エピソード4 1章~6章
ドラゴンストーリー4
なぜ皆…倒れているんだ…
分からない何が起こった!
血の付いた剣…見覚えのある剣…まさか!
???「なあジン帰ろうぜ
俺達のいるべき場所へ」
ジン「なんでお前が俺はずっとお前を…
待っていたんだぞ!」
………
1人屋根で夜風を浴びていた者がいた
その者はこう言った
ルーシア「………」 「奴が目覚めた」
霧が晴れるとき それは罪が許されたとき
???「どうして…お前は目覚めてくれない」
どうして……
ーーーーー
第一章 再開
ジン「また…これかっ!」
老人「さぁ苦しめ」
若者「苦しみと共にお前の命は終える」
ジン母親「あんたなんか…産まなきゃよかった」
キリア「ジン!行けぇ!!」
女の子「全部君のせいだよ」
???「ジ…ン…ジン…ジ…ン」
しかし罪は消えない 生きている限り
罪を背負い生きて行く
ジンの父親「みな、お前を殺したがっている」
???「ジン…ジン…」
誰だ俺を呼んでいるのは
俺は疲れた…少し休ませてくれ…
するとジンの顔に痛みが走る
ジン「いってぇ!」「ルーシア貴様!」
ルーシア「起こしているのに
起きないお前が悪いぞジン」
ジン「チィッ!…はぁ…」
ルーシア「どうした普段はもっと
文句を言ってくるくせに」
ジン「人間に戻ってからか、最近疲れがな」
ルーシア「そうだな見た目は若いが中の
お前はずいぶんと歳をとっているしな」
ジン「……」
ルーシア「まさか死を恐れているのか?」
ジン「当たり前だ、死は誰でも恐れるもの
いつ死が来るか誰も分からない」
ルーシア「…お前らしくないぞ、どうした?」
ジン「正直に言おう…俺は死が怖い…
今すぐにでもあの力を取り戻したいほどに…な」
ルーシア「ハハハハ!」
ジン「何がおかしい?」
ルーシア「いやいや、まさかお前の口から
そんな言葉が来るとは思わなくてな」
ジン「ところで用はなんだ?」
ルーシア「あぁリアンがお前に用が
あるらしい行ってやれ」
ジン「はいはい分かったよ」
ベットから降りジンはリアンの所へと向かった
ジン「よぉ リアン俺に何か用があるらしいな」
リアン「あぁ…見てくれ」
ジン「手紙か…」
手紙を見せた、その手紙にはこう書かれていた
「魔王復活迫る至急討伐をし封印を願う」
ジン「魔王の復活に迫る、か…はは嘘だよリアン竜王がいても魔王まで存在する訳がない」
リアン「そう…だよな…考えすぎか…」
そして1週間経った
ジン「なんだこれ完全に季節はずれじゃないか」
ジンは見る窓の先に映る光景はなんと
雪が降っていた
ジン「まさか…本当に魔王の影響か…?」
リアン「ジン窓を見たか!?」
ジン「あぁ…夏なのに雪が降っている」
リアン「最近不明な事が多いらしい
まだ咲かないはずの花が咲いたり」
「天気が突然おかしくなったりと色々とな」
リアン「ジンあの手紙もしかしたら
本当なのかもしれん確かめる価値はある」
ジン「い、いやありえない…ただの偶然だ!」
リアン「ジンッ!」
リアンはジンを壁へと押す
ジン「くっ!」
リアン「ジン最近おかしいぞ どうしたんだ!?」
ジン「弱音を吐こうリアン…俺は人間に
戻った時から不安があったんだ」
リアン「不安?なんだ言ってみろ!」
ジン「俺は本当に人間に戻って
人生をやり直して良かったのかを!?」
ジン「俺は十数年前もさらに前も多くの人達を…
だから本当に良かったのかを …」
「何度も考えてしまうんだ!」
ジン「でも…あの力を取り戻したいと
考えてしまう時もある」
リアン「ジン何を考えている!?」
ジン「俺は…死ぬのが怖いんだ!!」
リアン「ッ!」
ジン「俺はあの力を持っていたとき
歳など取らず若い体のままで不死だった」
「でも人間に戻ってからか、俺の死が急激に
近付いている気がするんだ」
リアン「死の事など気にするなジン
お前はまだ死なない」
ジン「リアン…」
リアン「なぁジン頼む力を貸してくれ」
「この手紙の情報が本当かどうかを
行ってくれるな…私と一緒に?」
ジン「ああ…行こう」
リアン「では…すぐに着替えて来る
門で待っていてくれ」
数分後
ジン「来たな…ってルーシアも一緒か」
リアン「ルーシアはこれでも闇の住人の一人
だから気配などで分かるだろう」
ルーシア「動物扱いか?」
ジン「お前に向いているなルーシア」
ルーシア「貴様…」
リアン「落ち着け二人とも この手紙の
情報が本当かどうか行くだけだ」
ルーシア「そもそも、その手紙は
どこから届いたものだ?」
リアン「それが、分かっていないんだ」
ジン「で、どこに行くつもりなんだ?」
リアン「あぁ…この手紙に書いてある場所には
どうやらトライスって隣国らしい」
「船を使わないとな、行こう」
ジン、ルーシア、リアンは
スクリアム島へ向かった
ーーーーーー
船の中にて
ジン「ん?ルーシア ドラゴンソードを
持って何してる」
ルーシア「これが聖剣から神剣に
なったのかって見てるんだ」
ジン「見てて構わんが妙な事はするなよもう
俺の体はガタがきてんだ無駄な動きは避けたい」
ルーシア「若者の体で良く言えるな」
ジン「やれやれ…」
「俺はもう47歳…か 早いな」
ルーシア「私からしたらまだまだ子供だな」
ジン「見た目は20歳だからか?」
ルーシア「いや…少し意味は違う」
ジン「引退しようかな剣を持って戦うの面倒だ」
ルーシア「新米な風な口でよく言う」
ジン「はは…ズッコミありがとな」
ジンはずっと気になっていた事を聞く
ジン「なぁ…あの時どんな気持ちで
串刺しにしたんだ俺の家族を」
ルーシア「そんなこと…聞くまでもないだろう」
ジン「そうだな怒りに溺れてたんだもんな
俺もそうだったしな…もうひとつ聞いていいか」
ルーシア「なんだ」
ジン「なんでリアンに付こうと思った?」
ルーシア「良い奴過ぎたんだリアンは」
ジン「なんだ?餌付けでもされたか」
ルーシア「違うそんなんじゃない」
「リアンは自分も息子を殺した奴が
目の前にいるのに私に恨みを持ってなかった」
ルーシア「むしろリアンは殺さず
止めようとしたんだ」
ルーシア「それにあいつはいつも
お前の事を考えていた」
ジン「俺の事を?」
するとリアンが来る
リアン「珍しいな二人で雑談か?」
ジン「ちょっとした昔話さ」
リアン「昔話?」
ジン「あの時のやつさルーシアは
どんな気持ちで殺ったんだって話」
リアン「その話は…ほどほどに …な?」
ジン「……なぁルーシア」
ルーシア「なんだ」
ジン「やっぱり恨んでるじゃないのか?」
ルーシア「…少しばかり後悔している
お前たちの家族に手を出した事を……」
ジン「優しいだな」
ルーシア「え…」
ジン「話は聞いてる俺が暴走したとき守りが
手薄になった村を魔物から守ったんだってな」
「それに魔物に襲われてる子供も
助けたんだって?」
ルーシア「なぜそんな話を」
ジン「さぁ どっからだろうなこの話」
「なぁルーシア お前は子供好きなんだな」
ルーシア「な! 何を言うただいけにえが
必要だっただけだ!」
ジン「へぇーそのわりには顔に出てるぜ」
ルーシア「クッ!この剣でお前を刺してやる」
ジン「わっ ちょっ!」
「すぃやせぇんでしぃたぁあ!!」
ルーシア「ほんとに見た目が
若いだけのおやじだな!」
ジン「さっき子供だとか言ったろう!」
ルーシア「お前は別だぁぁ!!」
腹に一発剣の攻撃を受ける
ジン「うっ…!」
ルーシア「安心しろ刀背打ちだ」
ジン「ガバッ!ガバッ!おいおい最近現れる
刀持った奴等の真似かよ」
「てか本当に死ぬかと思ったぞ!」
ルーシア「刀背打ちの前にこの剣切れ味ないな」
ジン「殺す気だったのかよ!」
ルーシア「いつだって本気だぞ」
ジン「おっかねぇぜ…」
ーーーーー
深夜
若者「苦しみと共にお前の命は終える」
ジン母親「あんたなんか…産まなきゃよかった」
ジン「うっ…ぐっ!」
キリア「ジン!行けぇ!!」
女の子「全部君のせいだよ」
ジン「なんで…いつもこの夢なんだ…」
ジンの父親「みな、お前を殺したがっている」
ジン「ッ! ハァ…ハァ…」
飛び起き周りを見渡す手に握られた
感触がしていた
ジンはベットの隣を見た
隣にはジンの手を握ったルーシアがいた
ジン「ルーシア…なんで隣に」
ルーシア「ジンお前が見る悪夢が私が原因なら」
「責任を…取らせてくれないか
お前の幸せを奪ってしまった だから!」
ジン「いやいい!」
「ハァ…少し風に当たってくる」
船の外にて
ジン「やっぱり悪夢には慣れないな」
「…もしかしたら産まれたことが不幸なのかな」
ミラー「そんなことはありませんよジンさん」
ジン「ミラーなんでアリアハンに残ったはず」
ミラー「心配だから来てしまったんです」
「ジンさんが心配で」
ジン「俺の心配を?」
ミラー「あなたはいつもすぐに困った事
苦しい事 悲しい事を話してくれないから」
「もしかしたらまた苦しんでいるのでは っと」
ジン「はは…ミラーにはお見通しか」
ミラー「さぁ 話してください」
ジン「1年前俺が暴走したその時に見た
幻覚が悪夢で出てくるんだいつも…いつも」
ミラー「その悪夢はなんと言っているんですか」
ジン「確か…「苦しみと共に命は尽きる」
そして母さんと父さんがこう言うんだ」
「「産まなきゃよかった」 っと母さんが言う
父さんは「みな、殺したがっている」っと」
ジンは体を震わす悪夢に聞いた恐怖の言葉に
震える手をミラーが握る
ミラー「苦しかったでしょうジンさん」
ジン「苦しかったさ…ずっと母さんと父さんが
竜王に殺された時からずっと…ずっと…!」
「俺が弱かったせいだ弱かったから俺の両親も」
ジン「リアン達の父親もアイツも
みんなそれにミラーの腕も…俺の家族も…」
「俺のせいだ弱かったから…俺が強ければ!」
ジンは声を震わせ今まで思ってきた事を話す
ジン「許してくれ…」
ミラー「ここまであなたの心が
ボロボロだったのですね」
ねぇ聞いて …
ルーシア「ジン…おいジン!」
ジン「あれ…ミラーは」
ルーシア「寝ぼけているのか?
