配も考えてなどいない!
だから戻ってくれリアン!」
「戦争を止めるために俺はこうなっただけだ!
戻ってくれリアン!!」
リアン「だあぁぁぁまあぁぁぁれぇぇぇ!!!」
キリア「グッ!!」
「その魔剣を破壊をしなくてはダメか
腕もしくは手のひら切り落とす事を許せ!」
キリアは魔剣からリアンを離すため
手を腕を斬った
キリア「再生ッ!」
腕を斬ったがその切り落とした腕は
切れた腕の元へと再生した
キリア「やっかいな!」
「仕方ない…許してくれリアン!」
第三の力を解放!!
「うおおおおおおおお!!!!!」
ルーシア「クッ!」
ジン「ルーシア!!」
ウルフ「血が!」
ルーシア「気にするな…こんなの!」
ジン「ルーシア…だんだんと体が血だらけに!」
ルーシア「リアン…お前に何が!」
ジン「リアン? もしかして契約の影響か!?」
ウルフ「だとすれば母上に何かあったのでは!」
ルーシア「……」
ルーシア「倒れるのは怖くない…
でもこの視界のぼやけは……慣れないな」
ジン「ルーシアおい!」
ルーシア「傷は腕ばかりだ、多分魔剣を
切り離そうとしているのだろう」
ジン「魔剣のあった場所 教えてくれ!」
ルーシア「あの場所…あいつを連れてけ」
ジン「あいつとは」
ルーシア「グッ…ァ」
傷はさらに増えて血が吹き出る
ジン「ルーシア! 早く教えてくれ!」
ルーシア「私が死んでもリアンは死なない」
命の盾みたいな存在だからな」
ジン「ルーシア…」
ルーシア「あそこはな人が行くような
場所じゃないんだ…リアンがたどり着いたのは」
「奇跡と言ってもいい ジンもしお前が
たどり着けず力尽きたら…我は…」
ルーシア「ジン! 絶対にあの魔族を連れてけ」
「あいつは役に立ちたいんだ」
ジン「あいつって誰の事なんだ!?」
ルーシアはジンの服をつかみ
自分の元へと引っ張る
ルーシア「お前を連れ去った子だ!」
ジン「なぜあの魔族を」
ルーシア「なぜアイツはお前の子だ娘なんだ
役に立ちたいんだ頼む連れてくと約束してくれ」
「そしてら場所を教える」
ジン「…娘どいうことだ!」
ルーシア「ウグッ!」
新たな傷から血が吹き出る
ルーシア「約束しろ!時間がない!!」
ジン「わかった約束する」
ルーシア「破るな絶対にな!」
ルーシアは場所を教えた
ルーシア「ミラー イヴを呼んでくれ」
ミラー「はい!」
キリア「また貴様か!」
リアン「ウウゥ…」
イヴはキリアとリアンを止めるため
二人の元へいた
ミラー「何で…来ないのイヴ」
「まさかあなたもそこに…?」
その頃イヴは
イヴ「私はあなた二人よりもずっと強い」
「人の力、魔の力、そして帝王の力
私は三つの力を受け継がれているだから強い」
イヴ「魔王の一族のあなたも負けるほどに」
リアン「帝王…力…」
キリア「リアン?」
イヴ「二人を止める絶対に…悲しませない」
キリア「小さな子に手を出すのはつらいが…
その力があるのなら不足はないな」
リアン「フウウゥ!!!」
イヴ「絶対に…負けない!」
三人はお互い立ち向かった 味方などいない
ルーシア「ミラー…どうした」
ミラー「イヴを呼んでいるのですが
来てくれないのです!」
ルーシア「…ッ! ちぃ…行ったか2人の元へ」
ルーシア「動ければ共に行けたのだが…」
ジン「…ッ!」
ジンもし必要となればいつでも私を呼んでくれ
そしてこれを肌から外さないように
ジン「まさかこれが役立つときが来るとはな」
「リュカさん来てください!」
ルーシア「それは…天のベルか…」
ジンは天のベルを鳴らした
すると光が現れたコツコツと
足音を立てジンの前へ立った
ジンは目を開けた
前に立っていたのは
四つの羽を美しい天使だった
ジン「リュカ…さん?」
リュカ「久しぶりだなジン
まさか呼ばれるなど思いもしなかった」
ルーシア「やはり貴様か!」
リュカ「イアお前も久しぶりだな」
ルーシア「その名で呼ぶな!」
リュカ「すまないルーシアだったな」
ルーシア「クッ!」
リュカ「それで何か用があるのだろう?」
ジンはこれまでの事を話した
リュカ「リアンがあの魔剣を」
「アイツがそれを求めるとは思えないな
私も同行するあの魔剣は危険だ」
ルーシア「その魔剣を壊さず持ってきてくれ!」
ジン「ルーシア何を」
ルーシア「お願い…だから…」
リュカ「そうだなあの魔剣は…元々は聖剣
壊すのも封印するのも勿体ない」
「それにルーシア お前が一番
扱い方を知っているだろ」
ウルフ「(元が聖剣の魔剣を求めている
それに扱い方はこいつが知っていると?)」
「(何を考えているんだ)」
森を越え山を越え あの場所へ着いた
そこはボロボロな場所だった
リュカ「…新たらしいな 傷が」
ジン「じゃあリアンはここで暴れて…」
リュカ「争った跡と言ってもいい」
ジン「それは…」
リュカ「魔が三人ここで暴れたってことだ」
イヴ「ウッ…クッ!…」
イヴは傷だらけとなって出てきた
リュカ「ほう…帝王の力…人の力…魔の力…」
「三つの力を持っている普通ではあり得ない」
リュカ「危険だこんなのに暴れては」
リュカは剣を出した
ミラー「ま、待ってください!」
リュカ「なんだ?」
ミラー「その…この子は! ダメです!」
リュカ「そうか…あれがそうなのか」
「ジンは知っているのか」
ミラー「はい、でもちゃんとは話しては…」
リュカ「なら今分からせよう」
ミラー「何を!」
リュカ「ジンいまお前に
知ってほしいことがある」
「この子はお前の娘だ」
ジン「またその話ですかッ!」
「俺は魔とヤったこともない記憶にもない
何かの間違いではないでしょう!」
リュカ「そうか…」
イヴ「て…んし…! ころ…されちゃう…」
リュカ「安心しろ殺しはしない約束する」
「私もジンを知っている
子供の時から手助けをしている」
イヴ「あな…たが…ジンの…守護天使…?」
リュカ「まあそんな所だ…さて」
「ジン! お前の子 娘だと言う証がある」
ジン「どんな証なんですか?」
リュカ「帝王の力がこの娘が
持っている事が何よりも証拠」
ジン「帝王の力? それは天界にあるはずでは」
リュカ「あぁ確かに今もある だがなぜか
その力がこの娘に感じるんだ」
「お前が帝王の力を手にし暴走したとき
女の魔族に手を出したのだろう ジン?」
ジン「そ、そんな事よりも
リアンを追いましょうよ」
リュカ「そんな事…とはなんだ?」
リュカはジンを睨む
ジン「…ッ!」
「娘ならもう1年前に殺されて
死んでいるんです! 1人娘だったんです」
ジン「……生きている訳が」
リュカ「そうだもう生きてはないない
でもお前が帝王の力を手にし魔と交わり」
「産まれた娘ならここにいる いま目の前に!」
ジン「魔と交わりを…俺が!?
魔に両親を殺されて故郷までもが失った」
「そんな魔なんて交わうはずがない!
魔それは恨むべき存在だと言うのに!」
ミラー「本当に…身に覚えはないの?」
ジン「ミラーまで…」
本当に俺が魔と交わったのか!?
暴走し意識がないときに!
……
女悪魔「本当に覚えてないの」
ジン「お前は…!」
「貴様! 今さらなんだ!?」
女悪魔「あなたが私を襲ったのよ」
ジン「え…」
女悪魔「ほら思い出して」
ジン「ッ!」
なんだ今のは覚えがない記憶は
まさか そうなのか?
あれが?
あの大量の死体の記憶が?
ジン「……」
「笑っている…人の首を持って…笑っている!」
お前が必要だ妻となれ
嫌だね絶対に!
断っても無駄だ
や、やめろ!
ジン「何して…俺はこんな事をッ!」
「こんな事をしていたのかぁ!」
かわいそうな人
ジン「…グズだ俺は…俺はぁぁあ!!!」
「殺してくれ…殺してくれぇええ!!!」
………
ジン「思い出した…全て…あの暴走の記憶を」
「あの女魔族の子だ…父は俺だ…」
「お前は娘と認めない」
ジン「お前は俺のために
助けようとしていたのか…ッ!?」
「人殺しで こんな俺をッ!
こんな…こんな俺なんかを!」
リュカ「ジン…お前!」
「人の姿じゃないぞ!」
ジン「…ッ!」
「こ、これは!!」
ーーーーーーーー
第7章 竜の血を継ぐもの
ジン「右腕がまるでドラゴンの様に!
