今月

 今月に入ってから、毎日、自転車に乗っています。もちろん、道というのはすべて舗装されているわけではなく、砂利道もあるものです。小学生のころには心躍りました。仮に、舗装されていたとしても、走りやすいなめらかな道だけではありません。ひとつ、思い出したことがあります。10年くらい前、おじいちゃんとした会話です。


 「ねえねえ、世界には上りと下りとどっちが多いの?」

 「きっと一緒だろう。」


 僕は、人生についてとか、そういう意図はまったくありませんでした。この会話をしたのは何年か前の8月3日です。祖父の誕生日の1か月前だったから、覚えているだけです。この質問には他意はありませんでした。つまり、純粋に世界に上り坂と下り坂、どちらが多いかを質問しているのです。僕は、「きっと一緒だろう。」の意味を飲み込むまでに結構時間がかかったのを覚えています。おそらく、A地点からB地点について、往路だけについてを考えていたとすると、理解に時間がかかるのも納得です。復路のことを考えていないわけです。当時、この答えの意味がわかってから、僕は不思議な質問をしたものだなと、興味深い体験だったなと、今でも、心のわりと真ん中の方にとめてあります。上り坂もあれば下り坂もあるというのは、名言でもなんでもなくただの事実なのですね。


 自転車に乗ったのはだいたい、3か月ぶりくらいでした。昔はもっとカーブを綺麗に曲がれたのに、とか衰えを感じることがよくあります。目の前に、10センチの段差があるとします。これが、自転車と垂直にあるのなら、恐れず突っ切るだけです。手にコーヒーを持っているときとか、かごに軽いものを入れているときは注意を払うかもしれません。本当に怖いのはそれが平行だったときです。ずざ、ずざざ…。と転んでしまうかもしれません。ガソリンスタンドの溝にはまって綺麗にこけた先輩のことをよく覚えています。今、競艇にはまっているというのは本当にどうでもいい話です。だからやっぱり、タイヤと平行になっている段差というのは怖いです。自転車を少し前から角度を変え、40度くらいの角度をつけて乗り越えるということをよくやっています。たまには勇気を出して、勢いで行くこともあります。賭けは楽しいですから。砂利道で、ブレーキをかけるとタイヤが沼にはまったような感覚になるのも好きです。



 今月、なんとなくテレビを見ていると戦争の話題が多いですね。終戦して、78年ですか。一つの世代が、今消えようとしているというのを実感しています。先の大戦について話すと長いですし、ここは僕の戦争観を書くところではないので、そうですね、近代史をちゃんと勉強してそのうち本を出しましょう。一言だけ言っておくと、あれですね「勝てば正義」ということです。先進国の、戦勝国の方々は罪刑法定主義を知らないらしく、東京裁判を開いたり、戦時国際法を知らないらしく、原爆を落としたり、怒りが湧いてきます。それに、原爆投下は正しかったとか抜かす連中が多いと来たら、もうお手上げですね。戦争と天皇の関わりとか…やっぱり長くなりそうなのでやめます。平和記念式典を動画でちらっと見たのですが、デモの声が非常に気になりました。恥ずかしい限りです。反戦運動、平和運動をしているつもりなのでしょうがなんだかもう害にしか思えないですね。

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