ミラーはアリアハンに残ってるだろ」
ジン「内緒で着いてきたと言っていた」
ルーシア「もし誰かが着いていてるなら
我が気付かぬはずがないだろ」
ジン「…そうか」
ルーシア「寝るのならベッドで寝ろ」
ジン「あ…あぁ…」
ルーシア「…ジン…」
ーーーーー
朝
リアン「起きろ着いたぞ!」
ジン「‥わかった」
ベットに起きあがり食堂に行く
ルーシア「ジン起きたのか」
ジン「あぁ…まだ眠いがな」
ルーシア「そうか…」
ジン「さて…と 準備をして行くか」
食事を終え部屋に戻る
ジンは壁に飾ってある二つの剣を背中に背よう
腰にはドラゴンソードを付ける
ルーシア「ジンお前二つの剣を扱えるのか?」
ジン「扱えなきゃ持ってこないさ」
ルーシア「まるで少年達が考える物と同じだな」
ジン「う、うるさいな これが振りやすいんだ!」
ルーシア「(見た目が若いじゃない)
心もまだ若いままか) いやただのアホだ」
ジン「なぁルーシア」
ルーシア「なんだ?」
ジン「前までナイフ持ってたが
それもう使ってないのか?」
ルーシア「使ってないが…どうした?」
ジン「いやぁ…あれ切れ味いいから
使ってみたいなって」
ルーシア「やめとけ刃に触れるだけで
深く斬れてしまうからな」
ジン「そうか それなら今何を使っているんだ」
ルーシア「拳銃とやらを使っている
もちろん魔力で強化している」
ジン「拳銃を使っているのか!」
「あれは高い武器と聞くぞ
どうやって手に入れた?」
ルーシア「ちゃんと買ったぞ
脅して取った訳じゃないからな!」
ジン「ルーシアにしちゃあ
金を払うなんて珍しいな …」
ルーシア「我をなんだと思っている」
ジン「よく暴れる犬だと思って…ッ!」
ジンはルーシアに腹に一発食らう
ルーシア「我はもうそんなんじゃない
いつまでもあの時の様に見るな」
ジン「ハハ…こりゃ失礼」
「さてと行こう…リアンが待っている」
ジンとルーシアは先に降りている
先に降りているリアンの所へ向かった
ジン「悪い遅くなった… ッ!」
「ここが…俺達の知らない国か…!」
ルーシア「どこ見てもドレスやスーツを着ている人達ばかりだ!うっ…見てて暑苦しいな…」
リアン「仕方ないさ貴族などが住まう国だしな」
ジン「リアンは行ったことはあるのか?」
リアン「あるさこれでも私は
アリアハン国の女王だからな」
ジン「そうだったな忘れていた」
すると何を喋っているのか分からない
人がやってきた
ジン「俺達の国の言葉ではない」
ルーシア「ここは外国だ そんなのは当たり前だ」
リアン「待ってろ少し話してくる」
ジン「え…あぁ、わかった」
「リアンはこの国の言葉分かるのか?」
ルーシア「当たり前だろリアンの仕事は大変だ」
ジン「そうだよな…」
昔竜王と戦いそして城に戻ったあと
1年後には王の息子と結婚したんだったな…
ルーシア「話が終わった様だ ジン行くぞ」
ジン「え、あぁ分かった」
「リアン外国人と何を話したんだ?」
リアン「何しに来たんだ って言われた」
「まぁ別に大した事はないさ」
ジン「そ、そうか」
三人は街出て森へと入った
ルーシア「……つけられてるぞ」
ジン「このまま気絶させるか?」
リアン「やめとけ私は王女だ一緒にいる
お前達が手を出し」
「敵として見られたら戦争になりかねん」
ジン「戦争に…」
リアン「私達はこの手紙の場所に向かうだけだ」
「何もなければ帰る、それだけだ」
リアン「着けてるアイツには好きにさせておけ」
ルーシア「だな、別に怪しいことをしてる
訳ではないしな」
ジン「そうか…だよな」
リアン「この辺だ」
ジン「別に何もな…」
ルーシア「いや何かある!」
森へと入り手紙に書かれた
地図を見つつ森の奥へと進んだ
ボロボロに朽ちた建物に着いた
ルーシア「(鳥肌の立つこの強い気配)」
「(まさかその手紙は奴の場所を示してッ!)」
???「イケニエか」
ジン「何だ!この声!」
ルーシア「(そうかジンはもう人だ!だから
分からないのか!この気配が!!)」
「逃げろジン!リアン!!」
リアン「なに?」
ルーシア「早く逃げろ!!」
???「…魔族か…何ゆえ人に味方する」
ジン「逃げようリアン!」
リアン「ああ…そうした方がよさそうだ」
ルーシア「そんなこと知ったことか!」
???「答える気はないと…」
ジン「ルーシア! 来い!!」
ルーシア「……ジン!我を構うな
リアンを連れここから離れろ!」
ジン「ルーシア!!」
リアン「アイツは大丈夫だ 行くぞ!」
ジンはリアンに腕を引っ張られる
その時 あの記憶を思い出す
「リアン! ジンを連れここから逃げろ!」
ジン「…ッ!」
「ジン行くよ!!」
「キリアアアアアアー!!!!」
ジン「仲間を見捨てない!」
「アイツは敵だったでも今は仲間だ!」
ジン「もう1人も置いていかない!見捨てない」
リアン「ジン? …」
ジン「俺はもう…失いたくないんだ!」
「信じた誰かが居なくなって行くのを!!」
ジンはルーシアの元へと走った
ルーシア「さあ姿を現せ!」
フードをかぶりカラスの仮面を被った者が
ルーシアの前に現れる
ルーシア「クッ…」
???「どうした震えているぞ?」
「産まれた羊のように」
ルーシア「キサマ!!」
銃を撃つが避けられる
ルーシア「ッ!」
???「魔族よ…ずいぶんと馴染んでいるな」
「この人間界にな…悪くない場所だろう?」
ルーシア「消えたッ ガアッ!」
ルーシアは後ろにいると気付き
振り向くと首を絞められる
???「魔がなぜ人と馴れ合っている? 」
ルーシア「だまれぇ…!」
???「答えないと?」
ルーシアを投げ飛ばした
その投げ飛ばし先にリアン ジンが現れる
ジン「ルーシア!!」
ルーシア「なぜ戻って…!」
???「戻ったか人間…」
リアン「こいつが異変の元か」
ジン「うあああああああ!!!!!」
リアン「ッ! ジン!!」
ジン…どこかで聞いたことが
ジンは2つの剣を抜き謎の男に走った
???「無駄な!」
剣を振りさげる素手で剣2つを握り
その剣は折られた
ジン「なっ!」
そして足を掴まれルーシアが
飛ばされた元へと投げられる
ジン「ガハッ!!」
リアン「ジン!大丈夫か!?」
ジン「まだだ!まだだぁあ!!!」
父の形見ドラゴンソードを抜いた
ドラゴンソードとは
「かつてジンの父が使っていた剣
その剣の正体は神剣で魔を斬る力を持つ」
ジン「ァアアアアアア!!!」
あの剣まさかお前は…
???「ドラゴンソード…そうかお前か…」
謎の男は手を横に振る
すると地面に強い衝動が現れ
バランスを崩したその時
ジンは謎の男に抱き締められる
ジン「くッ!離せ!!」
???「もし目の前にいる人が ー」
「お前の友ならどうする?」
ジン「何を言って」
???「答えろジン!」
ジン「…ッ!」
強い光が突然現れた手を見ると
友の形見の指輪が強く輝いていた
ジン「キリアの指輪が強く光って…!」
「お前は…何者なんだ!」
???「まだ持っていたのか…ありがとう」
フードを脱ぎカラスの仮面を外した
ジン「キリア!?」
キリア「久しぶりだな」
リアン「キリアだと!」
ジン「なんで…生きて…!」
キリア「俺は魔族なんだ」
ジン「魔族!?」
キリア「昔戦った悪魔は覚えているか」
「俺はお前達をかばい逃がした後この力が
目覚めたんだ本当の力…魔の力を」
キリア「子供の頃難しい魔法を覚えたり
強い魔法を放ったりできたのは」
「俺が魔族だったからかもしれん
正直俺も驚いたんだ…自分の正体に」
ジン「じゃあこの指輪の意味は」
キリア「母の形見だ もし死んだとき奪われたくなくてお前に持っていて欲しかったんだ」
「正直指輪が俺を示すのは俺も驚いた」
キリア「本当にありがとう…持っていてくれて」
ジン「なあこのまま一緒にッ!」
キリア「すまない…一緒にはいられない」
キリア「本当の力…魔の力が目覚めたあと」
「俺はすぐ天界にて自身の封印を頼んだ」
キリア「その時知った…俺は魔王の血族だと」
ジン「魔王の血族!」
キリア「…このまま俺は戻るつもりだ天界へ」
ジン「キリア行くな!」
キリア「ジン…」
ジン「やっと会えたんだ…またお前が
いなくなるなんて俺は嫌なんだ」
キリア「ジン…このまま俺を放っていれば」
「自分も何が起こるかは分からない」
キリア「もしかしたらお前の
ようになるかもしれん」
「帝王の力だっけか?」
ジン「なぜそれを」
キリア「ハハ…天使が話してくるんだ
そんな出来事があったと」
キリアは立ち上がろうとする
ジン「待ってくれ行かないでくれ!」
キリア「大丈夫だ…ジン…お前には仲間がいる
助けてくれる天使も」
ジン「天使…リュカさんの事か」
キリア「あぁ…俺が封印される時
お前を支えるように頼んだんだ」
ジン「だから…いつもリュカさんは」
キリア「ジンもう一人なんかじゃない」
「一人に抱え込むなよ仲間やリュカに話し
悩んだこと苦しいことを解決していけ」
ジンの頭を撫でる
やっぱりお前の感は鋭いな…
ジン「キリア」
ルーシア「…ッ! リアン多数の足音が!」
後ろに兵士が現れる
リアン「なぜこんな所に」
するとなにを言っているか
分からない言葉で話し始めた
リアン「待て!死者なんか生き返らせてない!