それが顔の半分にまで続いてっ!!」
「リュカさん 俺はどうなって!」
リュカ「まさか…奴のことは知っていたが…
受け継がれる…ものなのか…」
ジン「知っているのですか!?リュカさん」
リュカ「あ、あぁ」
「色々とな…少しやかましいがな」
???「…そうだな」
影から何者かが現れた
イヴ「叔父さん!?」
グレイン「無事かイヴ」
ジン「お前は昔見たことがある!」
「確か予言を教えていた!」
グレイン「そうだな…1年振りだなジン」
ジン「1年前に会っていたのか!」
グレイン「気付かれていなかったのか…」
グレイン「まぁいい…
お前がそうなる原因は俺にある」
「私が奴の血を肉を喰らっていた原因でな…」
グレイン「話は 私が18歳の時…」
過去
グレイン「病で死ぬには数日もないなんて!」
「数日で死ぬと聞かされ俺は死に怯えた」
グレイン「死にたくない! 嫌だ!」
「死に震える俺にある噂が届く」
「ドラゴンを狩り血をすすれば
永遠の命が得ると」
「そのあとドラゴンのみを狙った」
グレイン「血を…血を!!!」
「ドラゴンを狩っては血を肉を喰らった
どんな見た目をしていようが…」
「当時の私にとっては見た目なんて
どうでもよかった」
グレイン「違うお前じゃない!!!」
「私は何度もドラゴン狩りを続けた
気付けば俺は人々にこう言われていた」
「ドラゴンハンターってな」
「まぁ当然だドラゴンなんて1人でなんて
倒せないと言われ続けたんだ」
「それを1人で倒していたんだ…何匹も」
「ある日俺は倒れた 目を開けるとやはり
言われる言葉は病で1週間も生きれない話だ」
「俺はそんな話はどうでもよかった
人に止められてもドラゴンを狩り続けた」
「またある日…ヤツが現れた私の前に自ら」
グレイン「白のドラゴン!」
白のドラゴン「貴様かたった1人で
ドラゴンを狩る人間は」
「そのドラゴンはこう言った」
白のドラゴン「見たところ貴様の命は2日も
持たないようだなそれなのに…無理をする」
グレイン「し、喋ったドラゴンが!」
白のドラゴン「それこそ我が求めた人間…
人だ ひとつ問おう」
「貴様は何故我々を狩る?」
グレイン「永遠の命…不死身を得るために…」
白のドラゴン「アッハハハハ!」
「面白い! 面白いぞ人間!!」
グレイン「笑うな…俺は死が怖い」
白のドラゴン「む…」
グレイン「死なないために求めてるんだ
不死身になるための血を!」
白のドラゴン「言っておこう人間
不死身となれば死も許されない」
「生きている限りお前を悲しむばかり
大人しく死んでおけ人間」
グレイン「人間よりも強いからって
調子に乗るなドラゴンがぁー!!!」
「俺は白のドラゴンに立ち向かった…」
現在
ジン「それでどうなったんだ」
グレイン「覚えていない」
ジン「なに?」
グレイン「目覚めたら俺は村にいた」
「村の前で倒れていたらしいんだ」
グレイン「でもこれでわかったあの
白のドラゴンは不死身を与えた」
「そしてそのドラゴンの血は
お前に継がれたんだ ジン」
ジン「俺が継がれた…」
グレイン「その白の鱗は当時見た
白のドラゴンとそのままに似ている」
「だからそうだと思う…」
ジン「でもあの血を飲んだかも分からないだろ」
「それにあの白のドラゴンが
不死身の血を持つのかも」
グレイン「ならばその腕はなんだ」
「確実に俺の中にある血がお前に
継がれたとしか思えん」
ジン「気になるんだ なぜお前の血が関係する」
グレイン「信じろ 私はお前の祖父だからだ!」
ジン「なに?」
グレイン「お前の祖父だ!」
ジン「信じられない」
グレイン「だろうな…でも本当だ」
ジン「でもなんでそんなに わかぃ…いやそうか」
グレイン「この姿は18の時から止まったまま」
「お前が帝王の力を手にしたときも
14の姿のままだったろ」
ジン「そうだったな…」
「信じられないが…信じることにする」
グレイン「だが、私よりも信じる者が先にいる」
「イヴこっちに」
イヴ「はい…」
グレイン「ジンこの娘はお前の実の娘だ
魔から産まれたお前の娘」
「これからお前の実の娘として見てくれ」
ジン「……」
お前は娘として認めん…
ジン「1年前…俺はあんな事を言ったんだな」
「娘として認めないって 許してくれるか」
イヴ「もちろん…許します…」
ジン「ありがとう…ありがとう」
グレイン「(フン、どこか昔を思い出す…
お前との出会いが支える言葉が)」
「死は恐れるものあなたが不死身なったのなら
これから死の恐ろしさを知ったあなたが」
「死を恐れる者達の助けになりなさい」
グレイン「(氷の天使…今も聞いてないな名を…)」
リュカ「白のドラゴンと戦ったあと…教えよう」
グレイン「知っているのか!」
リュカ「簡単に言えば白のドラゴンは」
「気絶したお前に血を飲ませていた
不死の血を持つドラゴンで間違いはない」
グレイン「そうか…」
リュカ「お前はまだ覚えているか」
「不死となれば死も許されない身が死ねば
その痛みと共にその場に生きることとなる と」
リュカ「去るときそう言ったんだ」
グレイン「ああ覚えているなぜかそれだけが
覚えていて不思議だった…でも知れて良かった」
「気のせいでもなく…勝手に思った
言葉でもなかったと伝えられた言葉と知れて…」
リュカ「とりあえず不死身ではないがな」
グレイン「そうだな不死身ではなく不死か…」
「白のドラゴン詳しいことは他に知っているか」
リュカ「白のドラゴンは我々の上に行く天の竜
であり同時に永遠の苦しみの竜とも言われる」
「そんな奴とよく戦ったものだ」
グレイン「死に焦っていた恐怖なんてなかった」
「天の竜 苦しみの竜か苦しみの竜でなければ
あの時 私は殺されていたのか」
リュカ「ああ、そうだな」
「あのドラゴンは力ある者 勇気ある者を
不死にし苦しみを与える」
リュカ「不死となれば近見の人が死んで行く
多分その苦しみを与えるのだろうな」
「よく分からないが」
グレイン「リュカは会ったことは?」
リュカ「一度会ったことはある」
「苦しみの竜とは思えないほど優しかった
まあ、天の竜としての顔だったのだろうがな」
グレイン「フン…そうか…」
リュカ「どうしたグレイン…」
グレイン「白のドラゴンは
あれを望んでいたのか…あれを見るために」
リュカ「グレイン…?」
グレイン「くっ…」
リュカ「大丈夫か?」
グレイン「大丈夫だ…こんなの慣れている」
リュカ「お前もトラウマを持つか」
グレイン「だな…まあ不死なんだ
何個か持って当たり前と言ったところか」
グレイン「とりあえず今は去ろう…
伝えることも伝えた」
リュカ「ああ…そうだな」
リュカはグレインの耳元でこう言った
リュカ「苦しみ耐えられなくなったら
いつでも呼べ 助けよう苦しみの記憶から」
グレイン「すまない でもこれでいい」
「不死となったんだ…罰として
受け続けよう苦しみの罰を」
リュカ「グレイン…」
グレイン「……」
グレインはそのまま立ち去った
そして木に隠れている者にこう言う
???「もうひと頑張りか」
グレイン「…本当にいいのか?」
???「表に出るのは慣れないが俺の様に
ジンの力を目覚めさせるなら…」
グレイン「お前は左腕に力を宿せるだっけか?」
???「ああ、ひとつ聞きたい
グレインお前はどのように変わる」
グレイン「両足から腰まで変わる…笑えるな」
???「だな笑える」
「ジンが右腕…俺が左腕…グレインは両足…」
???「何かがある感が半端ないな」
グレイン「揃えば完全な竜に
変身とやらになったりするかもな」
「フン、カッコ悪い…」
???「そんなことはない…協力で
竜にひとつになれるとしたら俺はとても嬉しい」だって俺はひとりだけと思っていたんだ…」
???「俺ひとりがこんな腕に…なると
思っていたんだ…でも同じ人がいたんだ」
「グレイン俺達は同じ不死の血を持つ同士だ
だからお互い協力をしよう」
グレイン「フン、言われるまでもない
あいつを頼んだぞ」
「ウィータよ…」
リュカ「さあ、二人を探そう」
ジン「そうしようか だがまずはイヴ
何があったか話してくれ」
イヴ「先ほどまでは二人はいました…」
……(回想)
キリア「なんだこの感覚剣と剣があたりこの痺れる感覚でもそれが気持ちがいいぃ!!!」
「そして相手の肌に剣が当たり切れる瞬間が
とても、とても!」
キリア「ッッ!!! 危ないもう少しで
飲み込まれるところだった!」
リアン「キリアァア!!!」
キリア「ッ! これはリアンの声!
