猛烈な暑さの夏。
男はいつものように、ろくでもない連中に脅されていた。
いや、脅されていたというか、払うべきものを払わなかったので、当然の措置だった。
真面目な彼らとは違って、世間の人達は冷たいので、機械的に電気を止め、水道を止めた。食料もなくなった。
ろくでもない男はすっかり干からびた精神と身体を引きずって外へ出る……
徹底的に暗いのですが、さっぱりしています。
後ろ向きの中にも前向きさがあったり、諦観の中に未練があったり、充満した死の気配の中にも生への渇望があったりと、
「生きるということ」というタイトルにふさわしい、皮肉と人間臭さに満ちた作品でした。