何か誤解をしている」
兵士が動くジンでも分かった
逃げなきゃ捕まると
キリア「面倒な…」
キリアは手を出し唱える
すると兵士全員倒れた
リアン「何て事を…」
キリア「死んではない…安心しろ」
リアン「もしこれが誰かに見られていたら」
「アリアハンは攻撃されるのだぞ!」
キリア「攻撃を?そうかここはトライスか」
「昔からアリアハンとトライスは
仲が悪いだっけか よく差別されるだとか」
ルーシア「ッ! 1人走ったぞ…!」
キリア「任せろ」
手を上に上げると大きな結界が現れた
ジン「何を…」
キリア「これで目撃者は逃げられん」
「ずっと同じ道をぐるぐると回る事になる」
キリア「頼むぞ女魔族よ」
ルーシア「フン…」
リアン「では私も行ってくるぞ」
二丁銃を持ってそのまま
リアンと共に目撃者を探しに行った
キリア「しかし驚いたリアンの元に
魔族がいたなんてな」
ジン「俺も驚いてるさ…今もな」
キリア「…?」
ジン「そうか…これはまだ知らないだな」
ジンは一年前の事を話した
キリア「そんなことが…」
ジン「ルーシアは今もなぜリアンについたのか」
「二人とも話してくれないんだ…
適当なことを話して流されるんだ」
キリア「聞くべき事じゃないだろうな」
しばらくしてリアン達は戻ってきた
リアン「なんとか口止めはしといたぞ」
ルーシア「殺す方がいいと思うだがな」
キリア「さてアリアハンに行こう」
「久しぶりに故郷に行きたくなった」
キリアを連れアリアハンへと戻った
そのまま子供頃過ごした村へ 故郷へと向かった
ーーーーー
第二勝 魔の少女
キリア「……」
ジン「…キリア」
キリア「なんだ」
ジン「この焼き焦げた跡など見てどう思う」
キリア「…そうだな…なんかこんなことも
あったなって そう思うよ」
ミラー「キリアさん!」
ジン「ミラー…」
キリア「ミラか!」
ジン「相変わらずキリアはミラーの名の
言葉を伸ばさず呼んでるな」
キリア「今で言えば昔ながらの癖ってやつさ」
ジン「ルーシアお前も一緒に来ていたのか」
ルーシア「お前の故郷ちゃんと
見てなかったからな」
キリアは井戸を見てこう言い出す
キリア「そうえばあの秘密基地は
どうなったんだ」
ジン「…あの日以来見てないな」
キリア「行こうぜ」
ジン「まだ残ってるかな」
井戸に入りまっすぐ道を進んだ
そこには森があり さらにまっすぐと進んだ
ジン「あ!」
キリア「まだあったな」
ミラー「相当痛んでいますね…」
ボロボロになった小屋を見つけた
キリアはそのまま小屋の梯子に乗った
ジン「キリア?」
キリア梯子を乗り切りドアを開け
そのまま入っていった
ジン「俺達も入るか…」
ミラー「でも崩れませんか?」
ジン「あ…そうだな」
するとキリアが出てきた
キリア「ジン!ここ建て直そうぜ!」
ジン「ッ!…ああ!建て直そう!」
俺達はみんな大人だ40歳の後半のな
もうこんな子供の様な事はできないと
思っていたでもまだできるんだな…って
もし誰かが見たら大人が何をやってるんだ
って思うだろうでも俺…いや俺達にとっては
とても懐かしい事なんだ…
あの日最後にやった秘密基地作りは…
またここで建て直しているとき
リアンがやって来た
ジン「よしっと」
リアン「大の大人がなにやってるだ」
キリア「それはだな…ハハ子供心がな騒いでな」
リアン「何言ってるんだが…さて私もやるぞ
何か手伝える事はあるか?」
リアン…ミラー…キリア…そして俺
またこんな感じに集まってるんなんてな
俺が望んだことだ…ずっと続いてほしい…
ずっとこの四人で集まることをずっと
ジン「さて できたな」
リアン「あぁ だな」
キリア「そんじゃ お先に!」
ミラー「あ、ずるいです!」
リアン「ハハハ」
リアンもミラーも笑ってる
久しぶりに見たな…二人の笑顔は
ずっと皆 あの日以来ずっと叫び剣を振り
涙を流し怒鳴るそれの繰り返しだった
ルーシア「邪魔だよな…このまま城へ戻ろう」
キリア「魔族ほらお前も入れ」
ジン「ほら、入ろうぜ」
ジンはルーシアの手を掴み
秘密基地の前へと移動させようとするが
その手を振りほどいた
ルーシア「ジン…我はお前達の子を殺した…」
「そんな我がお前達とこうしていいのだろうか」
ジン「ルーシア…」
キリア「いいんじゃないか?」
「いつまでも後悔して暗くいる それは
自分の首を絞めてるようなものだ」
キリアはルーシアの前へと立ち肩を叩く
キリア「無理して忘れろとは言わない
だが楽しめるときだけそれを忘れ楽しめ」
ルーシア「しかしそれでは…殺してしまった
二人の子達は我を恨まないか」
キリア「さあ、そこまでは分からん でも
ジンやリアンがそれを許したんだとしたら」
「その子達も許しているんじゃないか」
ルーシア「そう…だといいな…」
リアン「ルーシア…私はあの時許すと言った
だからもう気にするな後悔しても …」
「もう過ぎたことは治らないんだ」
ミラー「……」
また1人と後悔に苦しむものが1人
私も分からないまでもないですよルーシアさん
この手で私もしてしまったから
ジン「…くっ!」
「(なぜこんな時にあの記憶が!)」
1年前の記憶がジンを思い出させる
娘がバラバラにされ串刺しにされた姿を
ジン「はぁ…はぁ…」
キリア「はは…こりゃすっかり冷めたな」
ルーシアはジンの前へと行き
両手を広げこう言った
ルーシア「ジン…我を殺せ!」
ジン「…ッ!」
ルーシア「殺してお前が苦しむ記憶が
無くなるならそれは我の本望だ」
ジン「……」
そう聞いたジンは自分の意思とは関係なく
ドラゴンソードを抜こうと手を伸ばす
ジン「(手が勝手に! 嫌だ 止まってくれ!!)」
その時 影から羽を持った
少女の姿をした魔族が現れドラゴンソードへと伸ばされた手を横へと弾いた
一周回りを飛び回りそして降りた
ミラー「あの羽…!」
???「その手…もう血で染めさせません」
ミラー「…やっぱりあの子…」
リアン「魔族か!」
キリア「待て!リアン」
ルーシア「…ッ!」
???「……」
ジン「何者だ?」
???「知らなくても良い存在ですよ」
ルーシア「そうか…はは…」
???「ッ!」
ルーシアは謎の少女を掴み飛んでいった
ジン「ルーシア!!」
ミラーは座り込む
ミラー「…ダメですあの子は…あの子は!」
リアン「ミラー…?」
ジン「大丈夫か」
ミラー「…ッ! は、はい大丈夫です!」
キリア「…血に満ちた空間…ずっと
こんな感じだったのか」
だったらそうなるな
俺もそうなる自信はある
キリア「みんな…一度城へ戻ろうか」
ミラー「………」
リアン「そう…だな…」
ジン「……」
この空間になったのは俺のせいだ…俺のせい!
許してくれ!許してくれみんな!!
キリア「ジン…お前は思い込みすぎだ」
ジン「え…」
キリア「こうなったのは誰のせいでもない
仕方ない事だったんだと思う さぁ行こうぜ」
いつもそうだ…キリアは感が鋭い
そしていつも支えてくれた
キリア「(この状況なんとかしなくては)」
この血味泥な状況から!!
城へ戻った4人はただルーシアが
戻ってくるのを待った
だがその1人ミラーはずっとそわそわと
落ち着きがなかった
キリア「ミラ大丈夫か?」
ミラー「はい大丈夫ですよキリアさん」
キリア「ならいいんだが」
リアン「ミラーちょっと来てくれ」
ミラー「分かりました姉さん」
部屋の外へ出た2人 この部屋の中では
キリアと2人だけとなった
キリア「……」
ジン「………」
キリア「ジン…」
ジン「なんだ?」
キリア「さっきの事あまり気にするな」
ジン「でもあの時剣を抜いたら
俺はどうしていたんだ…」
キリア「…さあな…でもあの
少女の魔族が来なかったら」
「もっとこの空間はもっと
最悪に落ちていただろう」
キリア「…俺達の故郷の村にまた血で
染めそうとしていたからな」
ジン「……」
空を飛んでいるルーシアと謎の魔族の少女が
窓から遠くジンを見ていた
ルーシア「少女よ名は?」
イヴ「イヴ…それが名前」
ルーシア「イヴ…我は何をしたらいい」
「アイツの為にも何かしたいんだ」
しばらくしてルーシアは城へと戻った
リアン「ルーシア! どこ行っていた!?」
ジン「ルーシア!」
ルーシア「すまないな…少しそこらを
飛び回っていた」
ミラーは不安そうな顔で
ルーシアの腕を掴んだ
ミラー「さっきの少女は! 何処へ!?」
ルーシア「逃げられたさ」
リアン「ミラーどうした本当におかしいぞ」
ルーシアはミラーの耳元で
ボソッと何かを話す
するとミラーは安心した顔をなった
ジン「なにを…」
キリア「ジンこう言うのは聞くな」
ジン「え?…あぁ」
イヴ「……」
………(回想)
グレイン「もう止めはしないが一度聞こう」
「本当にいいんだな?」
イヴ「はい…自分で決めたことなので」
グレイン「そうか…寂しくなるな…」
「帰りたくなったらいつでも帰ってこい」
イヴ「はい!」
………(現在)
ーーーーーー
第三章 蘇りし者
夜
キリア「リアンが女王!?」
ジン「前の王はリアンに この国を託したんだ」
キリア「そうだったのか…
リアンも上に立ったものだな」
リアン「そうだろ?」
兵士「リアンさまぁー!!」
リアン「なんだ?そんなに慌てて」
兵士「王子ウルフ様の墓に 死者が蘇りました!」
リアン「ふざけるなっ! 何かの見違えだろ!?」
兵士「兵士も町の人もみな確かに見ました!」
キリア「ジン!」
ジン「ああ 行こう」
リアン「ちぃ!」
二人は剣を持ち城の外へと出た
外は騒ぎに駆けつけた兵士など人集りがあった
ジン「そこはミラー家!?」
リアン「ウルフの墓はミラーの家にある行こう」
ミラーの家向かうとその前には
裸で立っていたウルフの姿があった
体には泥が付いていた
兵士「ええいこの亡霊め!!」
リアン「待て!!」
兵士「リアンさま!?」
リアン「……」
ジン「ウルフ!?」
キリア「あいつがそうなのか?」
リアン「お前なのか? ウルフ」
ウルフ「は…母上」
そう呼ぶとウルフは倒れる
キリアがリアンに近付くと
ウルフは突然立ちあがり
ウルフ「ウ“ウ“ウ“ウ“!!」
獣の様に唸り腰につけていた
リアンの剣を抜いた
ウルフ「この感じぃ!魔族だな!!」
キリア「ああ…そうだが?」
ウルフ「もうあの時の様にはならんぞぉ!!」
ウルフはキリアに斬りかかる
キリアは魔法で身を守る
ジン「なんだ…あの魔法は」
キリア「お前の事は聞いている王子ウルフ」
「信じてくれ 俺はお前の敵ではない」
ウルフ「うあああああ!!!」
キリア「…ッ! この魔法を破るとはな…」
リアン「ウルフ! やめろ!!!」
やめろと叫ぶとウルフはピタッと止まる
ウルフ「母上!」
リアン「もういいんだ…ウルフ!」
リアンはウルフに抱きつく
ウルフ「母上…!」
ウルフはそのまま気絶する
リアン「ウルフ…? ウルフ!?」
キリア「死んでない寝ただけだ疲れてたんだろう ずっと桶から掘り進んでいたらしいしな」
ウルフの墓を見てそう言った
リアン「そうだな…」
城の窓でルーシアは見ていた
ルーシア「これでいいんだ…そうだろ」
ウルフを城へ運びベッドで寝かせる
そして4人全員集まっていた
リアン「なあ…死者が生き返るなんてあるのか」
キリア「…わからないとりあえずあれは
ありえないことだ死者が生き返るのは」
ジン「………」
ミラー「ジンさん?」
ジン「あ、あぁ なんだ?」
キリア「…じゃ俺はウルフが出てきた
墓を調べに行くとする」
ジン「なら俺も行こう」
キリア「手を多い方が助かる さあ行こう」
イヴ「……」
ルーシア「これからどうする気だ?」
イヴ「まだわからない…」
ルーシア「そうか…それじゃあ
我は一度城へ戻る」
イヴ「うんわかった」
リアン「ウルフ!?」
ウルフ「は、母上!」
ミラー「まだ寝ていて ウルフ!」
ウルフ「アイツは無事か! レン…
レン・ミラノは!」
ミラー「レンは無事ですよ」
リアン「ウルフ聞いてくれ
お前を襲う奴はいない信じてくれ」
ウルフ「嘘ださっき魔族が現れていた!」
リアン「アイツは味方だお前を傷付けない」
「覚えているか分からないが前に一度話した
私達の親友だ だから絶対にお前を傷付けない」
ウルフ「親友…キリアって人か?」
リアン「ああそうだ」
ウルフ「……」
その時ルーシアが城へと戻ってきた
ルーシア「リアン、ミラー……」
ウルフ「その人は?」
リアン「え、ああ…ええと」
ミラー「この人も私達の友達ですよ」
ウルフ「そうか…」
「じゃあ敵はいないんだな…良かった…」
ウルフはまた気絶してしまう
リアン「ウルフ!?」
ミラー「大丈夫です眠っただけです」
ルーシア「………」
「(なぜどうも人は感情に支配されるのか…)」
ジンとキリアは墓で調べていた
ジン「じゃあ…キリアお前も分からないのか」
キリア「あぁ、隅から隅まで調べたが
何も跡も欠片もない不思議だ…」
ジン「ん…おいキリア」
ジンはキラキラと光る小さな欠片を見つけた
ジン「これは?」
キリア「これは魔力の欠片 誰かが魔力で…?