それにこれは自分の本当の意思による声!」
リアン「私は…自分で魔剣を手にした
お前が魔に飲み込まれてから!!」
キリア「(リアンは俺が魔に
飲まれたとやはり勘違いを!?)」
「リアン! 俺は飲まれてなどいない
俺は勘違いをしている!!」
リアン「なにぃ!」
キリア「早く意思があるうちに手を放せ」
リアン「クゥッ! 離れない!!」
キリア「なに!?」
リアン「魔剣が手から離れないぃ!!!」
このままじゃ! キリアを殺してしまう!!
離れなきゃキリアから離れなければ!!!
キリア「リアン待て!!」
……(現在)
イヴ「それが起こったことです」
ジン「ありがとう教えてくれて」
「しかし勘違い…リアンが?」
リュカ「簡単に言えばこうか」
「キリアはリアンに話していなく
魔に飲まれたと勘違いをし」
リュカ「リアンが止めるために魔剣を手にした」
「キリアに勘違いと言われて手を
離そうとするが魔剣が離れなくなる」
リュカ「間違いはないな? これで」
イヴ「はい」
リュカ「魔剣が離れないと聞いたことはない
普通なら魔剣であろうが手から離れるが…」
「ここにあった魔剣かつて人間界に
現れ魔族が残した剣…調べてみるか…」
リュカ「ジン私は一度戻ろうリアンが
手にした剣を調べるために」
ジン「はい! 頼みます!」
リュカ「魔族が残した剣…知っていたが
詳しくは知らなかった 深く調べよう」
リアン「離れ…ろぉ!!」
魔剣「離れることはできない」
リアン「ふざけるな…離れろ!」
魔剣「ふざけてはいない」
リアン「クゥッ!」
ルーシア「もう…その辺にしておけ」
リアン「ルぅ…シア!」
魔剣「おお…主よ」
リアン「どういう…ことだ!」
ルーシア「さあ我 手に…戻れ」
リアンにしつこく付いていた剣は離れ
ルーシアの手の元へ飛んでいった
ルーシア「リアン…」
リアン「クッ…」
ルーシア「契約を外そう…リアン」
ルーシアは契約の紙を出した
リアン「ダメだ! それではジンの罪の罰がッ!」
「ありがとう 罰をくれて」
リアン「ダメだ…ジンの為にならない」
ルーシア「ジンはもう充分苦しんだ」
「もういいだろリアン」
リアン「だが…」
ルーシア「…もうやめよう…お願いだ」
リアン「……ハハ」
「…変わったな…お前は…」
ルーシア「1年間、ありがとう…」
そして契約の紙は燃えた
ルーシア「ありがとうリアン…そしてジン」
「お前達のおかげであの頃の目が覚めたよ」
「また会おう…」
キリア「起きたかリアン」
リアン「ここは」
キリア「洞窟だ どこかのな」
リアン「そう…」
リアンは魔剣を握っていた
アザだらけな手のひらを見た
キリア「城まで…距離がありすぎる
俺の魔力はあまりない そう長くは飛べない」
「…リアン?」
リアンは涙を流していた
アザだらけな手のひらを見ながら
キリア「そうか…しばらく黙ろう」
ルーシア「剣は我手に戻った…悪が必要なら
キリアお前ではダメだ…我…私がなろう!」
「竜王の娘として」
ジン「…ッ!」
ミラー「どうしたのジン」
ジン「いや…なんでもない」
ジン「(体のどこかが軽くなった気がする…)」
「ジンお前には呪いがある」
ジン「違う…よな…」
「死んでないよな…」
ミラー「ジン?」
ジン「違うよな…これも勘違いだよな!」
イヴ「(分かる…呪いが消えたどうなったのかは
分からないけど…死んでいない事を祈るぞ)」
天界にて
リュカ「見付けたこれだ」
「今より300年前魔と魔が人間界にて
争うと言う不思議な事が起こった」
「魔は剣を握りその魔と空で戦っていた
そしてお互いが空から落ちる」
「その剣はお互いが落ちた山の地に
刺されていた剣 それは聖剣であった」
「魔が聖剣を扱いその魔と
戦っていたとは不明のままである」
リュカ「前に見た魔剣と同じ…間違いない
リアンはこれを手に入れたのか」
「この汚れ黒く染まった魔剣となった聖剣を」
ルーシア「戦っていた魔は」
リュカ「ッ!」
ルーシア「ジンに粉々にされたとき
そいつに生き返された」
後ろからルーシアが現れる
リュカ「その剣は!」
ルーシア「元聖剣の魔剣だ」
「我は聖剣を使ったその300年前に」
リュカ「魔が聖剣を扱うなど不可能だ!」
ルーシア「それが可能だった…聖剣であった頃
これを使い人間の為に戦っていた」
「魔を倒していた…人間ために」
ルーシア「父が人間を憎むまでは」
リュカ「なに?」
ルーシア「父も…人間が好きだった」
「でも人の恋人が殺され憎んだ人を」
ルーシア「父も人憎むのなら…私も憎もうと
父と同じく人を憎んだ」
「でも自分に嘘は付けなかった
父に着いて行けずただ1人と…」
リュカ「…その父…竜王か」
ルーシア「まさに父は竜王だ
そして私はその娘だ」
ルーシア「…… もう一度ジンに会うのなら
教えてやってくれリアンは大丈夫だと」
「勝手に天界へと入ってすまなかった
いま去ろう」
リュカ「待て イア!!」
ルーシア「天界の空気も悪くなかったぞ」
魔剣でゲートを作り天界から去った
……
ルーシア「(ジンもリアンにも会わす顔がない
目が覚めたこの私に会わす顔など!)」
「あるものか…」
1日後
リュカはルーシアに会ったことを話し
かつて300年前に魔と戦った魔族だとも話した
ジン達はキリアとリアンに合流し城へと
戻っていった
ーーーーーーーーーー
第8章 新たな竜の血を継ぐもの
さらに2日後が経った
リアン「聞いてくれまた魔物が増えたようだ」
キリア「………」
リアン「いまから討伐へと出よう」
戦争はあの一戦で終え
しばらく戦争は停戦となった
またいつものような日常へと戻った
だが何か足りなさが心に残る
ジン「……」
ジンは風にあたる
ジン「………」
「ルーシア…なぜ帰ってこない…」
アーリヤ「ルーシアさんの事が心配?」
ジン「アーリヤ…」
「ああ もちろん心配だ…だって1年
共にいた仲間だ色々あったけどな…」
アーリヤ「でも…でもあの人は
娘を殺した本人よ…」
ジン「そうだな…でも俺はもういいと思う」
アーリヤ「なぜ?」
ジン「ルーシアは充分に反省はしている
だから俺は許す」
アーリヤ「私は…私はあなたが許しても許せない
娘を殺した! だからッ!」
ジン「アーリヤ…そうだな…」
「本当はそれが正しいだろうな
いや恨みも正しくもない」
正しいとは なんだろうな…
影でルーシアは聞いていた
ルーシア「そうだ…殺しに来てくれ…」
「娘の仇をお前達に取らせたい…」
ルーシア「待ってるぞ…ジン…アーリヤ…」
1日後
リアン「ジン見てくれまたあの現象が!」
ジン「また季節外れ か…」
キリア「この現象…!」
ジン「キリア?」
キリア「……何でもない気のせいだ」
そう気のせいだ アイツの訳がない
「私は待つ 雪を降らせてあなたを!」
キリア「…アイツは病で死んだ…
だからありえない」
ジン「キリア…?」
キリア「…ジン ちょっと俺…行ってくる…」
キリアは走り出した
ジン「キリア!?」
なぜ…向かう…もう生きていないと
分かっているのに…なぜなんだ…
キリア「でも…本当にお前なのか!?」
ヴィクトリア!!
ヴィータ「ここが…アリアハンか」
「…さてどうやって力を目覚めさせようか」
イヴ「……」
ウィータ「君も魔の1人か」
イヴ「ここに何の用?」
ヴィータ「ジンはいるか?
用があるんだ とても大事な」
気付けば色んな国には数名の魔に
囲まれ守られている
こんなこと誰が気付く?