それにこのピリピリするこの感覚…
「天界の仕業か?」
ジン「天界の人達が…一体なぜ?」
キリア「そんなの調べないとわからない」
「……行くしかないか」
ジン「でも…! 」
キリア「いいや大丈夫さ…しばらく
お前達に付き合う事にする」
ジン「キリア…!」
キリア「今日はここまでにしておく」
「明日 天界へ行くぞ」
ジン「あぁ、」
ジン キリアは墓を離れ城へと戻った
ジン「…リアン?」
リアン「なんだ?」
キリア「ウルフになんかあったか?」
リアン「ウルフはさっき目覚めたよ」
「それでアイツはウルフを一度殺した
魔を…ルーシアに復讐をしようとしてる」
ジン「ッ!」
お前は…お前だけはッ…許さない!!!
キリア「ジン…?」
ジン「…ッ! なんだキリア」
キリア「過去のことは気にするな」
キリア…なぜお前は考えていることが
わかる?いつもそうだ…考えていることが
わかっているかのように話しかけては
慰めて支えてくれる
まるで心が…考えていることが
分かるかのように
朝
リアン「朝早くからどこいくんだ?」
ジン「ああ 天界へ行くんだ」
リアン「天界へ!? でもなぜ」
キリア「こいつを調べてもらう」
リアン「これは?」
キリア「これは魔力の欠片だ
これがウルフの墓に落ちていた」
キリア「俺の考えだと誰かが魔力を使い
生き返らしたと考えている」
リアン「天界へ行けば分かるのか!?」
キリア「分からない…でもこれを調べてもらう
価値とやらはありそうだ」
キリア「それじゃ リアン行ってくる」
リアン「気を付けて行ってこい」
キリア「ああ 分かってる」
ーーーーーー
第四章 戦争
イヴ「…動いた」
ルーシア「どうする奴らを殺るか?」
イヴ「これも仕方ないこと…頼みます」
兵士「アリアハンの兵士だぁ!殺れぇ!!」
ルーシア「先は簡単には通さない」
ルーシアは銃で敵を素早く
倒していった
兵士「ば、化け物!!」
ルーシア「我から見たらお前らの方が
凄く化け物に見える」
そして引き金を引いた
ルーシア「……」
ルーシアは血がついた手を見る
ルーシア「やはり殺しておくべきだったんだ…
させないぞ…戦争なんかに!」
兵士1「な、何てことだ…」
兵士2「一人で殺ったのか」
ルーシア「何言っているのか分からないぞ」
「ここは外国だ この国の言葉で…喋りなッ!」
その時ジンとキリアは
キリア「…ッ!」
ジン「キリア?」
キリア「…ッ!!!」
キリアは突然走って来た道を戻り始めた
ジン「キリア!」
キリア「この強く漂う血の匂い…逆らえない!」
「この本能!逆らえない!!!」
俺にイケニエを!!!
キリア「血を!肉を!俺に捧げろ!!!」
ジン「キリアアアアア!!!!」
キリア「…ッ! ジィ…ン!!」
「意識がある…うちに!」
キリアはナイフを取り出し自分の腕を
えぐるように刺した
キリア「クッ!…収まれぇ!!」
ジン「血が! キリア大丈夫か!?」
キリア「ジン…!俺は天界へ行ったら
天界で身を封印させてもらう!」
ジン「何故!?」
キリア「飲み込まれそうになったからだ!
魔の本能に!!」
ジン「キリア…」
キリア「俺は不完全な存在だ…」
「人として魔としても生きられない存在!」
キリア「…ジン…俺は怖いんだ
自分の正体を知ったときから…もし次」
「本能に逆らえなくなり俺が俺でなくなり…
誰かを襲いついにはお前たちを…」
キリア「ジンもリアンもミラも
襲ってしまう…それが怖いんだ…」
キリア「…ジン」
「俺はこのまま…天界へ行き
封印してもらう」
ジン「……」
キリア「はは…元気出せって」
ジン「無理だ…出せるわけない!
またお前がいなくなるなんて!!」
俺は帝王の力で暴走し魔に飲み込まれても
お前を探し続けた! キリアお前を!
やっとキリアは戻って来た なのに
またいなるなくなんて!
…探していた自分がバカのようだ
キリア「ジン…悲しいのはお前だけじゃない」
キリア「俺だってそうだ!」
「俺もずっと会いたかったんだ!
でもこれは仕方ないことなんだ」
キリア「自らを制御できなくなったら
大勢の人達が死ぬかもしれないんだ俺の手で!」
ジン「……」
そうか…そうだよな…そうなりかねないのに
止める俺は何を考えているんだ…
また会えるんだ…もう場所は知っているんだ
天界に封印され そこにいることになるのは
キリア「ジン…こうしよう…
ウルフが生き返った謎が分かったら」
キリア「俺は行く…それまで楽しもう
昔を語りながら な?」
ジン「あぁ…ああ 分かった!」
泣きながらそう言った
キリア「ジン…」
キリアはジンを抱き締めた
キリア「お前だけ泣くな…バカ野郎…!」
それに続きキリアも涙を流した
まったく…お前は子供だな…
叱ってくれる人も…誉めてくれる人もいなく
一人で生きてきたのか…ジン?
あの時俺達の全てが変わったんだ
無理もない…でも大人にならなきゃな
そのあとジン、キリアは天界へと歩き始めた
キリア「(しかしあの強い
血の臭いはなんだったんだ)」
「(イヤな感じがする…)」
その頃ルーシアは
ルーシア「弱い…弱いぞ!!」
兵士「このッ! バケモノ!!」
ルーシア「人はいつもそう言う…化け物と
もっと他の言葉はないのか?」
そう言うとルーシアは引き金を引いた
ルーシア「これで最後か…」
周りには100人ほどのトライスの兵士が
倒れていた
ルーシア「(いつも殺ったあと解放される
ような感覚をしていた)」
「(なのに何故 こんな胸が苦しい!! 何故!?)」
死体の山となった場所にリアンが来る
リアン「ルーシア」
ルーシア「リアン! 何故ここに!?」
リアン「ルーシア何故勝手に動いた」
ルーシア「それは…」
リアン「教えてくれ」
ルーシア「アリアハンを守るため…
このまま放っていたら城は襲われッ!」
リアンはルーシアに抱き締める
ルーシア「リアン?」
リアン「バカだ…お前は あんな騒ぎがあったら
気付かないとでも思っていたのか?」
ルーシア「……」
リアン「ルーシアもうこれは避けられない」
「戦争を始めるぞ!」
ルーシア「何を言ってッ!」
リアン「トライスは兵士を動かし城を
攻撃しようと国にやってきた」
「もうこれは戦争しかない」
ルーシア「…これは私のせいか?」
リアン「お前のせいじゃない…感謝するぞ」
ルーシア「…え」
リアン「ありがとう 城を守ってくれて」
ルーシア「……」
はじめてだ褒められたのは
我は産まれて一度も褒められた事など
一度もなかったあの日以来 そんなことは
良かったよ…お前に着いていて
リアン「ルーシア? 泣いてるのか」
ルーシア「い、いや!
雨だこれは泣いてなどない!」
リアン「そうだな」
「さてどうしたものかこの事態を
国の村や街に知らせるか」
ルーシア「知らせてもいいが混乱は避けられん」
リアン「黙っててもこの事態をいずれ知り
そして人々は混乱するだろう…」
「ならばいっそう 知らせよう 国中に!」
ルーシア「ほう…私はてっきり黙ることを
選ぶと思ったんだがな 違ったな」
リアン「さあ! 城へ戻り伝えるぞ!」
ーーーーーー
リアンは国中に知らせた
「一年前の出来事を知ってのことか!?」
「なんと言うことだ戦争だと!!」
「あぁもう終わりなんだわ!!」
予想通り混乱に落ちた
シヴァン「リアン 次兵士が来たら 出るのか…」
リアン「あぁ」
シヴァン「そうか…」
リアン「シヴァン…」
「もし死んだら あの子よろしくね」
シヴァン「リア …ッ!」
アリアハン兵士「来たぞ!来たぞ!!!」
カンカンっと警告の鐘が鳴らされる
リアン「お前たち! 出るぞ!!」
兵士達「おおおおおお!!!」
シヴァン「リアン待ってくれ!」
リアンはシヴァンの呼び掛けに気付かず
兵士と共に城を出た
シヴァン「まさか…リアンは死ぬ気で!」
ルーシア「死なせないさ」
シヴァン「ルーシア様」
ルーシア「アイツは守る絶対に 城は頼んだぞ」
そういいルーシアもリアンを追い城を出た
シヴァン「私は…何をしているんだ私は…!
王の子だそれなのに…ひっそりと」
「城にこもり戦いに出ないで妻である
リアンに戦いを任せるなんて…私は!」
………(ウルフの過去)
うっ!… これはあの夢
ウルフ「少女…? こんなところに」
兵士達「ガァッ! グァッ!」
ウルフ「あの速さ人ではない!!」
ルーシア「もう君だけだね…」
ウルフ「ッ! 」
周り見て俺は驚いた
さっきまで立っていた話していた者達は
たった一瞬で血を出し倒れていた
ウルフ「よくも…仲間を!!」
「うおおおおおお!!!!」
ウルフ「(ッ! 剣が折られた…!!)」
「うっ!! 」
ウルフ「嘘だ…」
ルーシア「まだ息があるの」
「見た目は少し似ている…けど違う…」
ウルフ「うあああああああ!!!!」
………(現在)
ウルフ「…ッ! うっ… く…!」
「ここは…そうか…城の中か…」
ウルフは部屋を出た
部屋に出ていろんな場所を歩いた
だが人などはいなかったしばらく歩くと
会議部屋からボソボソと声が聞こえてくる
シヴァン「誰だ!…ウルフ!?」
ウルフ「父上!」
シヴァン「まだ寝ていたほうが」
ウルフ「もう大丈夫です城の人達は一体どこへ」
シヴァン「……」
「(何て説明すれば…!
戦争が起こっているなんて言えない)」
ウルフ「父上?」
シヴァン「ああ…ええと…みんなは…っと」
「何処かに行ったんだ」
シヴァン「(何を言っているんだ私は!
嘘を付いたことがないとはいえこれはバレる)」
ウルフ「父上 俺は本気です話してください」
シヴァン「……分かった話そう」
シヴァンは戦争が起こっていることを話した
ウルフ「戦争!では母上はそれに参加を!?」
シヴァン「ああ そうなる」
ウルフ「…俺も参戦しなければ!」
シヴァン「ウルフ! 今はリアンが戻るのを待て 」
ウルフ「しかし!」
シヴァン「大丈夫だリアンには
強い仲間が付いてる」
ウルフ「…分かりました…待ちます」
その頃 ジンとキリアは
キリア「また…血の臭い!!
一体何をしているんだ!」
すると良く耳をすましてみると
火薬を使った音がなっている事に気がついた
ジン「なんの音だ!?」
キリア「そうか…やはり…戦争か…」
ジン「戦争!?」
キリア「こんな血の臭いを漂わせるのは
もうそれしかないだろう」
ジン「魔物がいなくなれば
次は人同士の争いか!」
「くっ…!」
キリア「魔物? そうえば見てないな」
ジン「1年前から魔物の姿が
一匹たりとも見えなくなったんだ」
キリア「そうなのか …クッ!」
魔を解放せよ…
ジン「キリア大丈夫か? まさか!」
キリア「いや大丈夫だ! 気にするな」
「(何だ…あの声…)」
キリア「(ジンに弱いとこは見せられない
俺が守らなければ! 俺が支えなくては!)」
限られた時間でお前を!
兵士「あいつだ!ジンだ捕まえろ!!」
ジン「近頃大人しいとは思ったが…」
キリア「知り合いか?」
ジン「そんなわけ…アイツらは反乱して
俺を吊し上げようと企んでいる城の兵士達だ」
ジン「本当に戦争が起こっているなら
動ける隙はあるな…」
「正直こんな事をしてる時ではないがな」
キリア「信じない気か?」
ジン「あぁ見る限りはな!」
俺は人に戻ってから何もかもが鈍った
いや…戻ったんだろう…人に
今まで耳は良く気配や臭いなどはすぐに
感じられた…だが魔の力を捨てた時
それも感じられなくなった
俺は思ったんだ 人間は不便だな っと
ジンはドラゴンソードを抜いた
ジン「この剣なら相手が人である限り
斬れる事もない…少し気絶してもらうぞ!」
そして何をやるにも力だ俺はもう力がない…
俺は魔を手に入れたのは皆を守るためだった
でもそれを捨てた…守りたかった者を
守れなかったんだ
そして今の俺には何も守れないんだ
リアンもミラーもキリアも俺達の村の人達も!
帰るの家も! 俺の全てが!!
弱いから俺は…みんなに捨てられ
責められ苦しめられている
弱い者はひたすら苦しむしかない
逃げ場なんて何処にもない!!
どこにいても! 苦しめられる!!
これは夢なのかも分からない
正直…キリアそこにいるのかも分からない
これは夢か…幻か…分からない…
戦争? なぜ? なぜ人間同士が争う?
なぜ 名誉のためか?全てを
自分の物にしたいからか?
名を世に知らせたいのか?
分からない理解できない戦争はなぜ起こる…
それ以外でも…なぜ争わなければならない!!
喧嘩もそう…それも争いだ…
…本能なのか 人間の?
キリア「ジン!! もういいだろ!!」
ジン「ッ!」
気付くとジンの前には顔中血だらけに
なって倒れている男がいた
ジン「キリア…何が起こった?」
キリア「え…」
ジン「俺は何をした…教えてくれ」
キリア「一発くらって倒れた男に乗っかって
何度も剣で顔をやっていたんだ
「覚えて…ない…のか?」
ジン「あぁ…ああ…アアアアアアア!!!」
ジンは両手で頭を押さえ座り込んだ
嘘だ…これは俺じゃない!
俺がやったんじゃ!
これが本能なのか俺達人間の…
争う本能なのか
嫌だ…もう…殺したくないッ!!
キリア「ジン!」
ジン「キリア…」
キリア「天界に行くのは よそうお前が心配だ」
ジン「でも…それじゃあ! 欠片の謎が!」
俺は役立たずだ…決めたことを潰してしまう…
自分でもわかってる…俺はもう…大人だ…
こんなことで…涙を流すような歳じゃない
でも俺は…役立たずで…何もできない…
…俺は誉められたい…叱られたい…
笑っていたい…それを願っていた昔からずっと
でもそんなのもう遅い 遅すぎたんだ…
今となれば叶わないただの大人の戯言
憎い…苦しみに生きていない…子供達が!
俺は一人で生きてきたんだ
苦しみに耐えながら!
なぜ俺1人だけ何年も あの時から
苦しまなければならない!
俺はそうやって生きてきたんだ…
誰にも誉められず…叱られず…愛情もない
生きてる意味を失った人生で…
俺はその3つを味わったことない…
そのせいで俺は大人にもなれない!
憎い…親がいる子供達が!
誰か…俺を誉めて…叱ってくれ…
生きる意味を教えてくれ…
父さん…母さん…俺はどうしたらいい…
キリア「ジン…お前…」
「お前はそんなになるまで…!
何故誰にも言わなかった!」
ジン「キ…リア…」
「俺は…どうしたら…いい」
キリア「(そんな心を読み取ったら
俺はもうお前から離れなれないだろ!)」
「(バカ野郎…このッ!…バカ野郎!)」
その頃リアンとルーシアは
リアン「ちぃ! こんな戦力があるとはな!」
ルーシア「真の姿を解放していいか?」
リアン「それはやめといてくれルーシア!」
ルーシア「冗談だ人相手に使う価値もない!」
リアン「ははは…さてルーシア私に合わせろ!」
ルーシアはリアンを見てうなずく
「うおおおおおおお!!!!!」
リアンの動きに合わせてルーシアは
銃とナイフを使って攻撃する
ルーシア「今のどうだ!?」
リアン「最高だ このまま頼むぞ!」
ウルフ「母上…!」
ウルフは突然と立ち上がる
シヴァン「ウルフ 夢にでも見たのか」
ウルフ「父上! 俺はまた倒れて…!」
シヴァン「ウルフ…久しぶりに剣でも振ろうか」
ウルフ「は、はい!」
シヴァン「(私は戦えない…
でも伝えることはできる)」
訓練所へ行き木で作られた剣をとる
ウルフ「……父上 よろしくお願いします」
シヴァン「ああ…手加減はしないでくれ」
ウルフ「はい!全力で行きます!」
シヴァン「クッ!」
シヴァンは一発受けて飛ばされる
ウルフ「父上!」
シヴァン「気にするな! さぁもう一度だ!」
そして立ち上がる
私は守りたい…リアンを!
今ここで剣を振るえるように
戦えるようになってやる!
………
ウルフ「父上もうやめたほうが」
シヴァン「まだいける! 大丈夫だ!!」
ウルフ「…わかりました 行きます!」
私は強くなるんだ!
シヴァン「グハッ!」
シヴァンよ お前はそんな物を持つでない!
シヴァン「父上…」
お前は捨てゴマをただ操ればよい
そして名を世に知らせ国を 支配下を増やせ!
そしてお前はただ指示をだし
捨てゴマどもを戦わせればいいだけだ
シヴァン「俺は…父上のようにできません」
何故わからん我々は兵士よりも上の存在
そんな兵士どものようにお前は剣を握るな
シヴァン「(皆には分からない王の裏の顔…)」
「(私はそれを見てきた…ずっと)」
シヴァン「(父は亡くなる前
戦争を始めようとした)」
アリアハン王「今より戦争を始める
1週間後まで準備せよ!」
シヴァン「(それを阻止するため私は毒を使い
王である父を殺した…)」
「(毒に苦しんでいる時…兵士とリアンがやって
来た そして苦しんだ声と共に)」
シヴァン「(リアンに王座を継ぐよう言った)」
「(父は元々リアンを何かの捨てゴマとして
使うはずだった…嫁がせたのもその1つ…)」
裏の顔、誰もが持つ誰も知らない顔
私はいつもその顔を恐れていた
幼いときからずっと
周りの人達は…ゴミを見るように
私を見てくる日々
そして偽の笑顔を見る日々
そんな中 父上は妻として私とリアンを嫁がせた
最初は皆と同じだろうと思っていた
でも違ったリアンだけは
リアンは私を睨んだりしては来なかった
いつも笑顔でいてくれた
私にはわかった本当の笑顔だと
人達に睨まれる日々を送る私にとっては
リアンは癒しだったそんな彼女を守りたい!
私はリアンがいなくてはダメなんだ!
彼女がいなくてはダメなんだ…!
………
ウルフ「父上!もうやめましょう」
シヴァン「こんなアザ大したことっ!」
私を強くするのは 蘇った息子である
ウルフしかいない!
シヴァン「ウルフ頼む!リアンに教わった
剣の使いを私に教えてくれ!」
ウルフ「……分かりました それは断れません」
シヴァン剣を握るな!
血の世界へ行くな!!!
その頃 ジンとキリアは
キリア「もう…落ち着いたか?」
ジン「あぁ落ち着いたよ」
キリア「一度城へ戻るか」
ジン「…その魔力の欠片の謎はどうするんだ」
キリア「そうだな また次に行こう
今はリアン達が心配だしな」
ジンとキリアは城へと戻るため
来た道を戻る
ジン「(本当に戦争が起こっているなら…)」
「(俺はどうしたらいい…)」
ジン「(俺は守れるのか…みんなを)」
「(分からない…どうしたらいい)」
ーーーーーー
ミラーはアリアハンにある自宅にて
謎の少女と共いた
ミラー「戦争になってしまいましたね」
イヴ「そうですね…防げませんでした……」
ミラー「そうですねところで
グレインさんは…お元気ですか?」
イヴ「はい 元気ですよ」
ミラー「そうなら良かった」
イヴ「……」
ミラー「イヴ?」
イヴ「心配ですね…戦いに出たみなさんが」
ミラー「無事に帰って来てくれる事を…
祈るしかありません」
イヴ「誰か来るッ!」
レン「母上1人ですか? 誰かといると
思ったのですが」
ミラー「ずっと1人よ」
謎の少女は屋根へと
移動していた
イヴ「……」
「欲しいな…私の子供…」
イヴ「でも大変そうだな…」
ミラー「レンあの話聞いた?」
レン「ウルフの事?」
ミラー「そう…嘘ついてごめんなさい
行方不明になったなんて」
レン「またその話ですか 大丈夫です!」
「真実を聞けてあの時は良かったと
思いましたから 少し悲しかったけど…」
レン「まあでも! ウルフは生き返りましたし
私はこれでいいと思ってます」
ミラー「(ずいぶんと育ったものです レン)」
「(あなたは雨の中…捨てられていた子とは
思えないほどに元気に育ちましたね)」
……(回想)
レンがまだ赤子の時雨の中
教会の前で捨てられていた私はそれを見つけ
私は名前を付け自分の子供の様に育てた
名前はレン・ミラノ
私の名前を少し付けた名前
最後のノは姉さんの下の名前を使った
リアン・アノス この名前のノを付けた
姉さんと私はそれぞれ下の名前違うから
私は名前 ミラー・セレ
これは母は付けた名前
リアン・アノス
姉さんの名前は父が付けた
それぞれ違う名前なのは珍しいこと
こんなことほとんどないでしょうね
……(現在)
レン「母上?」
ミラー「どうしたの? レン?」
レン「なんか…悲しそうな顔してたからさ」
ミラー「え…」
ミラーは気付いた…自分が涙を
流していることに
レン「母上 なんかありましたか!?」
ミラー「いえ、何もありません! 大丈夫よレン」
イヴ「やっぱり泣くんだ…
またね…ミラーさん」
イヴは飛び去っていった
リアン「ハァ…ハァ…ハァ やったな」
ルーシア「だな…」
ルーシアは血まみれになっていた
リアン「お前血まみれだぞ」
ルーシア「なあに こんなのいつもの事さ」
リアン「よし…者ども我らの勝利だ!! 」
兵士達「おおおおおお!!!!」
敵の兵士は負けた
つまり防衛戦にリアンは勝ったのだ
リアン「さてお前達!負傷している
敵の兵士達を手当てしてくれ」
ルーシア「リアン何を言っている」
兵士1「リアン様!この敵兵は城を
攻撃したのですよ!!」
兵士2「私は治療などする気はありませんよ!」
リアン「ならしたくない者達は
先に城へ戻り体を休めてくれ」
ルーシア「(どうして…我にはわからない
なぜだ国を攻撃したんだぞ…なぜ助ける?)」
半分の兵士はここを立ち去り
もう半分の兵士は残った
リアン「さぁ始めてくれ」
ルーシア「クッ!リアンどうしてだ
なぜ助けるんだ! 敵だぞ!」
リアン「戦に出る者達はみな生きて帰る
それだけを願う者達も少なくはないはずだ」
リアン「家族も願っているはず だから私は
味方も敵も生きて帰らせたいんだ」
ルーシア「そんな事を考える奴は
いつかは死ぬぞ!」
リアン「私は死ぬ覚悟はある…いつでも!」
「誰の手で死のうと私は喜んでその手で死のう」
ルーシア「どうしてお前は…!」
リアン「………」
ルーシア「もっと身を大事にしないのだ!?」
「死んだらもう誰にも会えないだのぞ!!」
ルーシア「ジンもミラーもウルフも!