近見にいる者が魔族なんて
ジン「キリア…!」
イヴ「父さん?」
ジン「イヴ! キリアを見なかったか!?」
イヴ「いえ私は見てないです」
ヴィータ「キリアなら先ほど
出口へ向かって走って行ったぞ」
ジン「…この辺では見ない顔だな」
ヴィータ「まぁそんな警戒はしないでほしい」
「同じですよジン あなたと」
ヴィータは竜の腕を見せた
ジン「何者だ!?」
ヴィータ「白の竜の血を持った1人です」
「俺はあなたの力を解放の手伝いを
しに来ましたよ その右腕のね」
ジンは剣を抜く
ヴィータ「先ほど言った通り
警戒はしないでほしいそして敵ではない」
ジン「右腕の力を解放してどうする?」
ヴィータ「その解放した力で手を貸して欲しい」
ジン「……」
ヴィータ「力の解放 これは
自分の為にでもなるはずだ」
ジン「…そうだな」
「(この力を解放せず 操れずいて帝王の力の
時のように暴走してしまっては…な…)」
ジン「名は?」
ウィータ「ウィータだ」
「しばらく俺にお前の世話にさせてもらう」
ヴィータ去っていった
イヴ「父さん良かったのですか?」
ジン「この力が自分の意思に操れる様に
なるのなら 構わない」
……
キリア「……お前だったのか あの雪は」
ヴィクトリア「昔言ったでしょ
雪であなたを呼ぶと」
キリア「そうだな…でも
なぜ生きているヴィクトリア」
「お前は病気で死んだはすだろ …俺の前で」
ヴィクトリア「…天に新たな生命を
与えてもらったのよ」
キリア「新たな…生命?」
ヴィクトリア「新たな生命あの白いドラゴンに
授かりし命…無駄にはできないもの」
ヴィクトリア「会えて早速だけど頼みがあるの」
キリア「頼み? 言ってくれ」
ヴィクトリア「アリアハンの国を
私の物にする手伝いをしてほしいの」
……
ヴィータ「まだ…信用はされていないが
何とか近付けたぞ」
グレイン「もっといいやり方は無かったのか?」
ヴィータ「説明は面倒だが…直接本人に
言い近付くのが早い」
グレイン「まぁいい また剣でも向けられたら
私に頼まれたと言ってくれ実際私の頼みだしな」
ヴィータ「そうしよう ではまた」
ヴィータ「…ジンが力を操れるまで
あいつは待ってくれるのか?」
「確かあいつは今トライスの王女だっけか?
最近そこと一戦をしたな…ならば足りん…」
ヴィータ「……ちぃ」
「時間が足りない…早く目覚めさせなければ」
あいつがこれで大人しく終わるはずがない!
ジン「キリア戻ったな」
キリア「ジンすまない…死んでくれ!」
ジン「キリア!?」
キリアはジンに斬りかかる
ジンの視界にはギリギリな距離で
止まった剣の刃が見えた
ジンは隣を見た 隣には長く曲がった剣を
持ったヴィータがいた
ヴィータ「お前は…あいつの下っぱか?」
キリア「下っぱではない…あいつは俺の友だ
ジンによりも上に行く大切な」
ジン「何を言って…」
キリア「ジン…あいつの願いを
頼みを叶えるためにリアンと共に死んでくれ!」
ジン「ッ!」
キリア再びジンに向かって剣を振る
ジンはヴィータにより後ろに飛ばされる
ヴィータ「ジン! 城へ隠っていろ!」
キリア「邪魔をするな!!」
ヴィータ「ジンには死なれては困るんでな
こっから先には行かせん!!」
キリア「フッ!」
ヴィータ「マズイ間に合わん!」
ヴィータた竜の腕で身を守る
ヴィータ「俺の竜の鱗に傷を!?
ありえん今までになかった 何者だ!」
キリア「… 魔王の息子キリアだ」
ヴィータ「ほうそうか 面白い来い!」
「白の竜により授かりし
太刀を使い貴様を斬る!」
ヴィータは竜の腕と化した
左腕の方の布を破り捨てた
そしてその竜の鱗は腕だけでなく
顔の半分にまで竜の鱗となった
ジンとリアン イヴは城の上の窓で見ていた
ジン「あれは! 俺と同じ!!」
リアン「どういう…」
イヴ「……」
キリア「…お前もジンと同じ!」
ヴィータ「キリアよそんな剣の振り方では
倒せん 教えてやろうこれが剣の振り方だ!」
ジン「…ッ!」
「ジン見ていろ!これが剣の振り方だ!」
ジン「似ている父さんに…そんなまさか」
リアン「ジン! 右腕が!!」
ジン「光っている! 腕が!」
ヴィータ「なんだこの光は!
俺の左腕はどうなって!」
ジン「ヴィータ…お前は本当に何者なんだ!!」
ジンは城のガラスを割り飛び降りた
そして地に降りるときふわっと衝撃が和らいだ
ジン「ヴィータ!」
ヴィータ「ジン」
ジン「この光はなんだ!」
ヴィータ「…わからん 俺も初めてだ」
キリア「ジン 俺の邪魔を…するのか?」
ジン「…ああ許せキリア いまお前が
どう思ってこうしているのかは分からないが」
「キリア…この城は俺の“俺達“の今帰る場所だ! 悪いがお前であっても奪いさせはしない!!」
キリア「…帰る場所か ならば守ってみろジン!」
「あの守れなかった村をッ
故郷を守るように守ってみせろ!!」
ジン「ああ…守ってやる!!」
「もうひとつも失わせない!!」
「守ってやる!! 全てを!!」
………
ジン「はぁ…はぁ…」
キリア「なかなか…やるな ジン!」
「いま思えばお前とこうして
剣を振るったのは久しぶりだな」
ジン「そうだな いつも俺が負けてたけどな」
キリア「今日は退こう…またなジン」
ジン「待てキリア!
なぜ城を奪おうとする!?」
「教えてくれ!」
キリア「言ったはずだお前よりも…
お前達よりも大切な人からの願いだ」
「その人の願いならば…お前であっても 斬る」
ジン「キリア……」
キリア「………」
キリアはそういい立ち去った
イヴ「キリアさんどうしたんですかジンさんの
側にいるはずではなかったのですか!?」
キリア「本当はそのはずだった…でも
そうでは入られなくなった」
「ジンにこう言ってほしい 許せと」
イヴ「……」
キリア「……」
イヴ「…やっとジンさんの苦しむものから
解放されつつあったのに…これじゃまた…」
キリア「そんなの分かってるそれでも
俺は行かなくてならない!」
イヴ「なぜそこまで…」
キリア「生きていたんだ…大切な人が…
だから俺はそいつの側にいなくてはならない」
キリア「そいつとの時間を大事にしたい」
イヴ「……」
キリア「だから…俺は…」
銃声が鳴り響く
それと同時にイヴは倒れる
キリア「ヴィクトリア!? なぜここに」
ヴィクトリア「迎えに来たの さあ帰りましょう」
キリア「ヴィクトリアすまない
アリアハンは取れなかった」
ヴィクトリア「また取りに来ればいい話よ
今日は帰って体を休ませて キリア」
キリア「ああ…そうしょう…」
イヴは血を流し倒れたままだった
胸に大穴があいていた
イヴ「まだ…死にたく…ない…」
「まだ死にたく…ない…!」
ルーシア「イヴなぜ…そんなことに」
イヴ「ルー…シア…さん」
血の付いた手をルーシアに伸ばす
ルーシアはその手を握った
ルーシア「お前…このまま
死ぬじゃないよなイヴ!」
イヴ「すみ…ません…
ダメな…ようです…」
ルーシア「イヴ!」
そしてその握られた手は地面へと落ちた
ルーシア「イヴゥウウ!!!!」
「誰がこんな事を…こんな幼い子に誰が!」
ルーシア「誰が殺ったあぁぁぁ!!!」
誰が殺ったんだあぁぁぁ!!!