死んだらずっと…永遠に会えないだぞ…」
「ずっと暗い場所でさまようんだぞ…ッ!」
ルーシア「私は一度ジンに殺されたその時に
気づいた死は悲しい存在と!」
「お前は…それでいいのか!?」
リアン「私は……」
敵兵士「その命もらったぁー!!!」
敵兵士はクロスボウ持ち立ち上がった
ルーシア「リアン避けろッ!」
そしてクロスボウでリアン向けて矢を放った
リアン「……」
リアンは目を閉じ避けずそのまま立ってた
すると兵士達はざわざわと騒ぎだす
「魔」と言う声が聞こえてくるリアンは
目を開け前を見るリアンの前に立っていたのは
あの少女姿をした者がいた
背中には黒い羽がはえていた
ルーシア「お前は!」
リアン「あの時の魔族!」
イヴ「死んだら駄目ジンが悲しむ」
リアン「なに!」
イヴ「命を大事にして」
そう言い飛び去った
リアン「なんだったんだ!今のは!!」
ルーシア「……」
リアン「ルーシア知っていようなら
教えてくれあの悪魔を!!」
ルーシア「記憶の間ってのは覚えているか?」
「天界が造り出した予言を当てるやつ」
ルーシア「そいつを思い返してみろ
それ以外言うことはない」
記憶の間…1年前ジンを救うため
見たジンの記憶
いったいその記憶の何を…いやあの!
リアン「あの悪魔が…そうなのか…!?」
ルーシア「あぁ…そうだ」
リアン「もっと詳しいことを話してくれ」
ルーシア「ここではなんだ 城へ戻ったら話そう」
ーーーーーー
敵兵士を治療し国へ返した
そして城へ帰った
リアン「話してくれルーシア」
ルーシア「あの魔は人と魔の間で産まれた
そして帝王の力と人の力を引き継いでいる」
「あの魔の名はイヴと言う」
ルーシア「イヴはジンが苦しむ過去から
解放しようとしている」
リアン「苦しむもの?」
ルーシア「あいつは子供の時から悪夢に
苦しんでいる皆に話さず…ずっと今も」
「最近では幻声も聞こえるとジンから聞いた」
リアン「…ッ!」
父さん…母さん…いまそっちに…!
リアン「あの記憶は…それが原因か」
ルーシア「もうはっきりと言っていいだろう」
「あいつは心に強い異常を持っている
過去の何かの影響で」
リアン「多分竜王に両親が
殺された事が原因だろう」
ルーシア「竜王だと?」
リアン「まだ私が15の時でジンは14だった」
「村へ戻ると家は燃え周りには
魔物が倒れていた」
リアン「そして私達の両親はこう言った
村へ出てこの城へ行けと」
ルーシア「そのお前たち両親は戦ったのか?」
リアン「ジンと私の両親はかつて竜王と
戦って支配を阻止した英雄だったんだ」
ルーシア「知っているその話 奴らには
一度邪魔をされた事があるしな」
ルーシア「それで村を襲われてどうした?」
リアン「私達は言われた通り城へ言った」
「だがジンは兵士を借りたいと王に言ったんだ」
リアン「王は悩んだ…その時
ドラゴンの咆哮が聞こえてきたんだ」
「その事に王は信じ兵士借り村へ戻ったそして」
リアン「村へ戻ると…そこには死体があった」
「喰い千切られた私の父と爪で裂かれた
ジンの母親と父親が残されていた」
「信じられなかった…」
リアン「この酷い姿を見て…」
「お父さん 起きてよ!」 「お父さん…お願い…」
「母さん…!」
リアン「その中生きていたんだ…ジンの父は」
「ジンに竜王を倒す方法を教え力尽きた…」
リアン「その時のジンは…復讐を誓った」
「竜王を倒すと」
ルーシア「リアンの母親はどうした?」
リアン「母は竜王に捕まったんだ」
ルーシア「なに?」
リアン「母は生まれつき強い魔力があった」
「竜王は母親を捕まえ魔物の強化に使った」
リアン「なんとか助けれた…でも
1年前母は何者かに殺された」
ルーシア「リアンそれでもよく狂わなかったな」
リアン「私はな…でも14だったジンには
それが苦しむ原因となったんだと思う」
「ジンは父親も母親も誇っていたもちろん
私よりも両親を誇りに思っていた」
リアン「あの時皆つらかった両親が
酷い死にざまとなり 突然の別れとなった」
ルーシア「聞いてくれ言うことがある実は
我はあの悪魔イヴに手を貸している」
「助けたいと思っているジンのあの苦しみから」
ルーシア「その苦しみを知らずさらに我は
家族を襲いバラバラにし吊るしてしまった…」
「そしてさらに悪化させてしまった…!」
リアン「だがルーシア そいつは信じられるのか」
ルーシア「あぁ…信じられる…あの悪魔は」
「もう1人のジンの実の娘だからな」
リアン「なに!?」
アリアハンの屋根にあの少女イヴが居た
そしてこう言った
イヴ「父さんの大切な人達みんな私が
守るよ誰も失わせない…! そして父さんもね!」
ーーーーーー
天界にて
ディール「我の苦しみは消え去った…
あとはお前だけだ ジン」
リュカ「…フフ」
リュカはディールの頭を撫でる
ディール「な、なにを!」
リュカ「無性に撫でたくなった」
ディール「わ、ま、待て!」
ジンもう少しだ耐えろ
帝王ディール…この我は
今すごく楽しい
ーーーーーー
第5章 愛した者との再開
ジンとキリアは戦場であった場にいた
なぜお前がいる!?
死んだんじゃないのか!
ジン「殺されたはずじゃ……なかったのか!?」
アーリヤ「……」
キリア「ジン離れろこいつは
呪いをかけられている」
ジン「え…何を言って」
キリア「呪いでそいつは自分を制御できて
いないと考えていいだろう」
ジン「…ッ!」
「あなたなら…きっと私を」
ジン「あの時の言葉の意味は
その意味だったのか!?」
アーリヤ「……」
ジン「何か喋ってくれ!アーリヤ!!」
アーリヤ「…こ…ろ…して…」
ジン「アーリヤ…ッ!」
キリア「…なぜこうも死を選ぶ
呪い解く道はあるだろうに」
ジン「クッ…」
なぜ殺さなければならない
運命を変えてやる!!
信じた誰かが消えて行くのは
もう嫌なんだ だから俺は
ジン「お前を救ってやる!!
絶対に殺したりなんかするものか!!」
アーリヤ「ジンお願い…殺して…」
「あなたを…傷付けたくない…」
ジン「殺すもんか絶対に! 必ず助ける!」
ーーーーーー
数分前
キリア「ジン もう落ち着いたか?」
ジン「あぁ、ありがとうキリア」
キリア「さぁ城へ戻ろう」
俺達は来た道へ戻る
そしてあの戦場であっただろう所に
たどり着いた
ジン「本当に戦争が!」
キリア「この破片 隣の国の鎧だ」
ジン「本当に攻めてきたのか!」
キリア「らしいな」
ジン「ちぃ!」
キリア「まあ心配はないだろう」
ジン「なぜそう言い切れる!?」
キリア「よく見てみろここに落ちているものは
隣の国の物ばかりだ防衛戦勝てたのだろう」
ジン「だが…心配だ早く戻ろう!」
アリアハンの城へ続く道へ向かうおうと
振り向くとそこには禍禍しい空気を
漂わせる女性が立っていた
キリア「気付かなかった…何者だ!」
ジン「…アーリヤなのか?」
キリア「なに?」
そして今に至る
ジン「絶対に助ける!」
剣を抜きアーリヤへと走った
キリア「待て!ジン!!」
ジン「うおおおおおお!!!」
しかしジンは突如現れた無数の手に捕まる
ジン「なんだこれは!!」
キリア「ジン!」
アーリヤはジンに両手を伸ばし出す
するとジンを捕らえた無数の手は
アーリヤの元へと近付ける
アーリヤ「ジン…ごめんなさい…」
アーリヤはジンを抱く
ジン「アーリヤ…?」
アーリヤ「これで最後になるから
まだ意志が少しあるうちに こうしてくて…」
ジン「最後なんて言わないでくれ…
またあの時の様に一緒に!」
アーリヤ「一緒?…突然居なくなったのは
あなたでしょう?」
「何も言わず身を傷つけ海に身を投げて
居なくなったのはあなたからでしょう!?」
ジン「…ッ!」
アーリヤ「私はあなたが居なくなってから
ずっとずっと寂しかった…孤独だった…」
「私がこうなったのはあなたが消えたと
知ったときに自分を押さえられなくなった」
アーリヤ「でもどこかで生きているんじゃないかって自分の中では信じてずっと探した」
「こんな身になりながらずっと何年も…
そしてようやくあなたに会えた」
ジン「あれは仕方なかったんだ!」
「知らなかった訳じゃなかったはずだろう
あの時は両親が死に故郷も壊され」
ジン「帰る家などなくて両親が死ぬ瞬間が現れ
悪夢がいつも俺を苦しめた…」
アーリヤ「ジン…なんで女の臭いがするの?」
ジン「え…」
アーリヤ「裏切ったの?」
ジン「ち、ちがっ!」
アーリヤ「この裏切り者!!」
ジンは投げ飛ばされる
ジン「グハッ!」
アーリヤ「ア“ア“ア“ッ 殺して…殺してぇ!」
ジン「アーリヤ! 腕が…」
「腕がァアアアアアア!!!!!」
ジンの腕はあり得ない方向へと
折れ曲がっていた
キリア「ジン…」
「………」
キリア「貴様…」
キリアの方へと視線を向くとキリアは
魔となっていた
キリア「貴様ァアア!!!」
ジン「キリア!! やめろぉ!!!」
キリア「アアアアアアア!!!!」
「ダメだ…このままじゃあ…止められない!
俺には止める力もないのか!」
「また信じた者が死ぬのか…」
「止めたい!助けたい!」
ジン「もう一人も死なせない!!!」
力を…俺に力を!
ジン「グアアアアアアアアアア!!!!!」
キリア「ジン…!?」
ジン「ガルルル」
アーリヤ「ジン…!」
ジン「(力がみなぎる これなら止めることも!)」
ジン「シャアアアーー!!!!」
ジンは二人の間に行き切り離した
キリア「クッ!」
アーリヤ「キャッ!」
ジン「ク…アア…!!」
ジンは倒れてしまう
ジン「(ダメだ…まだ倒れては!
立ち上がれ!立ち上がれぇ!!)」
キリア「貴様のせいでぇ!!!」
アーリヤ「アアアアアア!!!」
また二人は近付こうとする
ジンはそれを防ぐ為の力はなかった
すると何処からか魔法が飛んでくる
アーリヤ、キリア、はそれを避けた
イヴ「…強力な力が二つも…感じる」
キリア「どけぇえ!邪魔をするなあ!!」
アーリヤ「下がれぇ!」
イヴ「ごめんなさい…」
キリア「グハッ!」
キリアは気絶のしたのか
魔の姿から人へと戻った
アーリヤ「何がッ! 見えなかった!!」
「あなた何者なの!?」
イヴ「……」
アーリヤ「答えて!!」
イヴ「…私を知らない方がいい」
「でもこの姿は覚えていてほしい」
すっと手を動かす すると見たことがない
魔法が放たれる
ジン「その…魔法!」
少女の悪魔が放つ魔法
微かに意識があるジンはそれを見た
それの魔法はジンは知っていた
ジン「やめろ殺すなぁ!!!」
イヴ「え…」
アーリヤ「しねぇえ!!」
イヴ「ッ! ガハッ!!」
イヴは飛ばされる
そして受け身を取り立ち上がる
イヴ「無数の手…なら簡単かな…」
波のように襲い掛かる手を
風のように避ける
アーリヤの後ろへと回り込んだ
アーリヤ「早い!?」
少女の悪魔は軽く背中に触れる
アーリヤの禍禍しい気はだんだんと
消え去っていく
イヴ「…これでいいかな」
アーリヤ「ガハッ…ガハッ…」
キリア「そいつに…なにをした」
イヴ「呪いを解いたんです」
キリア「魔がなぜ!?」
イヴ「………」
「とりあえずジンを見て…」
キリア「…ジン?」
ジンは少年の様になっていた
イヴ「多分一瞬だけ見せた力の影響だと思う」
キリア「…ッ!」
イヴ「ではまた」
キリア「待て話はまだ!」
「…飛び去ったか ジンどうしちまったんだ?」
アーリヤ「うぅ…」
キリア「アーリヤ? だよな」
「さっきはすまなかった」
アーリヤ「いえ、こちらこそ」
「呪いかけられ抵抗できなかったとはいえ…」
キリア「…しばらくジンはこうなのか」
アーリヤ「かも知れませんね」
イヴ「絶対に治す方法見つけてくるから」
あのあと…どうなった…
叫んだあとが思い出せない…
わからない…何があった
キリア、アーリヤはジンを
連れ城へと戻った
リアン「ジン!?」
ミラー「いったい何があったのですか!?」
キリアは今までの出来事を話した
キリア「こんなことがあって ジンは…」
ルーシア「神経が退化している
これは一時的なものだろう」
アーリヤ「魔族!?」
ルーシア「見抜いたか…だが
お前も魔族に近い存在だがな」
アーリヤ「知っていますよ…
私の娘を殺したのですよね」
ルーシア「娘…? お前ジンの妻か」
アーリヤ「少しこちらに」
ルーシア「フン…」
リアン「ルーシア!」
ルーシア「止めるなリアン…」
キリア「別に殺されはしないだろう
二人のことは気にするなリアン」
リアン「あ、ああ…」
俺は…何をしている…
ずっと暗闇の中だ…
どうなった…わからない…
ルーシア「まず質問させてくれ」
「なぜ生きているお前は私が殺したはずだ」
アーリヤ「あなたが殺したのは私ではない…」
「ジンに借りを持つ…エルフです」
……(回想)
アーリヤ「ジン…どうしてっ!」
ジンが自ら命を絶った事を知り
私もジンを追い 死のうとした時
あのエルフは現れた
エルフ「お待ちください!」
アーリヤ「だれ!?」
エルフ「私はジンに救われたエルフです!」
「私になにか恩返しさせてください!」
アーリヤ「すみません…ジンはもう!」
エルフ「そうですか…」
「あなたの腕から顔にかかれた物」
エルフ「それ呪い ですね?」
アーリヤ「この呪いを知っているのですか!?」
エルフ「もちろん知っています」
アーリヤ「でしたらこの呪いを!」
エルフ「できません」
アーリヤ「え…」
エルフ「その呪いはとても強力で
とても解けるような物ではありません」
「呪いの支配 防ぐ方法ならあります」
エルフ「それは感情を殺すこと」
私は最初 何を言っているのか
わからなかった…でも少しずつ
わかるようになった その意味を
エルフ「気分はどうですか?」
アーリヤ「とくに…」
エルフ「感情は捨てられない…わかってます」
アーリヤ「……」
アーリヤの呪いの紋章は腕から頬まで
絵のように侵食されていた
エルフ「その呪いは感情の呪い」
「完全に侵食されると自分の意思とは
関係なく感情のままに襲う」
私は何もできずに呪いに侵食された
アーリヤ「感情のままに動く呪いなら…」
「ジンを探して…殺してもらえば!」
私は呪いの感情をうまいこと操った
意識がまだあるうちに
他の事は考えずにジンの事を考え
ジンによる感情を強く意識した
これを何年も何年も繰り返した
ルーシア「呪い感情はいつから?」
アーリヤ「私が産まれたときには
もう呪いがあった」
ルーシア「そうかやはりお前だったか…」
アーリヤ「…?」
ルーシアはアーリヤが出した
無数の手を出した
アーリヤ「それは…私と同じ…」
ルーシア「その呪いをかけたのは私だ」
アーリヤ「ッ!?」
「何故私に呪いを」
ルーシア「それは…」
アーリヤ「信じなくてもいい」
「我はお前の…」
リアン「二人とも戻ったな」
ルーシア「ああ」
ーーーーー
第6章 それでもなお
イヴ「人も魔を愛し魔も人を愛すか」
「結局あの人も知れば知るほど優しいんだね」
イヴ「まあ、知るまで生きているかは
分からない者だけど」
イヴはアリアハンに侵入し
ジンのいる部屋へ行った
ジン「だれ…?」
キリア「ジン…」
キリア「ジンお前に聞きたいことがある」
「お前は何者なんだ?」
キリア「お前は化け物になった
人となった身としても…」
キリア「…お前を助けたい来てくれ」
キリアはジンに手を伸ばす
その手をジンは握った
「(キリアの手って…こんなに小さかったけ…)」
兵士「リアン様! 何者かに ジンを
連れてかれました!!」
リアン「なに!?」
ルーシア「…ッ!」
アーリヤ「ッ!」
キリア「チィ! 油断していた!!」
イヴ「耐えた…つもりだった…でも…
耐えられなかった…」
ジン「…おねぇさんだれ?」
イヴ「……」
騙せるかな…精神が少年まで退化した ジンを
イヴ「忘れちゃったのジン姉さんだよ?」
ジン「ねぇ…さん? 姉ちゃん!!」
ルーシア「…ハァ…やれやれ…」
リアン「どこへ行く」
ルーシア「部屋に行くだけさ
今日は…色々とありすぎだ」
リアン「ジンが何者かに連れ去られたのだぞ!」
ルーシア「ああ…そうだな…」
…あのバカ者め
ルーシアは部屋を出て
自分の部屋へ行った
部屋に入ると速攻にソファーに寝転がる
ルーシア「……」
「明日始まるな…本格的な戦争が」
ルーシア「リアン…人々と友お前は
どちらを選ぶか楽しみに見ていよう」
アーリヤ「ルーシア…さん」
ルーシア「アーリヤ?」
アーリヤ「探しに行かないのですか」
ルーシア「行かないさ…連れ去った正体は
知っているまあジンに危害を加えないだろう」
アーリヤ「退化した精神が戻ったら」
「ジンは…どうするでしょう…」
ルーシア「……」
「ちぃ…やかましい奴め 行ってくる」
アーリヤ「あの! 私も!」
ルーシア「今は動くなアーリヤ
呪いの影響で動くのもつらいだろう」
アーリヤ「でも…」
ルーシア「自分の体の心配をしろ
今日はゆっくり休み 明日を待て」
アーリヤ「はい…」
リアン「ルーシア…またどこかに何を企んでいる」
ウルフ「母上」
リアン「ウルフ…もう動いても平気なのか」
ウルフ「はいもう大丈夫のようです」
リアン「……」
ウルフ「母上?」
リアン「お前に聞きたいことがある」
リアン「もしお前が過去に殺した
魔族がここに入ればどうする」
ウルフ「それはもちろん…あの時の仕返しを!」
リアン「そうか…じゃあ聞いてくれ…」
ルーシア…お前のその企みを暴いてやる
ジンのもう一人の娘?
ふざけるなよルーシア
お前の主はこの私だ
そろそろ勝手に動かれると困る
戦争もあるんだぞ
次の日
キリア「……」
朝ウルフは城を出た
剣、銃、槍、あらゆる武器を手にして
キリア「復讐に飢えたなウルフ…」
「リアン何故あのような言い方を
もっと別の言い方があっただろうに」
「私も殺されてしまう
魔人ルーシアを討ってほしい!!」
キリア「堕ちたものだなリアン…」
「フン、打つ手は…だそう…」
全てをまとめるには悪が必要だろ
ルーシア「お前は…フッ そうか」
ウルフ「俺を殺し!
母上を操ろうと企みをもつ悪め!」
ルーシア「どういう意味だ?」
ウルフ「とぼけるなー!!!」
ルーシア「…… そうか」
「やっとその気になったって事か…リアン…!」
ルーシア「だが今は殺られる時ではない」
ルーシアは視界に追い付かない
早さで去っていった
ウルフ「お前を逃がさない!!」
ルーシア「その気になったのだなリアン…!」
「ついに我に刃を向けるか」
ルーシアは涙を流す
それに驚きルーシアは止まる
この1年間のリアンとの
記憶が思い出す
ルーシア「これは…なんと言うんだ…」
「この目から流れ出すこれは!」
ミラー「涙 ですよ」
ルーシア「ミラー!?」
ミラー「ルーシアさん誤解を解きましょう」
ルーシア「一体なんのだ…」
ミラー「ウルフに伝えたあの言葉の!」
ルーシア「はは…別に構わない…」
「我はリアンの敵になる!」
ミラー「何故ですルーシアさん!?」
ルーシア「いずれこうなると思っていた」
「だって息子を殺したのだから」
ルーシア「恨みを持たれて当然だ」
「我も…あの日からずっと後悔していた
家族に手を出したことを!」
ルーシア「ずっと1年 1年もずっとな!
リアンが敵に目覚めたのなら」
「我は喜んで死のう」
ルーシア「ただ…今すぐとはいかないが」
「ミラー、リアンに伝えといてくれ」
ルーシア「息子と共に刺しに来いと!!」
ミラー「なら私も!ルーシアさんと!」
ルーシア「何故そうなる!
それだと姉を裏切ることになる!」
ミラー「構いません…構いませんよ…それで」
私はあなたの隠れた優しさを知っています
だからその優しさを絶えないように
私は支えたい、支えていたいのです!
ルーシア「しかたない…」
「我の生まれた話と親の話をしよう」
ルーシア「我は…人間界生まれの魔族なんだ」
「我は魔と魔で生まれた魔界でなく人間界で…」
ルーシア「父は…父の名は…」
「そう…アスランだ」
ミラー「アスラン…竜王!?」
ルーシア「ああ、お前の父殺し
お前達の故郷を壊した竜王の娘だ」
ミラーは突然の真実に信じられず
涙を流し座り込む
ルーシア「なんで…お前達の周りには
こういうのしかいないのだろうな…」
「どうするミラーそれでも着いてくるか?」
ルーシア「……」
ミラー「嘘ですよね!?」
ルーシア「腕を…見てくれ…」
「あの竜王と同じ鱗をしているだろう」
ルーシア「これが証拠だ…!