ルーシア「………」
ルーシアは全体が変わり始めた
肌は白く髪も白くまるで白い鳥のように美しく
ルーシア「決して許さん…仇を取ってやる!」
………(夜)
イヴはアリアハン城の門にて発見された
ジン「なぜ…なんだ…なぜお前が」
アーリャ「ジン…」
ミラー「……」
リアン「………」
ウルフ「………」
シヴァン「………」
ウィータ「……」
この場にいる誰もが言葉を失った
まだ子供が酷い姿となって死んだ事に
ジン「オルガも守れず…イヴも守れなかった」
「何でだ…なぜいつも俺の大切な人ばかりが
失って行くんだ…なぜなんだ!」
ジンから墓で見つけた魔力の欠片が落ちる
リアン「ジン…何か落ちたぞ」
ジン「…ウルフの墓で見つけた…魔力の欠片」
ウィータ「ん、ジン それを見せてくれ」
ジンは魔力の欠片をウィータに渡した
ウィータ「これは…天使の魔力だ」
ミラー「天使の魔力?」
ウィータ「ああ もしかしたらこの魔力で
ウルフは生き返ったのかもしれん」
ウルフ「天使が俺を…?」
ジン「ならばこれを…
イヴに与えたら生き返るのか」
ウィータ「しかしその子は魔だ
確率は低い…」
ジン「分かっている…でもその確率にかける」
ジンは天使の魔力をイヴに与えた
するとサラサラと光が現れ
大きく開いた胸の傷はその光に
癒され傷は塞がっていった
光は傷を塞がって行くと同時に
ゆっくりと上へと向かい消えていった
ミラーはゆっくりとイヴの胸に手を置いた
ミラー「動いてる…心臓が…!」
ジン「…ッ!」
リアン「では本当に生き返ったのだな!?」
ジン「呼吸は!?」
ミラー「しています!!」
ジン「よかった…本当によかった…」
ウィータ「…安心はまだ早い」
「呼吸をしても心臓が動いても
意識が戻るかどうかはわからん」
ウィータ「後はイヴ次第だ」
ウィータは立ち去ろうとする
ジン「ウィータお前は本当に何者なんだ…」
ウィータは左腕と顔の半分が竜の鱗となった
ウィータ「これ以上守りたい者が
失いたくなければ 外へ来い」
「奥底へと眠る お前の力を目覚めさせてやる」
ジンはウィータ二人で外へ出た
ジン「ウィータどうやって力を目覚めるんだ?」
ウィータ「剣など使った行動はしない
ジンお前は何かを恐れているそれを解き放て…」
ジン「恐れ…そうだ…ずっと恐れていた
ひとりになることを皆が消えて行くのを!」
ウィータ「その恐れを 誰かの救いへと変えろ」
ウィータ「もしこの場で力が目覚めず
守れなかった事を考えてみろ娘や友の死に様を」
ジン「…嫌だ…皆が消えて行くゆくのが…!」
「守れず皆が消えて行くのが!!」
ジン「グォオオオオオ!!!!」
ジンの右腕は炎に包まれた
俺の恐れを…誰かの救いに変える…
また謎解きのような言葉を…
「でもいい言葉な気がする」
「まるでかつて救いを求めた者が
逆に救いを求める者達を助けるような言葉で」
ジン「これが…俺の中にあった力…」
「自身の力が目覚める時が来るとはな…」
ーーーーーーーーーー
第9章 過去を乗り越えて…
次の日
ジン「………」
ジンはゆっくりと目を明け
ベッドで座った
ジン「…静かな朝だ…」
「いつも…殴ってまで起こすやつがいた
でもそいつはどこかに…行ってしまった」
ジン「ルーシア…どこに行ったんだ…」
殺したくなったらいつでも呼べ
ジン「呼べば…来るのか…」
剣を持ち城の外へと出て
あの場所へと行った
あのジンが作り上げた帰る場所もない
者達へとジンが作った村に
同時にそこは娘オルガの墓でもあった
ジン「確かここで 一度戦ったんだよな…」
「またここに立つことになるとはな」
ジンは息を勢いよく吸いそして名を呼んだ
ジン「ルーシアァアアアアア!!!!!!」
ゲートが現れた
そこからルーシアが出てきた
ルーシア「ジン…」
ジン「…ルーシアなのか?」
ルーシア「この姿こそ本来の姿だ…」
「醜いだろう…白髪に白い肌が…」
ルーシア「ジン私を呼んだのは 殺すためだろ?」
ジン「……違う」
ルーシア「ジン…戻るつもりはないぞ」
ジン「なぜ」
ルーシア「お前達の親を殺した娘だから…
そんな私がお前達の場にいてはダメだろう」
ジン「それならばこっちだって同じだ
お前達もお前の父を殺した」
「ルーシア頼む戻ってくれ」
ルーシア「……」
「何度言おうが変わらない」
ジン「………」
ルーシア「………」
「すまないがまだその気でないならば
立ち去らしてもらう…仇を取らねばならん」
ジン「イヴのか?」
ルーシア「……あぁ」
ジン「仇と言うが イブなら無事だ」
ルーシア「無事だと?」
ジン「ああ…天の魔力の欠片を
使い生き返らせた」
「今は息を吹き返している」
ルーシア「ジン…死者を生き返らす事が
どれだけの罪なのか知っているか?」
ジン「イヴはまだ死ぬには若すぎる…
だから生き返らせた」
ルーシア「まあいい…なあジン
最後に見た時と何か変わったな」
ジン「俺から言えば…ルーシアも変わったな」
ルーシア「お互い変わったって訳か…」
ジン「そうだな…」
ジン「そういえば人間界でお前と会ったのは
ちょうどこのぐらいの朝だったな」
「そして血と火の海化としたここで」
ジン「もう…1年が経つんだな…あれから」
ルーシア「早いものだな…時が経つのは」
ジン「………」
ジンはオルガの墓へと向かって歩いた
ジン「昔オルガに助けられたことがあった
帝王の力を手にし暴走し虐殺をしていた頃に」
「あの暴走からオルガ助けてくれた
身が傷付こうが…何度も立ち上がった」
ジン「あの時はオルガよく頑張った…」
ルーシア「………」
ジン「はは…俺は何を語っているんだろうな」
ルーシア「ジン…頼む殺してくれ」
ジン「お前が死んでもオルガは帰っては来ない」「だからルーシア責任を持ってオルガの変わりに
長く…長く生きてくれ」
ルーシア「そんな言葉が来るとはな…
本当に変わったこの数日間で」
去ろうとするルーシアにジンはこう言った
ジン「…寂しくなったら戻ってこい
アリアハンへ ここがお前の帰る場所だ」
ルーシア「…ッ!」
ルーシアは言葉を返さず去った
ジン「………」
「そうだ俺は…俺達は失っても帰る場所を探した
俺はここを作りリアン達は城を継いだ」
ジン「ここを失った今でも俺は帰る場所がある」
俺は置いてかれた…
ジン「あれは俺の勘違いだったんだ」
「俺の…勘違いだったんだ…」
俺は皆に…見捨てられた…
ジン「全ては俺の勘違いだったんだ」
「俺は自ら皆から離れたんだ…
置いてかれてなどなかったんだ」
ジン「自ら離れたと気付かず
そう勘違いしたのは俺だ」
「気付けばいつだって皆がいた…そう今だって」
ジンは墓に落ちていた光った物に気付く
それをジンは拾う
ジン「アミュレット…これは母さんの
そうか…オルガも大事に持ってくれたんだな」
ありがとう…オルガ
失った時に気付くんだ…
恵まれていたんだと
ジン「何がひとりは嫌なんだよ…
バカかよ俺は…皆ちゃんと皆いるだろ」
「死んだからと言ってそこにいる訳ではない…」
「ちゃんとそばに居てくれてたんだ
オルガも母さんも…そしてみんなが!」
………
ジン「…いつの間に寝ていた」
ジンはオルガの墓に寄りかかっていた
ジン「戻るか城に」
アミュレットを握り
城へと向かった
ジン「ずいぶんと錆びたな…
このアミュレットは」
錆を取ろうと考えたが…やめておくか…
錆は俺としての思い出が詰まっている
この錆が出来るまでの出来事が
ジン「変だよな…そんな事考えるなんて」
……
ジン「呼んだか? ウィータ」
ウィータ「ああ…会ったときに
言ったこと覚えているか?」
ジン「覚えてるぞ 手を貸せ だよな」
ウィータ「そうだ 力も引き出した事だ
そろそろ俺の事情を手伝ってもらうぞ」
ジン「断るはずがない 言ってくれ」
ウィータ「ではまず…トライスにある
ひとつの城の者を討つ事だ」
「これには理由があるその城は
住民達を恐怖で支配している」
ウィータ「さらには住民達を
洗脳をして神の存在となりきろうとしている」
「そのふざけた欲望を止めたい
ジン!来てくれ」
ジン「いいだろう」
話を聞いていたリアンが飛び出してくる
リアン「ちょっと待て!」
「そのトライス国の事情など
こちらには関係ないだろ」
ウィータ「あるんだ…俺達しか止められない」
リアン「なぜ」
ウィータ「相手も俺達と同じだ
同じ半竜だからだ」
ジン「俺達と同じ者なのか」
ウィータ「ああそうだ」
「化け者には化け者をぶつけろ
良く言うやつだ」
ウィータ「リアン女王 頼む」
リアン「くっ…」
「仕方ない…行ってくれ」
………
ジン「……」
ウィータ「……」
二人は船に乗り波に揺られていた
ジン「ウィータ」
ウィータ「なんだ ジン」
ジン「その長い剣 どこのだ?」
ウィータ「太刀の事かこれは
東方国にて作られた刀だそうだ」
ジン「東方…曲がった剣を持つ国のことか」
ウィータ「そう そこのだ」
「それでこの太刀は親父の形見だ
お前の持つその剣と同じだな」
ジン「そうだな…同じだ」
ウィータ「この太刀の名は
竜ノ太刀(リュウノタチ)っと言う」
ジン「竜…ドラゴンか偶然ならが
この剣の名は ドラゴンソードと言う」
ウィータ「呼び方は違えど意味は同じか」
ジン「そうだな!」
夜
ジンは夜風に当たっていた
ジン「……」
「イヴなぜ来た?」
イヴ「…心配で来てしまって」
ジン「イヴ…俺は子供じゃない心配はいらない
ところでいつ目を覚ました?」
イヴ「昨日の夕方ほどに」
ジン「そうか…気分はどうだ?」
イヴ「特にはないです」
ジン「なら良かった」
「イヴ リアン達を心配する前に
城に戻ってくれ」
イヴ「でも…」
ジン「イヴ…俺は絶対に戻る」
イヴ「分かりました…では戻りますね」
ジン「待てイヴ 渡したいものがある」
ジンはアミュレットをイヴに渡した
イヴ「これは」
ジン「… ,俺達, の大切な物だ」
「ずっと持っていてくれ」
イヴ「はい!」
イヴは飛んでいった
ジン「俺は守る所か…
気づけば守られていたんだな」
「ならば俺も守らなければ皆を」
朝
ジン ウィータはトライスに着き
あの城へと向かった
………
ジン「ここが」
ウィータ「そうだ…」
ジン「こんなボロボロの城なのに
誰かがまだ使っているなんてな」
ウィータ「きっと蘇ったんだろう…」
ジン「え?」
ウィータ「行くぞジン」
ジンとウィータは大きな扉を開けた
ーーーーーーーーーー
第10章 蘇りし者
ウィータ「…タナトス! 出てこい」
タナトス「久しぶりね」
ウィータ「そうだな10年振りと言った頃だな」
タナトス「そこにいるのがあの
竜王を倒したジンね」
「とても英雄には見えない」
ウィータ「タナトス…!」
タナトス「言っておくけど
あなた達では私を倒せない」
「来て キリア」
ジン「キリア!」
キリア「なぜ来たんだ…」
タナトス「キリア…二人を殺しなさい」
キリア「…ッ!」
「分かった…やろう」
ジン「キリアやめろ!!」
………
キリア「クッ!」
ジン「キリアもうやめてくれ!」
キリア「……」
「無理だ…ジン…無理なんだ…彼女は蘇った
彼女はあの時…死んで生き返った」
キリア「俺が守らなければいけないだ…
ヴィクトリアを俺が守らなければ!」
ウィータ「……そうか」
「お前はあの時いたな…葬式に」
ウィータ「一番良く遊んでいたな…
タナトスとな…それがお前だったのか」
キリア「ヴィクトリアの兄ウィータ お前なのか」
キリア「なぜ妹の邪魔をするんだ!」
ウィータ「この城の城下町を見たか狂っていた
そうなった原因はタナトスにある」
キリア「……そんなの分かってる」
「それでも俺は…ヴィクトリア守る!」
………
ウィータ「ガッハ!」
ウィータは吹き飛ばされる
ジン「ウィータ!!」
キリア「次はお前だッ ジン!!」
ジン「キリア…キリアァアアア!!!」
ジンの右腕は光る
ウィータの腕もまた光る
ジン「またこの光…」
ウィータ「なんだこの光は」
ジン「そんことはどうだっていい…!」
「キリアお前を止める!!」
キリア「来いよジン!!」
………
ジン「勝った…キリアに」
キリア「なぜ俺が…負けた」
「ちぃ…ジン 大人しくッ!」
銃声がなるキリアは胸に
大きな穴が開き血を流し倒れた
ジンはキリアの血を浴びた
タナトス「キリア…」
キリア「ヴィクトリアなぜぇ!」
タナトス「……あなた弱いわね」
キリア「ヴィクト……リアッ!」
ジン「キリア! おい嘘だろ
息もしていない キリア!」
ジン「そんな…そんな…そんな…そんな…」
タナトス「次はジンの番ね…さよなら」
ジン「そんな…そんなぁ!」
そして銃声がなった
声が聞こえる…タナトスの叫ぶ声が
タナトス「うがぁあああああ」
ジン「ルーシア…」
ルーシアはタナトスを真っ二つに切った
ルーシア「……」
ウィータ「お前は姿を消していたルーシアだな
なぜここにいる!?」
ルーシア「私は見た…こいつが
イヴを撃ち殺す所を」
「だからイヴの仇に…」
ジン「イヴなら ルーシア
イヴなら生きているいま城にいるはずだ」
ルーシア「生き返ったと そうかならよかった…」
ウィータ「ルーシア後ろだ!」
ルーシア「ッ!」
ルーシアは剣を振りながら後ろを振り向く
しかしその剣は弾かれた
ルーシアは改造式の銃を向ける
タナトスもまた銃を向ける
タナトス「あんなので死ぬとでも?」
ルーシア「なぜ生きている」
タナトス「みんなと同じ化け者だからよ」
タナトスはニヤッと笑い
引き金を引いたルーシアも
同時に引き金を引く
ルーシアは銃の威力により壁にまで
吹き飛ばされ タナトスもルーシアの
銃の威力には壁に飛ばされる
ジン「ルーシア!!」
ジンはルーシアの元へ走って向かう
ジン「ルーシア……」
ルーシアは右目から口にまで
タナトスの銃の弾により裂けていた
ルーシア「……」
タナトス「うぐっ!」
タナトスは左目から口に裂けていた
ルーシア「…外したか」
ジン「ルーシア!」
ルーシア「ジン…大丈夫だ…私は…
こんなので…私は死なない」
ジン「ああ…あああ…!」
右目から血が吹き出す
ルーシア「私は……死なない…大丈夫……だ……」
ルーシアは壁からずるっと床へと倒れた
ジン「ルーシア…ルーシアアアア!!!!」
ジンはルーシアは揺さぶる
しかし反応することはなかった
ジン「…キサマァアアア!!!」
ジンの右腕に炎に包まれた
ジン「お前を絶対に生かさん…!」
「この地に髪の毛ひとつの残さず」
「この世に髪の毛ひとつ残さん」
ジンはひとつのひとつ
歩く毎に炎が広がる
ウィータ「ジン…」
目は赤く髪は紅く鋭い目は歩く毎に
線を描いていた
タナトス「ジンもウィータと同じ半竜
そんな不完全な体で!」
タナトスも炎を出す
腕へ足へ体全体へと
ジン「お前は…全体が竜の鱗なのか」
タナトス「そうよ!そんな不完全な
腕ひとつのあなたとは違うの!!」
ジン「不完全…ハハ…そんなの関係ない…
そんなの気にしていたらキリがない」
「結局どんな形であれど 不完全な体でも
ひとつに変わりはない!!」
タナトス「意味の分からないことを!!」
銃を撃たれる…しかしジンは止まらなかった
ヴィクトリア「なぜ!?」
再び撃つしかし止まらなかった
ウィータ「…ッ!! 吸収しているのか!」
ジンはタナトスの前へと立った
ジン「神になりたいだっけか…」
タナトス「え…」
ジン「そんなもの あの世でやっていろ!!」
………
ジン「俺の名をちゃんと
知らないようなら言っておく」
「俺の名は ジン・クリス・ヴァル・アノだ!!」
ウィータ「ヴァルアノ!?
ヴァルアノってあのヴァルアノ!!」
ドラゴンソードは炎に包まれた
タナトス「ち…調子に乗るなぁー!!」
………
タナトス「撃っても怯まない
まるで効いてない!?」
ジンはヴィクトリアの銃を手から離した
そしてヴィクトリアの首を掴む
ジン「………」
タナトス「た…たすけぇてぇ…!」
ジン「断る…お前はやりすぎた…
やりすぎたんだよお前は」
「イヴを撃ちキリアを駒にして殺し
ルーシアを殺した」
タナトス「か…神様…」
ジン「神?…神なんていない…
そんなの物語の人物に過ぎない!!」
ジンは強く首を締め
腹に剣を刺す
タナトス「ア…ガァッ!!」
ジン「……」
刺した剣で腹をえぐる
それによりヴィクトリアは
バタバタ暴れる
タナトス「いだ…ぃいッ!
ころ…しでぇ!」
ジン「お前は…お前だけは!!」
ウィータ「やめろジン!!」
ジン「ガッ!」
ジンは心臓を刺された
ジン「ウィータ裏切ったな!」
ウィータ「妹をこれ以上苦しませるな!!」
ジン「こいつは仲間を殺したんだぞ!」
ウィータ「知ったことか!!」
すると銃声がなりジンは帰り血を受ける
ウィータ「ああ…あぁ…タナトス…なぜ」
そしてウィータの脳が飛び散った
ジン「ウィータ…!」
ヴィクトリア「アッハハハハ ハハハハ!!!」
タナトスは何度もウィータを撃つ
やがてウィータの体は形を失い
肉片となった
タナトス「次はジンお前だ」
刺さった太刀をさらに奧へと差し込む
それにより血が吹き出る
ジン「グッ!! 」
タナトスはジンの血を舐める
ヴィクトリア「どれも皆私の操り人形なの
私が神だから騙しやすいの」
「あの城下町の人も みんな…みんな…」
タナトス「家族であった
ウィータですら私の操り人形なの」
「だって私は神様ですもの」
タナトス「見てなさい 本当の神の誕生を!!」
ジン「…くだらん」
ヴィクトリア「くだらないですってぇー!!
「キィー!!!この!このぉおお!!!!」
銃で何度もジンを殴った
タナトス「ハァ…ハァ…」
ルーシア「ジン…!」
「キィサマァアアアア!!!!!!」
ヴィクトリア「まだ生きていたの
もしかして人間ではない?」
ルーシアは剣を振る
ヴィクトリア銃で剣と鍔迫り合いとなる
ヴィクトリア「どうやら傷は治せないのね
可哀想に…私は美しいから」
「どんな傷も美しさで治ってしまうの」
ルーシア「再生するってことか
ならば燃やしてやろう…粉々にしたあとな」
タナトス「燃やす私を?ならば
燃やしてみなさいその前にあなたが燃えるけど」
タナトスは腕足が炎と化す
銃は炎に包まれる
ルーシア「お前もウィータとジンと同じか!」
ヴィクトリア「この本来の力を出したら最後
あなたはおしまい」
再びジンの腕は光出す
その光はルーシア ウィータ キリア
三人の身に光出す
ヴィクトリア「またあの者から光が」
その光は段々と大きくなる
光が弱まる
肉片となったウィータが
元の体へと治っていた
キリアは胸に大穴が開いていたが
それも治り
ルーシアの顔の傷も治っていた
ルーシア「顔の傷が…」
ヴィクトリア「一体何が!?」
ジンは太刀を刺さったまま
立ち上がっていた
ジン「フッ…」
ルーシア「ジン!」
ジン「この力は信じたものを救う力」
「そうだな…簡単に言えば死んだ者を
生き返らしそして傷を癒す…だそうだ」
ジンは太刀を抜いた
その傷も塞がっていった
ルーシア「そんな良いものがあるわけが…!」
ジン「…奴がそう言ったこの力を使わせ
生き返らせた…さて」
ジン「ヴィクトリア二戦目と行こう
今度は息の根を止める!」
ジンの腕とドラゴンソードから再び炎が現れる
ジン「ルーシア…やるぞ」
ルーシア「任せてくれ…ジン」
………
タナトスは弾き飛ばされ倒れる
ジン「言い残すことはあるか?」
タナトス「お願い 助けて!」
ジン「お前のその演技で一体何人の者が
犠牲になったのだろうな…」
タナトス「ちぃ…このぉ!!!」
銃を構えようとするしかし構える前に
ジンは銃を持った腕を踏む
ジン「死ぬがいい!!」
ヴィクトリア「がぁああああ!!!!」
ジンは腹から首まで切り裂く
ジン「そして二度と立ち上がるな!」
キリア「ガハッ!ガハッ!」
ジン「キリア!」
ジンはキリアの所へ向かう
ジン「キリア!!」
キリア「俺は生きている…俺は死んだはずじゃ…」
「ジン…そうか…そういうことか」
キリア「ジンすまなかった…
裏切るようなことをして」
ジン「キリア…さあ帰ろう!」
その後ウィータは目覚めた
ジン、キリア、ウィータ、
三人で船に乗り アリアハンへと戻った
………
この事をリアンに話す
リアン「ヴィクトリア…そうかアイツが」
ジン「リアン知っているのか」
リアン「ああ 知ってる」
「アイツは元々ここの国に生まれた人間でな
そして病で死んだ」
キリア「ヴィクトリアは…どうやら
白ノドラゴンに生き返らされたと言っていた」
キリア「まあ この事はウィータが
詳しく知っている何せ双子の妹だからな」
ウィータ「………」
ジン「双子…」
ウィータ「ジン…お前に教えておこう
俺はお前の幼いときを知っている」
ウィータ「お前と同じ村に
生まれた 人間だからな」
ジン「…ッ!」
ウィータ「お前がまだ10にも
行く前に村を去った…」
「フッ…奴隷か…」
ウィータ「キリアと俺はヴィクトリアの
奴隷のように見ていたなんてな」
ウィータは首元を触る
ウィータ「ない…無い!」
ジン「どうした」
ウィータ「形見が無い!!」
ウィータ「もしかしたら撃たれたときに…!」
リアン「どこへ行く」
ウィータ「あの場所に戻る!」
リアン「しかし…もし待ち構えていたら」
ウィータ「だとしても形見が無くては!」
キリア「行かせてやれ リアン」
リアン「しかし…ジンの力のおかげで
お前達は助かったんだぞ」
「なのに行っては…また」
キリア「もう大丈夫だろう ちゃんと
トドメは刺したらしいからな」
「ならば行っても危険はないはずだ」
リアン「しかし行くには1日はかかる
それに行く国はトライスだろ」
「最近その国に出入りしすぎている
これ以上出入りするのは…」
キリア「ならば俺の羽で行くとしよう」
キリアは羽を出す
キリア「これならば目撃されず行けるはずだ」
「リアン それで構わないか?」
リアン「ああ…それでいいさ」
キリアはウィータと共に
トライスへと向かった
ジン「……」
リアン「ジンどうした?」
ジン「この力…早く気付けていればと
思っていただけだ」
「早くこの力に目覚めていれば
救えた命はたくさんあった…」
リアン「ジン…過去を気にするな
考えても何もならないぞ」
ジン「ああ…そうだな…」
「…リアンはいつもまっすぐだな
父を無くしてもずっとまっすぐに進んでいた」
ジン「どうして俺のように
歪んだりはしなかった」
リアン「現実を受け入れたからだ
受け入れたからこそまっすぐへと進んでいる」
「ジン 失った命はもうどうしようもない
受け入れるしかないんだ」
ジン「そうだな…どうしようもないよな」
リアン「そんなお前だからこそ
お前にあった力がそれだったのだろう」
「信じた者を救う力を…な」
リアン「ジン…救える命を
救ってやってくれその力で」
ジン「ああ! 救ってやる1人残らずな!!」
リアン「…フッ…」
少し昔のお前らしくなったな
ーーーーーーーーーー
第11章 動き出す歯車
次の日 昼
ジン「……」
「もう…本当に…悪夢に苦しみながら…
目を覚ます事もないんだな…俺は…」
ルーシア「ああそうだ ジン」
ジン「ルーシア…」
ルーシア「お前はもう苦しまなくてもいいんだ」
ジン「長かった本当に…長かった…子供の時からいつも目をつぶる度に悪夢が苦しませたんだ」
「悪夢が消えて…よかった…本当に…」
ルーシア「よかったなジン …本当にな」
ジンは顔を上げる
ルーシアはどこにもいなかった
ジン「ルーシア…」
……
夜
ジン「キリア戻ったか
探し物は見つかったのか?」
キリア「ああ見つかった」
「はぁ…」
ジン「ため息か 」
キリア「少し色々とありすぎて 疲れてな」
ジン「ま、今は夜だし今日はゆっくりと休め」
キリア「ああ そうするよ」
………
そこから何も起こらず
一週間が経過した
リアン「皆いるな」
ジン「話ってなんだ リアン、シヴァン」
リアン「そろそろこの城の名を
変えたいと思っている」
シヴァン「そこで新たな名を皆で考えて
欲しいと思って皆に集まってもらった」
ジン「何で名を変えるんだ?」
リアン「いつまでも同じ名では続かん
だから新しい名前に変えるんだ」
シヴァン「紙を‥思い付いた名を
書いて渡して欲しい」
シヴァンはジン達に紙を渡した
そして数分後
リアン「書き終わったな ならば
キリアから言っててくれ」
キリア「俺の考えた名はルミナス城だ 以上」
ウルフ「ソウル城はどうでしょう」
リアン「フッ…言ってみろ」
ウルフ「この城この国には色んな意志がある
その意志で苦難を乗り越える者の魂を意味した」
「どうでしょう母上 父上」
シヴァン「まあいいと思うでも…そう言う名は
少し悪が住んでそうな名なんだ 何と言ったら」
リアン「少し行きすぎている…だろ?」
シヴァン「そうそれだ」
リアン「私はほぼシヴァンと同じだ
行きすぎている 次ジンだな」
ジン「アルマナだアルマナ城 どうだリアン?」
リアン「アルマナ城…か…」
シヴァン「うん良いと思うスゴく」
リアン「そうだな良いと思うぞ
皆はこれにどう思っている」
キリア「いいんじゃないか」
ウルフ「私もいいと思う」
リアン「決まりだな!これよりアリアハン城を
アルマナ城へと変更する!!」
アリアハンからアルマナへと名は
すぐに変えられた
これによりアルマナと言う新たな名は
様々な国へと渡り 知られることなった
……
ジン「リアン どうした?」
リアン「そうえば意味を聞いてなくてな
アルマナの教えてくれ」
ジン「アルマナの意味は平和を意味する」
「意味を俺が勝手につけた」
リアン「平和か…そうだな…」
「もう戦争などごめんだ…」
………
ジンは自分の部屋へ戻る
ジン「……」
「ルーシア…いるんだろ?」
風でカーテンが動く風と共にカーテンが
ゆっくりと戻るそれと同時に
ルーシアの姿があった
ルーシア「気配に気付くようになったのか」
ジン「ようやくな…この竜の力にも慣れたんだ」
「……ルーシア…なぜ戻らない…この城に」
ルーシア「変わらんよ…何度問おうが…」
ジン「ルーシア…そんなに殺されたいのか?」
ルーシア「ああ…」
ジン「…父のしたこと…それは
娘にも責任が来るものなのか」
「いいや違う 父のしたこと娘にまでは
来ない関係ない…関係ないんだ!」
ルーシア「…バカな事を考える…」
「お前は本当にバカな事を考える」
ジン「………」
ルーシア「…世界が違うんだジン
私とお前が生きた世界が 生き方が」
「私は見てきた…手に終えなくなれば親が
娘や息子を売る大人達を!」
ルーシア「そんな世界で…生きてきた…」
「お前とは違うんだ!」
ジン「もう俺は許してんだぞ…なぜそこまで!」
ルーシア「…自分が許せないんだ
お前にはわからないだろうこの気持ちが!」
「この自分への怒り! 罪悪感!そして後悔が!」
ルーシア「だからジン殺してくれ
私を殺しお前の娘の仇取ってくれ!」
ルーシアは銃を押し付ける
ジン「死にたいのか…本当に!!」
ルーシア「殺せ ジン!」
「憎き竜王の血族を殺し
終わらしてくれさせてくれ!」
ジン「…クッ!」
ジンは銃を構えた
仇を取って父さん…さあ早く!!
ジン「幻声がする 呪いの影響ではないのか!」
「ならば娘はオルガは本当に
殺せと死しても願っているのか!!」
ジンは引き金へと指を伸ばしていた
ジン「頭痛がッ!」
ジンは後ろから囁かれ
その手は銃を握る
囁き…それは 殺せと…
ジンは恐る恐る視界を
後ろへと向ける
ジン「…ッ! 俺が…いる…」
ジンの隣にはまだ帝王の力を
持っていた頃の自分がいた
その自分は血の涙を流していた
過去のジン「仇を取って…娘の!」
「終わらして殺して」
過去のジンが話すとオルガの声と共に
ふたつに重なって聞こえてくる
過去のジン「楽にさせてほしいッ!」
ジン「やはり俺はまだどこか憎んでいたようだ お前の事をおおぉぉー!!!」
「ル“ー“シ“ア“ァ“ア“ア“ア“ア“!!!!!」
キリアが部屋に入ってくる
それと同時にジンは撃つルーシアを
キリア「ジンやめろッ!!!」
キリアはルーシアを庇うように
腕を犠牲に弾を止める
ジン「キリア!」
部屋中キリアの血が飛び散り
血だらけとなっていた
ジン「違う…おれぇじゃぁない…!
違う違うッ!!おれぇがやぁったんじゃない!」
ジンは叫んで部屋を飛び出す
そして城の外へと出た
過去のジン「なぜ逃げるの殺そうよ 復讐しよう」
「娘の仇を取ろうよ」
ジン「消えろ…消えろッ!」
「黙れ…黙れぇえ!!!」
頭を抱えて顔を地面へと向けて座り込む
ジン「黙れ…黙れ! 消えろ!!」
「消えろ…消えろ…消えろ!!」
誰かに頬を両手で掴まれる
ジンは前へと向ける
ジン「オルガッ!」
オルガ「父さん…復讐して…あいつを…」
オルガの顔は段々と溶けて行く
ジン「あ…あああ…ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“!!!」
ジンは逃げた…逃げ続けた…
幻覚から逃げるように
走り続けるとやがて
あの場へ着いた
ジン「俺の…村…」
「帰るところを無くした者が集う俺達の昔」
ジンは進む…オルガの墓へ向かって
ジン「オルガ…なぜなんだ…オルガ!!」
オルガの墓で座り込む
ジン「オルガ…お前は恨んでいるのか」
「教えてくれ…オルガ…」
ジン「俺は…もう分からなくなった…
これが現実なのか幻なのか!!」
「俺は…ずっと…一人で抱えていた…
苦しいことを…誰にも言わずに…昔からずっと」
ジン「この苦しみの始まりは親が
死んだときから始まった」
「俺は強くなりたかった…皆を守りたかった…!
でも俺は強くはなかった…」
ジン「だから皆の前では強く見せていた
でも!俺の心の何処かでは願っていたんだ…!」
「助けてほしかった!知ってほしかった!!
ずっと願っていたんだ子供時から!!」
ジン「癒されたかった…ぐちゃぐちゃになった
この心を…癒してほしかった」
「でも知ってくれかった!
気付いてくれなかった! 誰にもずっと!!」
ジン「俺はあと何回苦しめばいい……
もう耐えられない…あの時お前が死んだ時」
「お前が死んだとき!あの時!!
お前を追って死んどけば良かった!!」
キリア「お前があんな口調になったのも
それだったんだな…」
ジン「…みんな…!」
キリア「ジン…俺は言ったはずだ」
「一人で抱え込むな っと」
キリア「でも…皆には見せたくなかったんだよなお前が弱いところを」
ジン「…ずっと…そうだ…そうだったんだ…
皆に見せたくなかった…弱い自分を」
ジン「こんなッ! 弱いこんな自分を!!」
リアン「正直驚いた…弱いお前を見たのは」
ジン「クッ!」
リアン「でも…知らないジンを知れて良かった
そして長年求めていたものも知れて」
ジン「………」
リアン「ジン…帰ろう 夏とはいえ
夜風はあまり良くない風邪を引く」
リアンはジンに手を伸ばす
ジン「こんな本当は弱い俺でも…いいのか」
リアン「かまわないよ…だって友達だろ」
「家族のようにずっとそばにいた幼なじみだろ」
………
それからジンは
長年求めていたもの
ずっと耐えていたもの
ずっと願っていたもの
そして求めていた癒し
それをやっと叶ったのだった
耐えていたものを吐き出したせいか
幻覚や幻声が聞こえなくなった
………
5日後
ジン「……」
ジンは海を眺めていた
アーリャ「ジンやっぱりここに?」
ジン「アーリャ…」
「覚えているか? ここで俺が身投げしたのを」
アーリャ「ええ…覚えてる」
ジン「その身投げで…俺は帝王と会った…
あいつは戸惑いなく俺に帝王の力を渡した」
ジン「自分を犠牲にして
この弱い俺に力を与えた…」
リュカ「ディール…あいつは…お前と同じだ」
ジン「リュカさん」
リュカ「あいつも悪夢に苦しんでいた」
「ジン お前と同じように」
リュカ「人間と魔の間で産まれたんだディールは
家族にも差別され酷い毎日だったんだ」
「そして親に恋人を殺された…その怒りで
親を殺し兄弟を殺した」
リュカ「あいつはその後悔と恋人が殺される
瞬間を悪夢で苦しんでいた…」
ジン「……」
リュカ「あいつは力をお前に与え
消えたかったんだと思う」
「だが消えるとはいえ身が失おうとも
帝王の力があるかぎり消えることもできない」
リュカ「ずっとあいつは帝王の力の中で
ずっとひとりで居る事となる」
ジン「でも俺は…そんなディールに
何度も助けられた…」
ジン「何度も…何度も…数えきれない程に」
リュカ「力の塊となっても助けくれたのか?」
ジン「ああ…そうだ…何度も助けてくれた」
「魔族とは不思議だ…敵になったり
味方になったりと 本当によく分からない」
リュカ「ジン死者を生き返らす力を
得たらしいな」
ジン「ああそうだ…」
リュカ「それを使うとき
覚悟はしといた方がいい」
「死者を生き返らす…それは罰を
受けざるおえん行為…わかったな?」
ジン「…俺は簡単には易々と
生き返らす人に見えますか?」
「生き返らすには寿命を5年づつ
削られるんです…」
ジン「一度俺は生き返らした…自身とキリアを
ウィータをだから俺は85歳まで減りました」
リュカ「ジンッ! よく…考えて使えわかったな」
リュカは強くそう言い立ち去った
リュカ「白ノドラゴンめ…何を考えている」
………
アーリャ「ジン…寿命を削ったあの話本当なの」
ジン「本当だ…アーリャ…
そんな顔をするな悲しそうな顔に」
アーリャ「だって! 寿命が無くなっているのよ
私…ジンと会えたのに…こんな!」
ジン「皆を守ればいい守って…寿命を削るような事はしなくて いいように守ればいい話だ」
そう…守ればいいだけの話だ
………
1週間後
ジン「そうだろ…燃えている俺達の家が!」
アーリャ「ジン ダメよ城の中に入らないで! 」
ジン「まだ中に 皆がいるんだ…まだ中に!」
城の中へと人影が現れる
その影の正体はイヴ、キリアであり
リアンの姿はなかった
ジン「キリア! リアンは!?」
キリア「部屋中 探したんだが 見つからない!!」
ジン「クッ!」
ジンは城へと入ろうとする
しかしキリアに止められる
キリア「ジン! この炎は普通の火ではない
魔力により作られた物 身に受ければ危険だ!」
「普通の火ならばまだ見れたが
これだと長くいたら俺も死ぬほどだ」
ジン「魔力 …それじゃあこれは…!」
キリア「誰かが火をつけたに違いない」
「俺達の前に逃げれたと信じよう
もしくは焼き散ったか…どちらかだ…分からん…」
ジン「………」
ジンはゆっくりと座り込む
ジン「生きていてくれ…リアン!」
崩れた入り口の門に大きな
剣の後が浮き上がる
その崩れた入り口は
勢いよく飛び散った
ジン「ウィータ!」
その入り口からボロボロになった
ウィータが歩いてくる腕にはリアンがいた
リアンもボロボロになっていた
炎から離れるとウィータは倒れた
ジン「ウィータ! リアン!!」
ウィータ「と…止められなかった…
止められなかったんだ…ッ!」
ジン「何か知ってるのか!?」
「ウィータ!? ウィータ!??」
キリア「ジン!一度ここから離れよう
城が今にも崩れそうだ!!」
ジン「また…何が起こっている!!」
………
進行
アルマナ城は何者かに放火され失った
ウィータ意識不明 リアン意識不明
イヴ重症 キリア軽傷
ー
2020
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