ただ父のように竜になれる事はないが」
ルーシア「その理由は分かっている
父よりも母の力を引き継いだらしい」
ルーシア「父アスランは人にも優しかった…」
「我はその優しさを引き継いだのだろうな」
ミラー「でも父は人の母がいたのでは」
ルーシア「それは我が生まれ100年後の話だ…」
「我が生まれそして50年後は母は寿命で死んだ
100年後新たな妻となったのは人間だ」
ミラーは息を荒く吸い始める
こんな近くに全てを壊し狂わせた
竜王の娘がこんなすぐ近くにいたことに
ルーシア「……大丈夫かミラー」
「すまない興奮して話しすぎて
話しすぎたかも知れん…」
ルーシアはミラーの背中をさする
ミラー「それ…なら…私達も…
あなたの…父親を!」
ルーシア「…大丈夫だ私が許そう…大丈夫だ」
大丈夫 大丈夫だ
キリア「隣の国から軍が来たら」
「ジン、リアン、ミラー、
お前たちとさようならだ…」
そうだこの世界(人間界)には魔が必要だ
人と人が、戦争が起こらぬように
再び魔物を呼び寄せなくては
覚えている父が幼い頃
俺の手を握りそう言ったことを
キリア「…結局魔の王も優しかった なら」
「本当の魔は、人だ!!!」
アイツらの為なら俺は
自分を失い魔に堕ちよう
人との争いを無くすために
俺が生まれた
キリア「……なんでだろうか」
「怖いな…嫌だな…」
死にたくないなぁ…
ジン「…俺は…ここで何をしている…」
ジンは気付いた
ジン「どこだ ここは…」
イヴ「もう戻ってしまったの」
ジン「お前は…あの時の!? 目的はなんだ!」
イヴ「あなたを幸せにすることそれが目的」
ジン「意味のわからないことを!」
イヴ「私はあなたとは争いたくない
どうか落ち着いて」
ジン「お前は何者だ」
イヴ「私を知らなくていいですよ
名前も全部 ただ姿だけを覚えていればいい」
ジン「そう…なんか悪かったな?」
ルーシア「イヴ!」
イヴ「ルーシアさん?」
ルーシア「ジンを返せ!」
イヴ「……」
「ダメ…です…」
ジン「ミラーも何故ここに?」
ミラー「……」
ジン「ミラー?」
ルーシア「ジン後で話そう」
ジン「…?」
ルーシア「とにかくジン!こっちこい!」
ルーシアの元へ足を一歩進めた途端
後ろへ押され鎖付けられる
ルーシア「何のつもりだ!?」
イヴ「耐えていたんだ…でも限界だった」
「お二人はこの意味
知らない訳ではないでしょう?」
ルーシア「あぁ…そうだな…」
「でも今ジンがいないことにより…今は」
ルーシア「頼む…ジンを返してくれ」
ミラーは泣いている
なんなんだ 今何が起こってる!?
ジン「待ってくれ何がなんだか!
知ってることを教えてくれ!!」
イヴ「ルーシアさん私の説明はしないで」
ルーシア「分かってる」
ルーシアとミラーは知っていること話し
起こっていることを話した
ジン「目的を…話さなかった事が原因だろう」
ルーシア「そうだろうな」
ジン「何故こうなるまでリアンに話さなかった」
ルーシア「他の魔族と会ってるとも言ったが
これは分からない」
ジン「とりあえず城に一緒に戻り…」
ルーシア「無理だな…」
ジン「え…」
ルーシア「リアンは生き返った息子に
操ろうとしたなんて言ったかもしれん」
「戻って目的を話しリアンが信じても
その息子は殺そうと目を付けるだろう」
ルーシア「殺したのは我とも知った
もう戻れないあの城へ」
ジン「でも…!」
ルーシア「それに!!」
「我はお前の両親を殺し故郷を壊した
父の竜王の娘だしな!」
ジン「なんて…言った…ルーシア?」
ミラー「ルーシアさん!!」
ルーシア「もういいんだ…ミラー」
「これで本当に もう戻れない!!」
ルーシア「それにまだ竜王を恨み
一族を滅ぼそうと見ているのなら」
「いつでも呼べ死にに行こう
お前達なら…その手に喜んで死んでやろう!」
ルーシアは涙を流しそう言った
ジン「そんなのもういいんだ!!」
ルーシア「…ッ!」
ジン「あの事から一緒に城へ暮らし…
お前とは喧嘩もしたでも1年もいるうちに」
俺のどこかではお前を
信じられる奴として見ていた!」
ジン「いなくなるなルーシア!」
いなくなってしまう
また信じた者が一人消えてしまう
嫌だいなくなるな!
俺の見えないところに行かないでくれ
行くなぁぁああああ!!!!!
ミラー「ジンさん!」
イヴ「何が…起こったの…」
ルーシア「ジンなんのつもりだ」
ジン「………」
ジンの体の半分は竜の鱗となっていた
またなってしまったのだ
ルーシア「ジン…これで分かったろ…」
「お前も我も結局睨み会う存在だった事を」
ジン「いなく…なるな!!」
ルーシア「……」
「ダメだジン…もういられない!!」
ジン「行くな!!」
ルーシア「はは…そうかこれでもお前達に
父を殺された 仇を取るのも悪くないな!」
ジン「…ッ!」
………
ルーシア「なぜ攻撃しない!?」
ジンは攻撃してはこなかった
ルーシア「仕方ないその気にさせるために
教えてやろう」
お互い親を殺し殺され恨みを持つ娘と息子
ルーシアはジンを狂わせた理由である
実の親と信じさせるためあの腕を見せた
これでもう戻れない永遠にあの
三人に憎まれる存在になったと
ルーシア「竜王の娘だこれが証拠
これで戦う気になったか!?」
ジン「俺達の過去を気にするな…」
ルーシア「ジン…」
ジン「過ぎたことは戻らない だから
俺はもう考えを変えたんだ」
ジン「皆のそばに居たいなんて思ったり
癒しを求めたり恨んだりなんてした」
「でももういいんだ…考えを変える
もっと別なことを…」
ジン「変わりに死んでやる」
「俺を殺し終わらせてくれ」
お前の親である竜王殺した
それを恨むなら信じた者である
お前に殺られるならば…
変わりに死んでもいい…
これでも一度死んだ身だ
怖くない…死ぬのはな…
怖くない…怖くないよ…
怖くないから…
ジン「怖い… 怖い…死にたくない」
ルーシア「ジン…」
なぜだ…なぜ俺はいま弱音を…
結局俺は子供だ…歳は大の大人で
見た目は20歳 精神が子供のままな大人だ
ワガママばかりで
それを力ずくで叶えようとする
ワガママな大人だ
ルーシア「当たり前だろジン!
死は覚悟しても結局怖いものなんだ!!」
まるで魔族と殺り合い魔界を
血の海にしたとは思えない優しさ
初めて時の時とは想像も付かないほどの優しさ
これなら本当に俺が1年前暴走したときに
襲われていた子供を助けていたと信じられる
そんなやつが変わるなんてな
不思議だ…本当に不思議だ
ウルフ「ルーシア!!」
ルーシア「ウルフ…」
ウルフ「全ての洞窟を探って来たんだ」
ようやく見つけたぞ!ルーシア!」
ジン「復讐に飢えるか」
ウルフ「ッ!? ジンさま!!」
ジン「ウルフ剣を下ろせ」
ジン「復讐を遂げてもあとに残るのは
物足りなさが残るだけだ」
ウルフ「私はそんなにはなりませんよ」
ジン「いやなるさ復讐は悪になる 繰り返しだ」
「相手を殺したとしても もっと殺したい
気持ちだけが残る殺した達成感を感じるために」
ウルフ「…でも絶対に許せない」
「俺を殺して…母上の元にいることを!!」
ウルフ「貴様は何故いる! 母上の元に!」
ジン「(そうだリアンもルーシアも聞いても
答えてはくれなかった事だ)」
ルーシア「我とリアンは…契約者だ」
ジン「なに!?」
ウルフ「一体なんの!!」
ルーシア「死ぬような契約条件
ではない安心してくれ」
「契約を条件としたのは…その条件は…」
ジン「どんな条件だルーシア!!」
ルーシア「ジン、お前への呪いだ」
ジン「なッ!?」
ルーシア「お前に向けられた恨みを持ち
死んでいった…者達の怒りを知る呪い」
ジン「……」
「生まなきゃ良かった…」
ジン「嘘…だろ…なぁそんなの…!」
ルーシア「リアンは知ってほしかったのだろう
どれだけ恨み死んで殺されていったかを」
ジン「…やっぱり生きてるのが…失敗だった…」
「あの時娘に手を出してしまったとき娘の手で!
あの手で…殺されていれば…オルガ…!」
ルーシア「お前の周りはいつも
すぐ死を言うもうやめてくれ」
ジン「だって…俺は…虐殺だってしたんだ」
「こうなって当たり前だろうな」
ウルフ「クッ! いい加減にしてください!」
「これも母上の何か考えがあってのこと!
ジンさんを苦しめるためではないと思います」
ジン「もういい…」
ジンは立ちあがり外へと出た
いつもそうだ強者は
弱者を苦しめる
いつも言ってる事だ…俺は弱い…
だから苦しめられる
何年もずっとな
今度こそ死んでしまおう
誰にも邪魔が入らない場所に
誰にも目が付かない場所に
やっと会えたのに…キリア…アーリヤ…
いつも同じような考えをして
同じような別れをして
心が折れ死を選ぶ
同じだ昔と…何も変わってないな
変わった気でいただけで
何も変わってない
“人は変わろうにも変われないんだよ
変わりたいと思っても変われない“
そういえば…歌で人生が変わるなんて聞くが
歌で何かが変われるなら俺も苦労はしない
ジン「なんの為に今も生きているんだ俺は
一度俺は死んだはずなのに!」
ジン「なぜ俺は今も生きているんだ!!」
名はディールだ よろしくなジン
ジン「お前に海の底へと沈んで行く俺を
闇の世界へと転送したんだっけな」
「帝王ディール…なぜお前は俺を選んだ…」
ジン「まぁいい…このままどこかに」
???「死にに行くのか」
背後から声がするジンは振り向く
ジン「父さん!」
ジンの父「俺は言ったはずだ強くなれと」
ジン「なんで生きてるんだ」
ジンの父「お前と同じさ」
ジン「同じって」
ジンの父「魔に呼ばれ召喚され生き返された」
ジンの父「俺の場合とても良い女悪魔だったが」
ジン「………」
ジンの父「そんな目で見るなよジン
生き返されただけだ」
「生き返り何も言葉も言わず
人間界へポイッと置かれた」
ジン「魔に生き返されたのなら力は?」
ジンの父「託されはしなかったよ、まぁ
託されようとしたら俺は断るがな」
「俺には力がある正義の力が!」
ジン「…父さんとっての正義はなんだ」
ジンの父「助けることだ魔も人も関係ない」
ジン「そう…父さんなんで今まで来なかった」
ジン「生きているなら会うこともできたはずだ」
ジンの父「………」
ジン「答えてくれ」
ジンの父「会わす顔がなかった」
「俺はお前に託し死んだそれなのに
生きていると知ったらどんな顔をされるのか」
ジンの父「正直怖かったんだ…」
「ジン! ついでだ教えてやる!!」
ジンの父「その眠る力を覚ませそして
守ってやれお前のお馴染みをな!」
ジンの父「約束だ…ジン……」
ジン「まて!!」
ジンは目を開けるジンは地面で倒れていた
起き上がり辺りを見渡すが父の姿はなかった
ジン「…夢なのか…ちぃ!!」
ジン「わからないんだよ!
意味がある事なのか!それともただの夢か!?」
「謎解きのような言葉を残すなよ…!」
イヴ「…とりあえずこれでいいよね?」
ルーシア「生きる意味を伝えれたならばな」
ウルフ「お前は何者なんだ!?」
イヴ「ただの魔よ」
ルーシア「イヴ…」
私を知るのはジンだけでいい…
認めてもらいたいの
あなたのもう1人の娘だってことを
ーーーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます